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聖女候補九年目 皆が一人の為に

 聖女候補達が図書室でコソコソ調べているのをソミールも知っている。


「ねぇ皆っ何を調べてるの? レンス、私も何か手伝おうか? 」


「……結構です」


「えぇ~そんな意地悪しないで、私も仲間に入れてよ」


「意地悪などではなく、皆調べたいことがあるから調べているんです」


「教えてくれたら私も調べるよ。一人でも増えた方が解決は早いと思うの」


「いえ、これは私が調べたいと思っている事なので。ソミール様はソミール様のなさりたい事をなさってください」


「私には教えてくれないの? 」


「ソミール様の貴重な時間を奪いたくないと思っているだけです」


「そんな、私の事をそんなにも考えてくれているなんて。私も友達の為に何かしたいのっ。何調べてるの? ……薬草についての本? 伝説の花? 」


 フローレンスが調べている本を勝手に見るソミール。


「ソミール様、ありがとうございます。ですが、お気持ちだけで十分です」


 その後もソミールは聖女候補達に何を調べているのか尋ね歩く。

 

「ラヴィちゃんは、薬について? 難しいの読んでいるんだね」

「ファビちゃんは、隣国の医療について? 」

「テーアちゃんは、病気について? 」 

「フィオちゃんは、何について調べているの? んあっフィオちゃん、本を奪わないのっ」

「ベッタちゃんは……って、見せてよ……」


 全員、本を手にして図書室を足早に去って行く。


「もうっ皆、私にも教えてくれたっていいじゃないっ。薬草に薬に医療・病気……何について調べてんの? ん? もしかして皆、王妃様の病気を知れベているのかな? 私が祈ろうって言ったから、調べてくれてるんだっ……フフッ。皆、私の為に……もうっ、だから教えてくれなったのねっ」


 結論に辿り着いたソミールは上機嫌で去って行く。


「早く、皆私に報告してくれないかなぁ」


 皆の報告を待つソミールは今か今かと待ち続ける。

 候補者が図書室に向かう姿を見ても追いかけることはしない。

 いつか自分に解決策を報告に来てくれると信じ。

 皆を邪魔しないように別行動をし、コルネリウスも王妃の容態や執務で忙しく教会へは訪れていない。

 なので最近のソミールは一人で退屈な時間を過ごしている。


「司祭様のところへ行って何かお手伝いしようかなぁ」


 司祭の部屋へと向かうと、フローレンスが部屋から出てくるのを目撃する。


「もしかして何か原因とか分かったのかな? レンスッ」


「……ソミール様、どうされました? 」


「ん? 司祭様の部屋から出てくるのが見えて。どうしたの? 司祭様に何か報告? 」


「えっえぇ……聖女様の過去の文献について許可を頂きに」


「そうなんだ。私も手伝おうか? 」


「大丈夫ですわ」


「そっかぁ、何かあったらいつでも言ってね」


「えぇ。それでは……」


 フローレンスの後ろ姿を見送るソミール。


「まだ、言ってくれないんだぁ……報告待ってるんだけどなぁ。でないと、コルネリウスさんに教えてあげられないのに……司祭様には何か言ってるのかな? 聞いてみようっ」


 ソミールは司祭に候補者達がどのくらい王妃の体調不良の原因を掴めたのか聞きに行くことに。

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