お母さんの枕もと
ゼウスのチカラで
りおは美聖の枕もとに現れた
お母さんはりおの元気な声をきき
りおの無事を確信したのでした
ゼウスのチカラによって
りおは母である美聖の意識へ転送?された
お、これがおかあさんのアタマのなかなのかな?
(りおりん?きこえますか?)
あ、あーみん?
きこえるよー
あーみんとはなしができるんだね
(うん、天上界とみえない糸電話で
つながっている感じです
わたしがおかあさまの夢を操作しています)
おー
ますます、あーみん
尊敬の眼差しキラキラだよ
(りおりんこそ
さっき、すごいなって思いました
わたしのときはくだけた口調なのに
ゼウスじいちゃんの前は
すごいオトナの女性?
そんな感じでした)
ふっふー
オトナだからね
社会人のたしなみですよ
(わたしこそ尊敬の眼差しキラキラでした
じいちゃんの前で
あんなに堂々とちゃんとはなすことができるひと
初めてみました
わたしはじいちゃんだから
ふつうにはなしができるけど
一般の神さまの多くは
はなすどころか近づくこともしません)
そうなんだ
ぜーじー、すごく優しそうだし
ほんとに好感しかないけどね
(ありがとうございます
孫としても嬉しいです
あ、ごめんなさい
おかあさまとはなしをしないとですね…
わたしはそのままみてます
おかあさまに話しかけてみてください)
うん、わかった
おかあさん
おかあさん
わたしだよー
りおだよー
[りお?
りおなの…
よかったー
大丈夫なの?
どこも痛くない?
りお、今朝いきなり倒れたのよ…
あれ、わたし寝てた?
もしかして、これは夢?]
うん、おかあさん
心配かけちゃったね
わたしは大丈夫
大丈夫なんだけど
残念ながら、いまは夢の中だよ
実際のわたしはまだベッドで寝ているよ
[あ、これは夢なの
そうなの…
でも大丈夫って?
…大丈夫なのね
もうすぐ目を覚ましてくれるの?
そういうことでいいのね?]
うん
そんな感じでいてもらいたいんだ
このあとわたしは、ふうの夢にも出演する
お母さんとふうが
わたしは大丈夫って認識していてほしいの
…あのね、わたし、会社にいく途中で
手違いで天国みたいなとこに運ばれちゃったの
[そうなのね
それってよくある
三途の川までいったけど
そのあと呼び戻されて助かったみたいな?]
そうだね
ま、実際は違うかもだけど
そんな感じ…かな
ちゃんと戻るからね
[そう
それならいいよ
あなたがりおならば、そのことばに嘘はないよね
わたしは信じるよ
信じたいよ
細かいことは戻ってきたらゆっくり教えてね
ふうくんの夢にも出演するのね
じゃあ、ふうくんも早めに安心させてあげてほしい
今朝ふうくん駆け付けてからただごとじゃないの
すごく疲弊しちゃってる
わたしはりおが起きなくて、もちろん心配だったけど
ふうくんは壊れちゃいそう
ずっとりおのこと心配してるよ
ふうくん
すごくいい子だね
りお
ふうくんの横が空いてるうちに
早めに、まとまっちゃいなよ]
この激アツなシチュエーションで
そんな、のんきなはなしできるのは
さすがのミサトさんですな
ははは
そうだねー
わたしもそうありたいけどね
そっかふうはわたしが心配か
なんか、不謹慎だけどちょっとだいぶ嬉しいかも
はやく夢まくらにあわられてあげないとだね
じゃあ、ほんとおかあさんごめんね
どれくらいで戻るかは
まだ、なんともいえないけど
私的にはひと月くらいかなーって思ってるよ
わたしの身体はまだまだ目覚めないけど
元気だから。
先生にうまいこといって、身体の保持だけはお願いね
おかあさんを心配させてるわたしがいうのもなんだけど
ほんとにわたしは大丈夫だから
お母さんこそ、しっかり睡眠とってね
身体を大事にだよ
いつもとおなじ日常生活すればいいから
わたしは、たましいだけ旅行してるって感じだから
帰ったときに元気に出迎えてくれると嬉しいな
[あはは
それだけ元気に話せればほんとに大丈夫そうだね
わかったよ
家でのんびり、りおが帰って来るのを
楽しみにしとくね
うん、鬼のいぬ間のなんとかやらだね]
あーーー
わたしは鬼じゃないよ
はは、じゃ、ふうのとこにいくね
ほんとにごめんね
再会のときに感動の涙で迎えてね
じゃ
おかあさん大好きだよー
じゃねっ
「あーみん、ありがとー
いいよー」
美聖は目を覚ました
隣でりおの好きな彼の山吹風規が目を閉じている
[あーあ、いっちゃった
わが子ながら相変わらず台風みたい
ふうくん
りおと会ってるかな
ふうくんも早く安心できるといいね
ふうくんが起きた時にりおと会っていれば
ほんとに大丈夫ってことだよね
おそらく大丈夫ってわかったけど…
やっぱりほんとは早く帰ってきてほしいんだよ
りお
早く帰っておいでよ
わかってる?]
ここまで読了ありがとうございます
途中でお母さんはりおに風規と早く一緒になれと場違いなことをいいます
実際、案外、こういう場面ではその場に似つかわしくないことをしゃべったりすることが人間はあるみたいです