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ぼくと彼女の変わった日常。  作者: ねむ。
変わった日常。
24/65

新たな問題、危機

「カナタにゃ悪いが……」


こっちも早いとこ片づけなきゃならんので。


クウヤは春都にいた。

少し離れたところでは竜が叫び声を轟かせている。


……え? 叫び声……?


「待て待て待て!!」


竜が何者かに攻撃されていた。竜とは言ってもウォシュレットだから、まあ死にはしないだろうけど……大丈夫ではない。

なぜなら、この世界で竜狩りをするメンバーなど決まっているからだ。そう、竜狩りをするほどの武力を持つのは、王家に仕える騎士団ぐらいのものである。


「お前ら、攻撃をやめろっ!!」


ぴたりと兵士たちの手が止まる。

「この声は……!」みたいな感じで一斉にこちらを向く兵士たち。その隊の中から、一人の青年が現れる。


「シャグル、久しぶりだな」

「くっ、クウヤ様!?」


この青年はシャグル。ウォシュレットが束ねる騎士団の副団長だ。


「まあまあ、積もる話は後にしようや。それより、あんたらが攻撃してたその竜、ウォシュレットなんだけど」

「なんですとぉぉぉ!?」



あの後、騎士団総出でウォシュレットをぼこぼこにして、俺が簡略化した、魔力を外に逃がす魔法をこれまた騎士団総出で使用した。ウォシュレットがこうなったのは、増えすぎた魔力が理由だったようだ。


「いやはや助かった。ありがとうなシャグル。それより、身体のあちこちが痛いのですが、これは?」

「えーっとな、アレだ。多分あれだよ」

「そうですよ団長。アレです」

「はー、アレですか。では仕方ない」


……つっこまないんだ。寛容。


「とりあえず、カナタに連絡しとくか」



「もしもーし」

『クウヤでーす、春都から電話してる』

「あ、春都にいるの。了解でーす」


電波届くの!? 向こうに支部があったりするのかしら?


『うい。ウォシュレットは元に戻ったから心配はいらない。だが、そっちの被害をどうするかが問題だな』


そう。問題はそこなんだよね。


『とりあえずそっち戻るわ』

「はいはーい」


電話を切る。

それと同時に、背後から声をかけられた。


「奏唄」


アリス……じゃない。この声は……


「ち……さ……」


琴結 知砂。ぼくの幼なじみである。

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