対面2
「ふぃー、ただいまー。お、今日は豪華だな」
「ほんと、いい匂いねー」
PM7:30。父と母が帰宅した。
ひとしきり姉貴が腕を振るった料理を褒めた後、二人は同時にハモった。
「「で、その娘さんは?」」
なんで二人ともぼくのほうを見るの?姉ちゃんの友達……はちょっと無理があるにしても、友達の妹とかさぁ、あるやん?
「えーと、彼女はアリス。あれ、歳は……」
「15歳です」
「だそうです。ぼくと同じですね」
姉貴のほうを見ると、嫌にニヤついて……
「ま、いいじゃん! 食べよ食べよ!」
「かっかっか! そーかそーか!」
「はい! そうなんです! あ、お義父さんお酒のおかわりどうぞ……」
「お、ありがとう義娘よ! かっかっか!」
何がお義父さんやねん。
父さんもいい感じに酒がまわって、気持ち良くなっているせいか、謎のハイテンションでアリスが注いだビールを飲む。母さんはにこやかに父さんとアリスのやり取りを見ている。
異様な馴染みようだった。
「で、なに? ようはホーム……ホームステーキをしたいってこと?」
「やだ、ホームステイですよお義父さん!」
なんだよこのゆるーい会話!だんだんイライラしてきたわ!
「ああそうだった! 別に構わんよ?」
「ほんとですか!? ありがとうございます!」
「君も今日から我が織宮家の一員だ!」
「ありー、携帯どこ置いたっけか」
「しっ、知らないわよそんなの!
それよりも、やっと生活環境が整った!」
「いやいや、まだだろ」
「え、どうして?」
「お前、いつまでそのカッコでいるつもり?」