表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
41/160

小話 コウメの日記(総集編的な何か)

 どうも、陰気系で謝罪癖がある亀テイストな少女、コウメです。


 いきなり私の独白なんて不愉快極まり無いですよね、ごめんなさい。




「……私、何で日記でまで謝ってるんだろう……」


 魔地悪威絶まじわるいぜ商会本社ビル、3階。


 アシリアとコウメが居候する居住スペース。


 寝床に入ったコウメは、小さなランプの光で手元を照らし、日記を書き記していた。


 隣ではアシリアがぐっすりと寝息を立てている。

 そのため、小さな光源に頼らざるを得ない。


「私の日記なんだから、私主観で書いたって問題は……」


 でも、やっぱりどうなんだろうか、とコウメは少し考える。


「……三人称で書いた方が良いのでしょうか……」


 しかし、コウメはあまり堅苦しい文章は得意ではない。

 今までも自分主観で記してきた。


「……まぁ、人に見せるモノでも無いですし……」


 という訳で、気を取り直し、日記を書き進める事にする。




 私がこっちの世界に来て、早1週間が過ぎました。


 ここでの暮らしに慣れるには、まず親しい人物を作るべきだろう。

 私はそう考え、私が務める事になったこの会社の方を観察・調査してみました。

 頑張って本人からお話も聞きました。



 まずは、社長さん。ボス、ですね。


 とても……その、何と言うか、子供心とその姿形を忘れていない方、と言いますか……その、幼……少女、ですね。はい。

 じ、譲歩なんてしてません。日記でまで気を使う程、私の気は小さく……その……


 と、とにかく、お名前はテレサさんというそうです。


 何でも、この国のお姫様であり、自在に魔法が使えるらしいです。

 すごいですね。あ、私如きが偉そうな口を叩いてしまってごめんなさい……


 ……あ、また謝って……もういいや……ボールペンだから消せないし……


 とにかく、その魔法のせいで、お父上と揉めてしまい、王族として生きる事に嫌気がさしたとか。


 なので、心機一転、自分がやりたい様に生きよう、どうせならカッコイイ人生にしよう、そう思い立ち、ダークヒーローを目指したそうです。


 その結果、この悪の組織、魔地悪威絶商会を立ち上げた、……との事、なんですが……


 ……この1週間、特にそれらしい活動はしていません。

 一昨日、近所のおばさん家の庭の草刈を依頼されていましたが、アレは絶対違うと思います……




 次に、第1の社員であり、最高幹部。


 こう、ちょっと目つきが恐い青年さんです。

 ……いえ、あの、私が過剰に怯えていて、そう思い込んでしまっているだけかも、という可能性はありますが…ごめんなさい。


 彼の名前は、ガイアさんと言います。

 現在は大学2年生、でも来月には3年生になるそうです。

 高校時代には、『悪竜の王』というドラゴンの王様率いる軍隊と闘う『自称勇者』という職業(?)に就いていたとか。


 その時の武器、『対竜兵装』は現在携帯を禁じられているらしいのですが、テレサさんから借りた魔法の指輪に入れてシレっと持ち歩いている様です。


 元自称勇者という経歴から、テレサさんの目に止まり、この会社にスカウトされたそうです。


 テレサさんに意地悪をして、そのリアクションを見るのが好きな様です。


 ……勝手な想像でモノを言いますが、もしかして小学校とかで好きな子をイジめてたタイプなのでは、という印象も……


 とりあえず、何だかんだと私やアシリアちゃん(後述)のお食事の世話をきっちりとしてくれるので、そんなに悪い人ではありません。

 竜宮城の宮廷料理と比べてしまうとアレですが、充分おいしい御飯を作ってくれます。


 ……手間を取らせてしまってごめんなさい……


 あ、ここはお礼を言うべきなのに、本当にごめんなさい……


 備考として、男性に風当たりが強く、女性に対し性欲を覚えるタイプのお姉様がいらっしゃります。


 ……もうお会いしたくないです。




 次に、第2の社員さん。


 ……というか、猫さんです。

 名前はミーちゃんさん。

 この場合、ミーさん、でしょうか?

 ちゃんまで名前という可能性もあるので……明日、確認してみます。


 ミーちゃんさんに関しては、少しメタボな感じなので、食生活が心配です。

 あ、よく目眩や貧血を起こす私如きが他人様の心配なんて、失礼過ぎますよね。ごめんなさい。


 あれ? 猫に他人様と表現して良い物でしょうか……


 ま、まぁそれはとにかく、ミーちゃんさんはテレサさんのペットで、いわゆる水増し要員、なのだそうです。


 でも、私よりは先輩、なんですよね……




 次は、第3の社員さん。


 こちらも猫さんテイストですが、猫さんではありません。

 猫耳と尻尾の生えた、真っ赤な髪が特徴的な10歳くらいの女の子です。

 我々魚人(マーマン)と同じ亜人種で、『獣人』と呼ばれる少数部族の末裔なのだそうです。


 名前はアシリアちゃん。


 さん付で読んだ所、呼び捨てで良いと言われたのですが、アレだったので……折衷案の「ちゃん」です。


 アシリアちゃんは、とっても力持ちです。

 獣人族の特性だそうです。


 獣人族の里は現在グローバル化を計っており、その一環でアシリアちゃんはこの会社に入ったそうです。


 昨日は、一緒にリバーシをして遊びました。

 直感で勝負しているらしく、基本雑な手が多いのですが、希に会心の一撃が……


 要注意です。




「…………」


 ひと段落ついた所でペンを置き、コウメは日記を読み返してみる。


「…………悪の組織……じゃないですよねぇ、やっぱり……」




 これは、そんな『悪の組織(笑)』の面々を中心とした物語。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ