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静謐なる会議

荘厳な礼拝堂の奥。

重い服に身を包んだ人々が、密やかに集っていた。


「――新たな“適合者”の報告が入りました」

「儀式の準備は?」

「すでに整えてあります。聖具も調整済みです」


重々しい声がやりとりされるたび、長い机に微かな緊張が走る。

古ぼけた箱に安置された“聖なる道具”を一瞥する目はどこか冷ややかで、何かをはかっているようだった。


「……今回の“巡り”は、例年になく兆しが強い。おそらく、近いうちに大きな動きがあるだろう」

「外部への連絡は?」

「最小限に。表向きは“勇者制度”の継承行事として処理する」

「……あの方のお考えに背くわけにはいかぬ。だが、今度こそ“真実”の扉が開くかもしれん」


ふと、重鎮の1人が天井の巨大なステンドグラスを見上げる。

色とりどりの光の下で、聖具の表面がかすかに脈動した。


「全ては、定められし意思のままに――」


会議室の外、遠い回廊で鐘が鳴った。

その響きは、どこか不吉で、しかし新たな時代の到来を予感させるものだった。

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