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Lock up in a GAME?  作者: KAIN
第一章:FIRST GAME

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13/13

・第十三話

「おお!!」


「……っ」

 楼蘭が口を開きかけた時だった。

 いきなり声が響き、全員がびくっと肩を震わせてそちらを振り向く。

 そこに、一人の男が立っていた。豊かな白い髭を蓄えた、背の高い老人。赤いマントを身に纏い、頭には金色に輝く王冠を被っている。先端に宝石が付けられた杖を持ち、床に杖を付いている。ファンタジーの物語に登場する『王様』そのものという風貌の男だった。

 その目がこちらに向けられている、その顔はどう見ても日本人では無く、肌の色は白く、目の色は青い色だ。一体……何処からこの教室に入って来たのか?

 否。

 それ以前に……

 この老人は、いつからここに……?


「おお!!」


 老人が声をあげる。その口調と表情は驚いたものだったけれど、その大声に全員が身体を震わせた。ただ一人……楼蘭だけが黙ってその場に佇んでいた。


「おお!!」


 老人。

 否。

 『王様』がまた驚いた様に声をあげた。

「……おい、爺さん」

 苛ついた口調で、頼恭がゆっくりと前に進み出る。

「何騒いでんだよ? 一体ここは何処なんだよ?」

 頼恭が荒々しい足取りで老人に近づいて行く。だが老人は嬉しそうにもう一度叫ぶ。

「おお、勇者よ!!」

「は?」

 その言葉に、頼恭は眉を寄せる。

「良くやってくれた、我らを苦しめる『魔王』の手先をこんなにも簡単に倒すとは、そなた達を選んだ私の目に、狂いは無かったようだ」

「はあ……?」

 頼恭は小さい声で呆れた様に言う。

「その強さを見込んで、どうかそなた達にお願いしたい事が……」

「おい、だから……」

 頼恭が言う。

「どうか、この世界を……」

「だから人の話を……」

 語り続ける老人を、頼恭が怒鳴り付ける。

 だが。

「無駄だよ」

 楼蘭が頼恭の肩に手を置いて言う。

「こいつは……」

 楼蘭はじっとその老人……『王』の顔を見る。

「単なる『NPC』の『メッセンジャー』だ」

 楼蘭ははっきりとした口調で言う。

「お前……」

 頼恭が言いかけるが、楼蘭は何も言わず、黙ってそいつの顔を見ていた。

「こいつはこの『ゲーム』の……」

 楼蘭が言いかけた時だった。


「おお!!」


 またしても『王』が声をあげる。だが……その口調は明らかに今までと異なっていた。さっきまでは太い男性の声だったのに、今は何処か……

 何処か、甲高い。

 楼蘭も、違和感を感じたのだろう、そちらを見た。

 『王』がこちらを見ていた。

 だがその表情が……明らかに違っている。さっきまでは真面目な表情だったはずなのに。

 否。

 そもそもこの『王』の表情が、こんな風に……人間の様に表情を変えるのはあり得ない、こいつは単なる『メッセンジャー』のはずだ。それに今の声も明らかにおかしい、こいつの声は、きちんと声優が喋っているはずなのに、今の甲高い声は一体……

 楼蘭がそういう事を考えている間に、『王』の言葉が続く。


「おお、勇者よー」


 その声は、明らかに先ほどまでとは違う、こちらを完全にバカにした様な言い方だ。

「お前……誰だ?」

 楼蘭が問いかける。

 だがそれに答えず、そいつは『王』の姿のままで言う。

「おおー、勇者よー!! あんなしょーもない『敵』に、随分と手こずったようじゃのうー」

 くくく。

 くくくくく、と。

 そいつが笑う。

「そんな事ではこの先、生き残る事など出来ぬぞー? どうするのかなー?」

 小馬鹿にしたように笑った瞬間。そいつの姿が変貌する。

 次の瞬間。

 そこに立っていたのは、薄汚れたフードを被った小柄な人物だった。


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