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聖女候補九年目 ありがとうございまぁす、司祭様っ

 コルネリウスとのお茶会から、候補者達はよりソミールを警戒し始める。

 次第に令嬢達は隙を見せない行動を心がけるように。


「ソミール嬢、過去の聖女の文献は司祭の許可さえ下りれば見ることが可能だそうだ」


「そうなの? 知らなかった……」


「司祭から話は無かったのか? 」


「そんな話は聞いてないかなぁ」


「他の候補者からは? 」


「皆からもないよ……あっ、きっと私が知ってると思ったんだよ。それに皆は忙しいし……私みたいな身分では話しかけにくくて……」


 同乗を誘うように寂しげに話すソミール。


「……そうか。そういう事だから、今後は遠慮なく、聖女の文献を確認することが出来る」


「私、聖女様について知りたかったからとっても嬉しい。コルネリウスさん、ありがとうっ」


 コルネリウスからの情報で、過去の聖女の文献を見るには司祭の許可が必要と聞き司祭の部屋に訪問するようになったソミール。


「司祭様? ソミールです。いいですか? 」


「入りなさい」


「はい」


「どうしましたか? 」


「聖女様について知りたくって……教えてくれませんか? 」


「聖女様については既に講義で話しておりますが、更に調べたい時は過去の文献を読むのが良いでしょう」


「文献ですか? 私みたいな平民が見てもいいんですか? 」


「……聖女候補であれば問題ありませんよ」


「そうなんだぁ、知りませんでしたぁ。聖女様の事沢山知れますねっ。なら、皆に教えてあげないとっ」


「……ソミールさん、他の候補者はご存じだと思いますよ」


「皆は知ってたんですか? ……私だけ……知らなかったんだ……」


 顔を伏せ悲しみを表現するソミール。

 その時、司祭の机の上に聖女候補が提出した報告書を目にする。

 これから実施するであろう候補者の活動報告書。


「聖女候補の皆さん、教会を案内した初日に私が伝えておりますから」


「そうなんだっ。なら、私は聖女様について調べたいと思いますっ。ありがとうございまぁす、司祭様っ」


 ソミールは司祭の部屋を後にする。

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