俺のターン
遂に仕掛けを発動する。
「ハッッ! 『四柱結界・テトラルキア』」
俺が下準備していたところが文字通り四つの隅が光り輝く、そのまま結界の発動を確認する。そして、俺とグラウンドは結界の中に入っている外からも中からも干渉されない。
「おぉっと、これは中級術式の一つ・テトラルキア。テーター君この術式は少し特殊なんですよね。」
「そうなんですよ。この術式は術者の任意によって、少しアレンジ出来る特殊な術式なのですよ。」
そう解説者が言った通りだ。そして、この結界には「薄暗い」という効果を付与している。外からは、なんともないように見えるが、結界内は違う。光が薄くて、真っ暗ではないが、暗いのだ。
さらに『ikon23影者・ダミーシャドウ ikon44木霊・エコー』二つの法術を発動。
グラウンドは、結界からでようとして、怖そうと試みているが、
オレが「敵に背をむけ逃げるのか」というと結界内に「逃げるのかい」という言葉が反復される。
「誰が逃げるといった?」グラウンドはこちらを睨む。
そして、向き直る。
「かかって来いよ。」 「言われなくても。」
ランスを振りかざしながらくる。オレはただ下がるだけ、矛先が30㎝前をブゥオンっと通過する。
そのまま10分・・・。
sideグラウンド
「なんで、なんでや。」何回目かわからない自問。
目の前にキッドがいる。これは間違いない。
オラのランスの突きを避けている。間違いない。
かれこれ10分近く攻撃しているが、全く疲れた顔をしていない。これ間違っている。
もう自分の限界が近づき始まっている。
ランスの先がキッドをとらえたと思ったら、約30㎝後ろにキッドがいる。
こういうのが何度も続くと自分は幻術に填まってしまったのか、それとも疲れて幻覚を見ているだけなのか、わからなくなってくる。
「くそ、icon1 ファイヤ」前方に魔法を飛ばしてみるが全くの無駄だった。
前方じゃないなら左右、後方のうちどこかにいると思いガムシャラに魔法を連発するが、骨折り損だった。
遂に地面にしゃがみ込んでしまう。
「ハァ・・・ハァ・・・」思ったよりキツイ。結構トレーニングしているんだけど。
額を滴り落ちる汗が地面に水溜まりを作る。
いつの間にか薄暗さは一変し辺りは漆黒の暗闇に包まれている。これでは、結界を破ろうにもどちらに行ったらいいのか分からない。
「もう降参したら。」右の方から超えが聞こえる。
「誰ぇが、降参なんか。オラは、まだまだやるべ。」
これが精一杯の抵抗だった。
『ふ~ん。まだあきらめないんだ。』
『そのヘトヘトの身体で。』
『もう、あきらめようよ。』いろんな声があちらこちらから聞こえる。
『なんで、俺に攻撃が当たらないかわかる?』
そこが分からないから悩んでいるんだ。
『それはね、君が「重い」からだよ。』
「重い・・・。」
『そう、見てみなよ自分がつけている防具の数々。どう見ても重いよね。』
『そんなプレートアーマーで身を固めているから、あと一歩で俺に攻撃が通らないし、疲れてバテるんだよ。』
『そんな重いおもり取っ払おう。』
何故か耳に残る「重い」という単語。
「そうか、これを取れば体が軽くなる。
そしたら倒せる。倒せる倒せる・・・」
『解除』
その言葉とともに光の粒子になって、消える防具。
傍に人の気配!?と思ったら・・・・・・
「はい、おつかれ。」意識がプツリと途切れた。
side out
「ふぅ~。やっと終わった。」これで一段落がついたみたいにしゃべるキッド。
何この長い闘いに終止符打ち込みました(´Д`;)/ヽァ・・・ 。
やりきったってした満足した顔。
Σお前何もしてないじゃん。俺のツッコミが飛ぶ。
実際キッドは何もしていない。グラウンドを幻術までかけたのは、キッドなのだが・・・・・・
後半全部俺がやりました。
どういうことかって?
前半は、ダミーシャドウで自分の姿とだぶらせて遊んでいらしのだが、途中で飽きてしまい
自分の幻術だけを見せたまま自分は途中放棄。
そのままグラウンドは、もて遊ばれたのだ。(こう書くと変態チックだな。)
その間コイツは相手を幻術かけた慢心から、「薄暗い感じにしたのだから寝なくては」などと意味不明な理由をかかげ、地面に座り寝始めたのだ。
しかも、ここで考えてもらいたい結界外の人からは、大巨漢の男が暴れていて、近くになんかいきなり寝だした人が見えるわけですよ。シュールだな(; ̄д ̄)ハァ↓↓ 。
野次馬だらけのなかで寝るなんて、肝っ玉の太くない俺にはできないことだ。
しかもこいつ、寝る前に注文してきて、「1,グラウンドの鎧を脱がすこと
2,ヘトヘトになったら起こすこと 3,脱がし終わったらキッドを起こすこと。」
というメンドクサイことを押しつけてきたわけなんですよ。
最後の方キッドじゃなくて、俺の念話だからね。ねぇ俺えらくね?えらいよね。
脱がしたんだよ(男の鎧)だけど・・・
ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・言わせたんだよ(男だけど)
*男には興味ありません。
男でいけたなら、女でも逝けるのでは、キッドの幻術と俺の話術で女の子にもグへへ、グへへ。
話が逸れた。え~コホンはなしを戻すと鎧をとったグラウンドの首筋にキッドが手刀をいれ、気絶させ勝った。
いいとこだけ、取っていった決闘だった。
新キャラ登場させるつもりっす。