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VRおじいちゃん ~ひろしの大冒険~  作者: オイシイオコメ
仮想空間でセカンドライフ
16/95

ひろし、買い物をする

 コーシャタの街に入ると、めぐの言う通り新宿そっくりだった。


「あ、ピッグカメラにミルネ・エストだ! ヨバドシカメラもある! やっぱり新宿だ!」


 めぐが驚くとアカネが嬉しそうに身を乗り出した。


「おぉー、新宿はこんな感じなんだ!」


 するとイリューシュが道路を指さしながらおじいさんに言った。


「ひろしさん、この辺りで止めて頂いていいですか?」


「あ、はい」


 おじいさんがミルネ前のロータリーに車を寄せて停めるとイリューシュは軽トラのドアを開けてみんなに言った。


「では、みなさん、買い物に行きましょう」


 それを聞いたおじいさんは少し気になってイリューシュに尋ねた。


「車はここに置いておいても大丈夫でしょうか」


「はい。#仕舞__しま__#っても良いのですが、取り締まりもありませんし、モービル自体も少ないですし」


「あぁ、そうでしたか」


「メインクエストを進めると転移魔法が使えるようになるんです。ですので遠方の街の方は、そちらを使うので渋滞にもなりませんし」


 するとアカネが荷台から降りてきて会話に加わった。


「そういえばメインクエストとか何とかTo The Topのやつらも言ってたなぁ」


 それを聞いためぐも荷台から降りながらアカネに言った。


「わたしも進めたいんだけど、一緒に行ってくれる約束したレンドさんが最近会社で昇格して忙しくなっちゃって……」


「あちゃぁ、大人は大変だな」


 みんなはお喋りしながら車から降りると、イリューシュの案内でミルネへ向かった。



 ミルネの中に入ると、中にはたくさんのプレイヤーがいた。


 めぐとアカネはインフォメーション・ボードに走って行くと、めぐが大きな声をあげた。


「やった、ダズソンがある! あたしココに行きたい!」


「えーー、めぐいいなぁ。こんなオシャレ・スポットに柔道着は売ってないよなぁ」


 するとイリューシュがやってきた。


「ふふふ。めぐさんは、こちらをじっくり見たいですよね」


「あ……、はい……」


「では、ボイスチャットを#繋__つな__#いで、わたしたちは柔道着を買いに行きましょう」


「あ、それナイスアイディア!」

「ありがとうございます!」


 アカネとめぐは嬉しそうに答えた。


 ◆


 イリューシュはおじいさんとアカネを連れて少し歩くと格闘技ショップに到着した。


「おぉぉおおおー! すげー、格闘用品店だ! やばいな!」


 アカネは目をキラキラさせると、嬉しそうに店に入って行った。


 アカネは店の中を見て回ると、店の一角に少しスリムで格好良い柔道着を見つけて釘付けになった。


「これ、おしゃれ柔道着? カッコいいなぁ」


 すると店員が話しかけてきた。


「これは柔術衣と言って、全体的にタイトなシルエットで袖も狭いんです。どれか着てみますか?」


「はいっ!」


 その様子を見ていたイリューシュはアカネに言った。


「アカネさん、ゆっくり試着して決めてくださいね。わたしたちは近くの高鳥屋で急須とお茶を見に行きますので」


「あ、すみません! ありがとうございます!」


 イリューシュとおじいさんは店を出ると、近くにある高鳥屋へ向かった。



 イリューシュは高鳥屋に入ると中にあるTOKUUバンズの茶器売り場へおじいさんを案内した。


「ひろしさん、こちらが茶器売り場です」


「おぉぉ! これはこれは」


 おじいさんは目の前にある#急須__きゅうす__#や#湯呑__ゆのみ__#を見て、目をキラキラさせた。


 するとイリューシュは笑顔でおじいさんに言った。


「ひろしさん、ゆっくり選んでくださいね。わたしは少し服を見てきますから、何かあったらボイスチャットしてくださいね」


「イリューシュさん、すみません。ありがとうございます」


 イリューシュは笑顔で#会釈__えしゃく__#するとレディースファッション売り場へ向かった。


 おじいさんは、棚にある全国各地の焼き物で出来た#急須__きゅうす__#に#釘付__くぎづ__#けになった。


「おぉ、#素朴__そぼく__#な#益子焼__ましこやき__#は良いなぁ。しかし#華__はな__#やかで#滑__なめ__#らかな#手触__てざわ__#りの#有田焼__ありたやき__#もなかなか……」


 おじいさんが急須を迷っていると、めぐからボイスチャットが入った。


「見て見て、これどう?」


 すると視界の左側に、試着室でライトベージュの膝上ワンピに魔法使いのマントを付け、ショートブーツを履いためぐの画像が現れた。


「めぐちゃん、似合ってますよ」

「おぉー! めぐ、女子力高い!」

「めぐさん、素敵です。ふふふ」


「じゃあ、わたしこれに決めた! おじいちゃんのところに行くね」


 すると画像が消えて、今度はアカネからボイスチャットが入った。


「これ、どうよ! カッコよくない?」


 今度は視界の左側に、黒のファイヤーパターンの入った柔術衣を着たアカネが現れた。


「アカネさん、強そうですね」

「アカネ、かっこいい!」

「アカネさん、おしゃれで格好良いですね」


「ほんと!? じゃあ、あたしコレにする! あたしも、じいちゃんとこ行くね」


 するとアカネの画像が消え、今度は、めぐがボイスチャットでおじいさんに尋ねてきた。


「おじいちゃん、#急須__きゅうす__#と#湯呑__ゆのみ__#は決まった?」


 おじいさんは考え込みながら答えた。


「あ、いえ。この二つのどちらかにしようかと……」


「おじいちゃん、急須の画像送れる?」


「画像?」


「そう、右上のアイテム欄の下にカメラの絵があるでしょ?」


「はい」


「それを押すと、おじいちゃんが見てる視界が画像になるんだよ」


「なるほど」


 おじいさんはカメラのマークを押した。


 カシャッ


 すると視界が静止して文字が現れた。


 ーーーーーーーーーーーー

 フレンドに送信


 画像を保存


 消去

 ーーーーーーーーーーーー


「あぁ、なるほど!」


 おじいさんは「フレンドに送信」押した。


 ーーーーーーーーーーーー

 送信先


 めぐ

 イリューシュ

 アカネ


 全員に送る

 ーーーーーーーーーーーー


 そして、「全員に送る」を押した。


「送れましたでしょうか」


「う……、うん。送られてきたけど……」


 全員の視界には茶色の急須と、これまた同じような茶色の急須が並んだ画像が映し出された。


「おじいちゃん、えっと……、同じに見えるような……」

「あ、あははは。あたし芸術センスないからゴメン」

「あら、どちらも美しい#益子焼__ましこやき__#ですね」


 おじいさんは、みんなの声を聞いてさらに悩んだ。


 すると茶器売り場に新しい服に着替えためぐとアカネが合流してきた。


 おじいさんは2人に気づくと笑顔になった。


「お二人とも、実際に見ると本当に素敵ですね」


「ありがとう、おじいちゃん!」

「じぃちゃん、ありがと!」


 アカネとめぐがポーズをとると、イリューシュもやって来た。


 イリューシュは大胆にスリットの入ったタイトロングスカートに、胸元が開いたふんわりシャツを着ていた。


「イリューシュさん、素敵な服ですね」

「大人女子!」

「こういうの選べるセンスが欲しいなぁ!」


「ふふふ、ありがとうございます」


 みんなはそう言いながら集まると、おじいさんと一緒に二つ並んだ急須を眺めた。


 その時、めぐは何かに気が付いておじいさんに言った。


「おじいちゃん、これ見て。右の急須にハートの#模様__もよう__#がある! これが良いんじゃない?」


 おじいさんも良く見ると、右の急須には偶然出来たと思われるハート型の模様があった。


「あぁ、ほんとうですね。これにしましょう」



 こうして、おじいさんが急須を決めると、買い物を終えたみんなは軽トラに乗り込んでG区画の家へと向かった。


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