こがねまちのおおがねもち
クエスはパチンコで多額の借金を背負っていた! ジャンヌ達にお金を稼がせていたのも借金返済のため……そんなろくでなしシスターは、ついにヤクザ的な方に捕まり、連行されるのであった。
ほぼ自業自得だが、反面ヤクザ的な者たちの話の内容からガブリエルブレインの存在が前よりも確かになった事もあり、ジャンヌは彼女を助けるためにヤクザ的な者達を尾行することにした。
893達は、柳ケ瀬商店街を抜けて、町外れに出た。何だか懐かしさの漂う家々が並ぶ。国民的三世帯同居アニメの実写版の舞台にするの相応しいと言いたいのだか、たまに近代的な建築物があるため、残念だが一部CGで加工する必要がありそうだ。
「昭和ですね」
「平成生れが言うのな」
「ジャンヌ様はどっち生まれてすか? 昭和、それとも平成?」
「どちらども言えないな」
「あ、愚問でしたねー今のはトイレの水に流してください」
更に歩くと、そこには真っ黒な外壁が目立つ細長いビルが姿を現した。まるで、ソロモンの塔のような周囲に溶け込まない違和感の塊に、ヤクザらしき男達はクエスを連れ込む。そのあと、入り口には逃走バラエティー或いは忍者皆殺しマンガに出てきそうなガタイの良い黒服サングラスの男が二人出てきて、入り口の左右に立った。どうやら、クエスを逃がさぬつもりらしい。
「うわー、悪そうですねヤバそうですね。悪の巣感ハンパないです。チビりそうです」
まく朗はひそひそと言わない。普通の声であっけらかんと言った。まあ、奴等が女の子二人を見たくらいで驚きはすまい。それに、どのみち、あの入り口を開け、中にいれてもらわねばならないのだ。
ゆえに、私が取る行動もただひとつとなる。
そのため、一つ確認せねばならない。
「まく朗、これから少し手荒な真似をする。ある程度危険が伴うから、退避していてくれても良いが。どうする?」
「ああ、気にしないでください。私もクエスさんのこと心配だしあの建物のトイレがどんなのか見てみたいので、ついていきます」
「わかった。ならばこれ以上は言うまい。道を切り開くぞ」
「はい!」
私は、天に右手の掌をかざした。
そして、唱える。
「目覚めろ、フラガラック……!」
すると、空間の一部が淀み、その中から美しい白銀の剣が姿を現す。大須で再会した、手にするものに勝利を約束すると言う聖剣だ。
「なーに、もう朝なの?」
聖剣を握ると、聖剣から声が発せられる。このフラガラックは魂を持つ、喋る剣なのだ。
「いや、今回は目覚まし時計に使った訳じゃない」
「確かに昼ね。って言うか朝以外次元の狭間に放置するのやめてくれないかしら!? いくらながーく生きてるっていっても退屈なのよね。まだ大須の地下で地面に刺さってた方がマシよ!」
「いや、小うるさいし。第一、何より、凶器を持ってこの日本は歩けないだろう」
「そりゃそうだけど……こうなったら、擬人化能力でも身に付けようかしら」
「ただ、今回だけは例外だ」
「え?」
「あの男達を、少し脅かす」
ジャンヌ=ダルクと反社会的勢力の戦い、前世以来の潜入作戦、強硬突破が今始まる。




