表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

熟年離婚

熟年離婚

妻の一言が43年間の離婚を決断する事態へ。

学生時代に出逢い、

婚前交渉で遊び、

大学研究室の教授ご夫妻に仲人を依頼し、

2人の子供3人の孫の顔を見た。

妻は専業主婦で、わたしは40年のサラリーマン人生を1社で終えた。

良くも悪くも、典型的な昭和時代の一組の男女であった。

贅沢な暮らしではないが、持ち家を2軒、家族の成長に合わせて購入し住んだ。

私も妻も関西出自であり、首都圏には親戚縁者はいなかった。夫婦共に親からの大きなまとまった資産的支援なく、2人で家庭を築き運営してきた、40年という時間。 結婚45年年齢67才、私は脳梗塞を発症し、後遺症から沖縄県から障害者に認定され、介護1級の身になり、さらに35年間の運転免許を返納することになった。


脳梗塞▶️とは、180度異なるパラレルワールドの1年生として終活を始めることになった。

緊急病院、リハビリ病院と順調に回復し、後遺症は高次に脳機能障害という視野視力系だけであり、四肢マヒなどはなかった。

自立でき自律歩行ができ、会話などの言語能力はダメージを最小限で治った。

初期入院から3ケ月後、自宅通院治療の許可が降りた。

さらに通院は月1回経過観察と投薬処方箋という軽い見通しであった。

 私は3ケ月ぶりに自宅へ帰宅した。

病院のベットやトイレでなく、自分のベットと便座であった。

問題は自宅で発生した。

謎の下痢が続いた。

同じ薬の質と量?

医者も原因不明という。

同じように聴いていた妻が、ニタニタしている。

医者が言う。

「薬の種類も量も3ケ月、同じ。

薬の副作用とは考え難い。

あるとしたら、環境変化。病室、自宅?

精神性下痢というのは多いですよ。整腸剤を処方しておきます。」

妻は確信した様子。

「あんた、また入院したら、治ると思う」笑顔で言う。

「下痢と病院監視?

どちらも避けたいね。」

食事時、「別食 用意が、めんどくさい。お粥は面倒くさいし、熱いから作らへん。食べたいんゃったら、入院したら。」

「めんどくさいなら、黙って、せんで良い。文句聴きながらなら、恩きせがましいサービスいらんワ。」


「わたしはアンタが好き嫌いじゃなく、あんたに関心ないわ、障害者やし、何もできんな一人で。」

「わたしに感謝しいや。

わたしが親切行動した、優しい振る舞いした、そんなんやない。

Doinng やない、Beinng。やで!

息子はBein すぐ理解したで。

Being わたしの存在に感謝しなや」

わたしは妻の本性をみた。

今までの結婚生活への不満の蓄積だろう。

オレは酷いことをしてきたのだろう、記憶にないが。

そんな本性の女でなかったと思う。

しかし、今は、これが現実。

障害の旦那と過去の恨みの感情が、今日を招いたのだ。

死ぬ前に気づけて良かった。

妻の気質から、娘さんや叔母には、もう伝えているだろう。

娘も叔母も、ほぼ同じ想いだろう。

わたしは去る。この家を出ていく。

遠い処で、この世にこっそりおサラバする。

誤解でもなんでもない。

わたしの結婚生活の反作用だろう。

妻にはマンション、ローンの終わったマンションと、老女の一人暮らしには間に合う年金が届くはず。死ぬまで届く。

サラバ、わたしは、子2人、孫3人の顔も見せてもらった。

充実した人生だった。

かろやかに、あの世へ旅立ち、

母や父と出逢える。

若くして旅たった友とも逢える。

同時代に、ユーミン、みゆき、陽水が居てくれて感謝。

人生のっ最後に、愛しいパートナーで暮らせて感謝。

できすぎた人生だ。

  そして人生を閉じて野生になった、

わたしは、どうしようもんなく、野生へと歩む。

熟年離婚は成功。

互いに、新たな視座で尽生狗を見直せる。

障害者という立場に置かれ、人の気質がよく見えるようになった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ