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聖識者の日誌(198×年4月8日)

今日は、運命的な日であった。


戦後、この教会の入り口に捨て子をする人間は1人もいなかった。それも、当然だ。ここの存在を認知している者は少ない。教会としての機能をほぼ有していないのだから、忘れられる。そしてこの私とて、聖職者として見られることは到底あるまい身なりを普段はしているから、ただそこら辺のしがない老人にしか見えないだろう。


なのにも関わらず、わざわざ、私のところに子を任せた。

しかも、本来この俗世に降りるべきではないだろう、その赤子をだ。


天使様のような陽の光のような輝きを持つ髪と、夜の月の光のような透き通るような深淵なる白肌ん併せ持つ。あの少年以来の、只なら非る存在。


大いなる御神様は、私に、この一日(いちじつ)の子を育てろと申すのでしょうか。 この先長くない老いぼれに、改めて、生を管理する権限を与えると。試練を与えようとお考えなのでしょうか。


そう仰せならば、従います。

私が残りの生涯を以てこの子を育て上げ、正しき未来への光路を築く礎へと成らせる事に努めます。


おそらくこれが、この岐中(きなか) 貞三(ていぞう)の最後の務めになるでしょう。どうか、この不届き者を、この大罪人の生き様を、命尽くるまでお見届けください。






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