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ぼくと彼女の変わった日常。  作者: ねむ。
変わってしまった日常。
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童女(ファン)

街中の水路を流れる澄んだ水と、白いレンガ造りの建物が美しい国だ……ったらしい。今やそんな姿は想像もできないほど壊滅的だった。水は砂や石が混じって濁り、レンガ造りの建物もガレキの山になっている。

ウォシュレットは騎士団の連中と共に街民の救助に向かうと言っていた。夏都にいるには違いないが、この場にはぼくとアリス、ソノとミナハの四人だけだ。


「酷い状況だな。この惨事を見るに、奴ら空から砲でも放ったんだろう」


辺りを見渡してソノが言った。アリスもそれに続くように口を開く。


「みんな死んじゃったのかな」

「残念だが……この状況で助かった人がいるとは考えにくい」


それもそうだろうな、と、奏唄は思う。

前持って気づけたのなら魔法なりで防げた可能性もあったかもしれないが、空から突然攻撃を受けたとなると逃げ遅れるどころか、逃げる一歩を踏み出す余裕もない。


背後から音がした。


「おっ、お前たちか! この国をこんなにしたのは!」


そこに立っていたのは、棒っきれを聖剣の如く構えた童女。威勢がいいのは言葉だけ。彼女はかなり怯えた様子で眉を歪ませていた。


「違うわよ。私たちは春都から……」


カランカランと棒が落ちた。童女は唖然とした様子でアリスを見つめて、凄まじいスピードでやって来た。


「アリス姫!? うわ〜! 本物だ!」

「ふぇ!? あの、えっと……」


そんな「何この子」みたいな目で助けを求めるでない。ぼくにはどうすることも出来ないから。お前のボディーガードじゃないからね。


「私、ミロっていいます! 姫の大ファンなんです! サイン下さい!」

「ファン……? 私のサイン?」


じゃれるミロとアリスを横目に、ぼくとソノは今後の予定について話す。


「あの童女は魚人族の子だな」

「そうみたいですね」

「先ほど、この国をこんなにしたのはお前達か、と叫んでいた。あの子はここが攻撃を受けた瞬間を見ている可能性が高いな。ミナハ」


少女の姿に戻ったミナハちゃんはとてもかわいい。というのは置いといて、ソノから指示を受けた彼女はミロに優しい声で頼みごとをした。

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