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VRおじいちゃん ~ひろしの大冒険~  作者: オイシイオコメ
仮想空間でセカンドライフ
21/95

ひろし、おばあさんを見つける

 その頃おばあさんと女の子たちは、モービルでピンデチ近くの森の入口へやってきていた。


 女の子たちは、いつも森へ行って薬草と回復キノコを集めて調合し、回復薬を作って売っていたのだった。


 そこで、おばあさんは女の子たちを手伝うことにした。


「洋子ちゃん、お手伝いありがとね。売れたらケーキ食べに行こうよ」


「ええ、いいですね!」


 おばあさんと女の子たちは一緒に森の中へ入っていった。


 ◆


 少し歩きまわってマユが回復キノコを見つけると、おばあさんにキノコの事を教えた。


「洋子ちゃん、これが回復キノコだよ。わたしたちコレを集めてるんだ」


「あら、なんだか独特な匂いね」


「え? においする?」


 クンクン


 マユは匂いを嗅いだが良くわからなかった。


 メイとナミも嗅いでみたが「?」だった。


 すると、マユは近くに薬草も見つけておばあさんに教えた。


「あ、これが薬草ね。これと回復キノコを調合すると回復薬ができるんだ」


「あら、これも青臭い独特な匂いがするわ」


「ええ? 洋子ちゃん、鼻がいいね」


「そうかしら? うふふ」


 すると、おばあさんは回復キノコの匂いが強くしたので、マユに言った。


「マユさん、あの木の上に回復キノコがありません?」


「え? えっとね洋子ちゃん、回復キノコは地面に生えてるんだよ」


「あら、ごめんなさい。そうなのね」


 するとメイがマユの肩を叩いて言った。


「ちょっ、マユ! あれ!!」


 メイが指を差すと、木の上に貴重な超回復キノコがあった。


「あ、超回復キノコ!」


 その様子を見ていた弓使いのナミは、弓を引き絞って木の上の超回復キノコを射抜くと、キノコは矢と一緒に下に落ちてきた。


 マユはそれを両手で抱えると喜んでおばあさんに言った。


「すごい! これだけで100プクナはするんだよ。洋子ちゃんすごいね!」


「あら、本当? それなら、この辺りからもね……」


 おばあさんは、そう言って草むらの中を指差した。


 それを見たマユが草を掻き分けてみると、なんと草むらの中には、これも貴重な赤薬草があった。


「わぁ、赤薬草だ! これと超回復キノコを調合したら全回復薬ができる!」


 マユが嬉しそうにしていたので、おばあさんは次々と匂いのするほうへ案内した。



 一時間ほど森の中を歩き回ると、なんと超回復キノコが28個に赤薬草が33個も集まった。


 おばあさんと女の子たちは喜びながらモービルに戻ると、急いでピンデチの村へと向かった。


 ◆


 ピンデチに着くと、おばあさんは女の子たちに案内されて、小さなお店にやって来た。


「洋子ちゃん、ここがあたしたちのお店なんだ」


「まぁ、お店を持っているんですね!」


「うん。ここで薬草と回復キノコを調合して、回復薬を作って売ってるんだ」


「すごいわ!」


「ほんと? ありがとう洋子ちゃん!」


 マユは店のシャッターを開けると、店の奥の調合室へ行って超回復キノコと赤薬草を調合し始めた。


 おばあさんはメイとナミが店の準備を始めたので、一緒にお店のお掃除を始めた。


 お店には沢山の回復薬が8プクナで売られていたので、おばあさんはメイに聞いてみた。


「メイさん、回復薬は一日どのくらい売れるのかしら?」


「うーん、だいたい2、30個くらいかなぁ」


「すごく売れるのね!」


「でも、もっと売りたいんだ。お店の貯金を増やして大きい店出すの! それと美味しい物もいっぱい食べるんだ。ははは」


 おばあさんたちが掃除をしながら話していると、奥からマユが調合を終えて全回復薬を持ってきた。


「洋子ちゃんのおかげで、すごい商品が仕入れできたよ。ほんとに、ありがとう」


「そんなそんな。喜んでもらえたら、わたしも嬉しいわ」


 マユは、おばあさんの優しい言葉に笑顔で答えると、全回復薬を店頭に並べ始めた。


 そして店頭の看板にペンでPOPを書き始めた。


 ーーーーーーーー

 大特価! 

 全回復薬

 280プクナ

 ーーーーーーーー


 しかし、それを見たメイは少し考えてマユに言った。


「ねぇ、マユ。ココってさぁ最初の村じゃん? こんな高級な全回復薬を買う人って居るかなぁ。この村にしては高いよね」


「うん……。そこなんだよね。もし売れなかったら、ちょっと怖いけど遠くの街まで売りに行かないとね……」


 マユたちが話していると、なんと偶然にもメインクエスト帰りのおじいさんたちが通りかかった。


「あら、全回復薬が安いですね」


 イリューシュが看板に気づいてそう言うと、黒ちゃんも値段に驚いた。


「本当ですね、普通なら350プクナはするのに。えっと店員さん、この全回復薬を10個いただきたいのだが」


 黒ちゃんの言葉にマユは大喜びで返事をした。


「はい! ありがとうございます!」


 イリューシュも続けて言った。


「では、わたしも10個ください」


「ありがとうございます!」


 横から見ていたおばあさんは、一緒に居たおじいさんに気付いたが黙ってニコニコしていた。


 黒ちゃんとイリューシュは全回復薬を受け取ると、突然アカネの視界に文字が現れた。


『漆黒の剣士さんから全回復薬が5個贈られました』


「え、黒ちゃんいいの? 5個も?」


「う、うむ。わたしは5個もあれば充分だ」


「まじか、ありがとな!」


 カンッ


 アカネは黒ちゃんの脇腹に軽くパンチした。


「おぅふ」


 黒ちゃんはアカネのパンチに思わず変な声を出した。



 おじいさんは店にいた20歳のおばあさんを見つけると、なんとなく知っている気がして見つめた。


 すると20歳のおばあさんは、おじいさんに軽く会釈して、そそくさと店の中へ入って隠れてしまった。


 ブーーーン


 その時、2人の騎士が転移魔法で現れて黒ちゃんのところへ駆け寄ってきた。


「リーダー、大変です! チームの魔法使いたちが反乱を起こしました」


「なんだと!」


「仲間割れしたメンバーたちが村の外で戦っています!」


「あいつら! ……ナンテ、タイミングガ、悪インダ……」


 黒ちゃんは眉間にシワを寄せながら(つぶや)くと、おじいさんたちに話した。


「せっかく家にお招き頂いたのに申し訳ございません。聞いての通りです。今から仲裁(ちゅうさい)に向かいます」


 それを聞いたイリューシュは笑顔で答えた。


「黒ちゃんさん、お気になさらず。わたしたちはG区画の高台の家にいますので、いつでも遊びに来てくださいね。歓迎しますよ」


「ありがとうございます」


 黒ちゃんはイリューシュに頭を下げると、アカネが黒ちゃんを励ました。


「黒ちゃん、なんか面倒なことになってるけど、頑張ってな!」


「うむ、ありがとう。ではまた会おう」


 ブーーーン


 黒ちゃんは、2人の騎士と一緒に転移魔法で去って行った。


 おじいさんたちは黒ちゃんを見送ると、G区画の家へと向かった。


 ◆


 ブーーーン


 黒ちゃんと騎士の2人が村の外の草原地帯に転移すると、数十人ほどのメンバーたちが二手に分かれて戦っていた。


「おい! 戦いをやめろ!」


 黒ちゃんが大声をあげると、全員が戦いを止めて一斉に黒ちゃんを見た。


 すると1人の魔法使いが出てきて黒ちゃんに話し始めた。


「リーダー。我々魔法使いはいつもチームの幹部に選ばれない。なぜですか」


「何を言っている。わたしは贔屓(ひいき)はしない。職業で幹部を決めたりもしない」


「リーダー、ではなぜ幹部は全員騎士と武闘家なんですか? そんなに魔法使いがお嫌いですか?」


「なぜ、そんなことを言う?」


「リーダー。あなたチームの魔法使いを降格させましたね。わたしの可愛い弟分(おとうとぶん)を」


 魔法使いはそう言うと、アカネに文句を言った魔法使いを手招きして呼んだ。


 アカネに文句を言った魔法使いは走ってやって来ると、みんなに聞こえるように大声で言った。


「おれはリーダーに降格させられました! おれはチームを裏切ったやつを捕まえようとしただけなのに!」


 それを聞いた黒ちゃんは魔法使いたちに言った。


「気に食わないのならばチームを辞めればいい。今日限りでさらばだ」


 それを聞いた魔法使いは黒ちゃんを(にら)み付けて答えた。


「最初から辞めるつもりですよ。でも、リーダーには痛い思いをしてもらいますけど。ククク……」


 魔法使いたちは一斉に詠唱を始めた。


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