決着1
「フタミさん、大丈夫ッスか!?」
車内へ落下したフタミに、アルカがガチトーンで声を掛ける。
「い、痛え・・・」
撃たれた肩と落下時にぶつけた頭を押さえうめき声を上げながら、フタミはどうにか復帰しようと無我夢中で身体に覆い被さるロケットランチャーを掴む。
「私がタイミングをはかって合図する。」
フタミがロケットランチャーを肩に担ぎ、ある程度の体勢を立て直したところでアミスが発言した。
「わかった。頼む。」
そう言ってフタミは大きく息を吐いて気合を入れ直す。
「アルカ、アクセルそのまま。合図でブレーキでフェイントを掛けて。」
「了解。・・・フタミさん、これを」
アミスの指示に返答をしたアルカは、シートの間に転がっていた短機関銃をフタミに差し出した。
「ああ。」
左手で短機関銃を受け取ったフタミは、傷の痛みを堪えながらサンルーフから銃口だけを出し、牽制射撃を再開した。
射撃に驚いたのか、セダンがわずかに距離を空ける。
「アルカ!今!」
アミスが短く叫ぶと、アルカはすかさず左足でブレーキペダルを軽く押した。
スポーツセダンは殆ど減速することなく、ブレーキランプを点灯させる。
そして、シーノのセダンの運転手は反射的にアクセルを抜いた。
車間が更に開く。
「フタミ、今よ。」