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ぼくと彼女の変わった日常。  作者: ねむ。
変わってしまった日常。
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壊滅

少女は水路を泳ぐ。水路というのもただ水が流れるだけの路ではなく、彼女たちが泳いで進むためのものでもある。脚はなく、尾ヒレが日光を受けて輝くのみ。


ここは夏都。魚人族が住まう国だ。


少女は急いで水路を遡っていた。

その理由というのは、先ほど海の岩場で休んでいたときに突如視界に現れた〝島〟。空中に浮かび海上を進んでくる島だった。


──ママに報告しなくっちゃ。


嬉しい報告ではない。これからこの国に起こることを〝予知〟しての報告だ。



「ほー、あそこが夏都。綺麗なところだな」

「マル様。指示をお願いします」

「ん? 指示か」


マル・ゼスティアは背から大斧を抜き、天高く掲げて叫んだ。


「総員、戦闘準備だ! この国に住むのは漁業にしか脳のない魚。砲撃隊。さっさと終わらせろ」


直後、砲撃隊が魔法砲を放った。


砲から放たれた真紅の光線は海を割り、夏都の大地を真っ二つに割った。



「マル様、この先どうされますか?」


マルは顎に手を当て小さく口角を上げた。


「手土産に王の首でも持ち帰るかぁ」



あの後、アリスの不安な表情を察してかソノが春都まで送ってくれた。実質かなりの距離だったように思うが、ミナハちゃんのスピードは尋常ではなかった。


一角馬の背に乗ったのだが、少女姿のミナハちゃんが頭をちらつき少し変な気持ちになった……なんてことは口が裂けても言えない。アリスに殺される。


結論から言うと春都は無事だった。

だが、城下や城内の人々はアリスと同じような、不安な表情を浮かべながら皆同じ話題を口々に話していた。



その内容は、夏都という国がゼストに襲撃され、王が殺されたという酷いものだった。

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