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勝利の味

作者: 綴 詠士
掲載日:2026/01/24

「わーーー」

 

 女の子、メリアが叫んだ。

 

 目の前には大海原が広がっている。


「すごいね」

 

 メリアが言う。

 

「ああ、そうだね」

 

 ユーゴは頷く。

 

 二人はこうしてここにきていた。

 

 二人にとって初めての海だった。

 

 そして事件が起きた。

 

 海からマモノたちが現れてくる。全身をフジツボに覆われたような白い人型のマモノ、砂浜を飛び跳ねる青と赤の斑点の巨大クラゲ。他にも沢山のマモノが這い出てくる。

 

「うわー。すごい! 私あんなマモノ初めて見たわ! 海でどうやって暮らしてるのよあれ! 凄いわね!」

 

「ちょっとメリア! 感心してる場合じゃないって! 逃げないと死んじゃうよ!」


「いいじゃない、ちょっとぐらい。まだ距離遠いし」


「いやいやあいつらこっち来てるって! 絶対気づいてる!」


「もう、ユーゴは臆病なんだから」

 

「早く村に戻るよ! ここにいちゃだめだ!」

 

「分かった分かった、うるさいわね」


 メリアはぶつぶつ言いながらもユーゴの後について走った。

 

 村に帰ると、海からマモノが出てきていることを教える。

 

「マモノなんてどうすればいいんだ! 逃げた方がいい!」


「逃げるったってどうするというのだ? ここを出た所で全員野垂れ死ぬだけだ。違うのか?」


「……」


 村長の言葉に村人たちが黙り込む。


「分かったな。防衛準備をするのだ。この村を守り抜く」

 

 そしてマモノたちがやってきた。


「おい、なんだアイツら!」


「恐ろしい! あんなのに襲われたら死んでも呪われるぞ!」

 

 その姿を見て村人たちが恐慌状態になる。


「みんな臆病すぎ。ほら、見てて。私の魔法を見せてあげる!」


 メリアがマモノたちに向けて片手を構える。

 

「はあ!」

 

 先制攻撃。

 

 炎の魔法がマモノを数匹燃やす。

 

 マモノたちが聞くに堪えない叫び声を上げる。

 

「メリアが魔法を撃ったぞ! ほらビビっとらんで矢を撃て!」


「はい!」

 

 村長の声と同時に矢がマモノたちに降り注ぐ。

 

 そしてマモノたちの一部が倒れていく。

 

 だがそれで終わらなかった。

 

 マモノたちの数は多く、どんどん迫ってくる。

 

「ああもう怖いけど戦わないと!」

 

 ユーゴは覚悟を決め、剣を構える。

 

 村人たちは怯えながらもそれでも迫ってくるマモノに備える。

 

 そして村人たちは戦った。


「おらああ!!」


 ユーゴはフジツボに覆われたマモノに切りかかる。


 その剣はマモノを両断する。


「流石ユーゴ! やる時はやるじゃない! ほら皆も戦う!」


 メリアが村人たちを鼓舞する。

 

 そして村はマモノとの戦闘に勝利した。

 

「見なさいユーゴ。フジツボくんの死骸よ。ほらほら、こいつ解体しましょ? どうなってるのやら」


「やめてメリア! それはグロいから!」


「いいじゃない、海の恵みよ! ほらほらまずは腕を切りましょう。あら、中はいい感じの肉じゃない? ほらあーん」


「やめて! 口に持ってこないで! 勝ったんだからもういいでしょ!」


「あ、こら待ちなさい! 貴方の勝利の味を自分で味わいなさい!」


「勝利の味はもう味わったって!」




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