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聖女候補七年目 失敗さえ楽しい二人

 ソミールはコルネリウスと二人分の紅茶を淹れる。


「紅茶の準備まで手伝ってもらっちゃって、ありがとうっ」


「いや。謁見では、短い時間でよくやったな」


「私、何か失敗してなかった? 」


「ふふっ問題ないよ」


「そっかぁ、良かった」


「最近はどうだ? 」


「……何が? 」


「聖女候補達と、だ」


「……んん~ん……平気っ心配しないでっ」


「以前、嫌がらせや厳しい事言われていたようだったが」


「あっ、ベッタちゃんね。嫌がらせは小さい子が考える事だもの、平気よ。それに彼女は教会で一番幼いから、必死なのよ。ここでは互いを励まし合うってことがないから、弱さを見せたくないんだと思う。だからね、彼女を追い詰めたくないからこのことは内緒にしてほしいの。私は平気だからっ」


「いくら幼いと言っても、徐々に過激さを増していく。ある日突然取り返しのつかない事を仕出かすことだって」


「やめてっ。ベッタちゃんはそんな事しないわ。いつかわかってくれる。私はベッタちゃんを信じているもの」


「人を信じるのはいい事だが、疑う事を忘れてはいけない」


「私だって知らない人まで信じたりしないわ。ベッタちゃんだから、信じているのっ」


「……そうか……君みたいな人が聖女になるべきだな……」


「ん? 何か言った? 」


「いや、なんでもない。茶葉もう開いたんじゃないかっ」


「あっ、そうだね」


 紅茶をカップに注ぐ。


「今度はいつ来るの? 」


「そうだな、早くて……三日後かな」


「そっか楽しみっ……」


「「……ん゛っ……苦いっ……アハハハハハ」」


 甘い香りに惑わされ口に含んだ紅茶が予想よりも苦い事に顔を顰める。

 互いが同じ反応した事が面白く、顔を見合わせて笑う二人。

 婚約者候補達と過ごすお茶の時間とは比較にならない程の時間を二人は過ごしている。

 そして帰る際、コルネリウスは他の候補者達に会うことも尋ねるともしなかった。

 国王への謁見が終わり、国民への挨拶となる。


「おぉー、聖女様ぁ」

「我らの希望の星だぁ」

「頼んだぞぉ」


 平民から聖女候補が誕生したのは、正確に思い出せない程前の事。

 その事実に平民が盛り上がらないはずがない。

 新たな聖女候補見たさに訪れた平民は、今までの聖女候補見たさに教会へ訪れた平民の数とは違って多かった。

 その光景を遠くからコルネリウスも確認し、ソミールに声を掛けることはせずに王宮へ戻って行く。

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