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ぼくと彼女の変わった日常。  作者: ねむ。
変わった日常。
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突破

依然として、双子の月の下を歩いている。

と言うより、視界の先には闇と月明かりを反射する足元の水だけしか見えない。


「これ……出口あるよな?」

「あるけど、ない」

「は?」

「あるけど、ないんだよ。ここは夢の中。あの紫の少女が神の世界。となると、扉やその類のものを生み出せるのは彼女だけさ」

「魔法でどうにかできないのか?」

「無理だ。俺は誰かが使用した魔法の魔力を使って魔法を発動する。つまり、他者から魔力の供給がないとダメなんだ」


他者からの供給……か。じゃあ仕方ない。

あーあ、こんなときにアリスがいればなぁ。もうこの際ウォシュレットでもいいや。


「君は人間だし……」

「魔法なんて使えやしないよ……」


こんなことなら、ウォシュレットのやつにちゃんと習っとくんだった。やらかしたー。


……待て待て。いけるじゃん。


「あ、魔法の使い方は知らんけど、魔力なら持ってるわ」

「いやいやいや、何の冗談?」

「冗談じゃねーよ! だって、ウォシュレットになんか食わされたもん。文字式か、魔法陣とかそんなやつ」

「え……? ウォシュレットと知り合い?」

「知り合い……というより、半居候?」


あいつ、帰るの寝るときだけだし。どこに住んでるんかも知らんけど。


「家宝の魔玉か……なら、普通に脱出できる。てか、早く言えよ! 無駄に歩いてたじゃねーか!」

「知らんがな」


んんっ、とクウヤが咳払いをする。


「じゃあ、発動して?」

「何をっ!? 使い方わからないって言ったよね、ぼく!」

「イメージするんだ。胸の位置で手のひらを上に向けて、火の玉をイメージする」


ああ、電車ん中でアリスがやってたやつか。


「我が手の内に現れよっ!」


しゅぼっと火の玉が現れた。やればできんじゃん、やっぱぼくテンサイだわ。


「セリフ、必要だった?」

「言ってみたかっただけ。で、これからどうすんの?」

「ここからは俺に任せて」


クウヤの腕から何やら銀色に輝く触手のようなものが一本伸び、ぼくの手のひらの火の玉を吸収した。


そしてその魔力から生み出したと思われる剣がクウヤの手に握られ、真上から振り下ろす。空間が裂け、できた穴の向こう側には見慣れた景色が見えた。


「さあ、行こう」

「うん」



「うっ……。私の夢が……!」


突然コトトが膝をついた。頬を涙が伝い、非常に苦しそうに息を荒げている。


「あの男……私の夢を……破壊した……」


奏唄に魔法は使えなかったはず。魔力はあっても、それを操作して形にしなければ脱出することも、戦うこともできないはずなのに。


「奏唄……!」


早く……来て……。


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