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遊戯開始  作者: 羽ぐいす
1.出会いと成長
4/106

キャラメイク3



 次は初期ステータスの選択だ。


 サクッと決めて行きたいのだが、俺にそんな高等なこと出来るだろうか?



 まず、初期ステータスに割り振ることのできるポイントは全部で30。

 そのポイントをそれぞれの値に割り振る事ができる。


 そして、割り振るのは完全にプレイヤーの自由になっている。


 どれか一つに極振りするのもありだし、全て均一にするのもプレイヤーの好み次第だ。


 要は、プレイヤーの性格が出るのである。


 そんな訳で、俺のステータスの割り振りだが……。


 実はもう決めてある。


 決めた……と言うより、これしか出来ない。

 と言った方が適切だろう。


 


_________________________________

 ステータス


 名前  サクヤ

 種族  ウルフ

 職業  探偵


 HP 5

 MP 5

 

  速力4 筋力4 防力4 器力4 精力4


_________________________________




 ザ ・普通である。


 後から、いくらでも修正が効くようにしたのだ。

 決して極振りが怖いわけではない。


 決してな。

 

 本当だぞ?


 

 『随分、ビビっているのね』


 

 うるさいぞ。

 怖いのでは無い。


 俺は今後の事を考えたんだぞ。

 

 何せ、俺が決めたのは未知の魔物という種族なのだ。

 これくらいの保険を入れても良いだろう。



 しかし、こうして見ると振れるポイントが30というのは少なく見えるな。


 ショボく見える。


 俺のステータスで1番大きい値が5しか無いのだ。


 初期のステータス振りはあくまで仮定、ということだろうか? 


 ここからどう伸ばしていくかが大事なんだろう。



 まぁ、これで良いか。

 

 失敗はしていないだろう。

 

 …………していない筈だ。





 やっとスキルの選択をする。

 これで最初の決定は最後だ。


 実は、俺はキャラの見た目を変える必要が無いらしいのだ。

 

 人種キャラと違って、魔物は見た目を変える事は出来ないらしい。


 そういう訳で決定は最後なのだ。


 それで、何にするか。


 個人的に取りたいスキルは決まっている。


 まず、必ず取るのは魔法系のスキルだ。


 せっかく魔法が使える世界なのに、魔法を使わないという選択肢は存在しないだろう!


 これは譲れない。



 次に、生産系スキルだ。


 これは出来ればで良い。

 やってみたいけれども魔物では厳しいと思う。


 何かを作るのにウルフの足でやるのは不便だからな。


 もしからしたら、スキルが発動すらしないかもしれん。



 生産職で、自分だけの装備…………。


 とか、凄く憧れるのだが。


 魔物を選んだ以上しょうがない。


 諦め……ようかな?


 

 次は……。


 ぶっちゃけ、決めていない。


 いいと思ったスキルを取るつもりだ。


 相変わらず自分でも計画性が無いと思う。


 

 失敗したら最悪、アカウントを削除してやり直すつもりだ。


 あまりにも酷かったらだが。


 例えば、他の魔物にリスキルされ続けられたり。


 プレイヤーにもキルされまくったり。


 こんな鬱な感じだったら考える。






 よしよし。


 これで良いだろう。


 

 「これで決定だ」



 『あなた……大丈夫?』



 また呆れられた。

 2回目だ。


 では、俺が選んだスキルを確認しよう。



 まず、《影魔法》だ。


 魔物のイメージと言ったら闇系だろ。


 という訳でこれにした。


 しかし、問題があったのだ。

 

 魔物系のスキルのはずなのに《影魔法》は消費SPが10もしたのだ。


 GMに聞いてみると、基本四属性と呼ばれる魔法の種類があるらしい。


 それぞれ、火、水、風、土、なのだとか。

 定番だな。


 そして、問題の影魔法は特殊系統と呼ばれる魔法になっているらしい。


 他にも、光などの強力な魔法が多い。


 なので消費SPが10。


 と説明を受けた。



 同時に、基本四属性魔法の方が使い勝手が良い。


 とも忠告された。


 

 だが、俺は《影魔法》を選んだ。


 カッコいいからな。


 やっぱ魔物と言ったら闇系というイメージだし。


 間違ってない、間違ってない。


 


 で次のスキルだが。


 《錬金》だ。


 うん。

 言いたい事は分かる。


 自分で生産は難しいって言ったしな。


 でも。

 

 欲しくなったんだよ!


 《錬金》って見た瞬間に、反射的に指が動いてしまったんだよ!


 しょうがないじゃん!


 やりたかったんだって!



 はあ、死にスキルになりそう……。


 ちなみに、消費SPは10である。


 生産系のスキルだから当然だ。


 SP10を無駄にしたかもしれない。


 というか十中八九、無駄になる。


 魔物の錬金術師なんて聞いた事ないからな。


 やらかした。



 正直、これに決めてしまった時は流石のGMもため息をついていた。


 何も言いはしなかったけどな。


 無駄、と思ったのだろう。


 そして、これが原因で詰む事が無いように今から願っとこう。




 さて、最後のスキルだ。


 《念話》だ。


 これは意外と使う場があると思う。


 戦闘には使えないがな。


 

 魔物である以上、必ず人のプレイヤーと出会う事はあるはずなのだ。


 その時にコミュニケーションが取れるというのは大きいだろう?


 自分がプレイヤーというのも伝える事が出来れば、協力してくれるかもしれないし。


 まあ、伝えるつもりはないし協力されるつもりも無いが。


 いつか必要になる時は来る。


 保険のような物だ。


 消費SPは10したがな。


 確かに《念話》は特殊なのだろう。


 見ただけで分かる。


 だが、会話をするだけのスキルなのに消費SPが10は重すぎないか?


 そこの所をGMに聞いてみた。


 すると案の定、多 対 多のPvPでは無類の強さを発揮するらしい。


 確かにPvPでは強そうだが。


 明らかに、初期スキルで選ぶものじゃ無いだろう。


 これも死にスキル……までとは行かなくとも使う場面は少なくなりそうだ。


 


 

 はあ、結局スキルは3つ。


 しかも全て実戦で使い物にならないかも知れない。


 《念話》と《錬金》については使えない。


 頼みの《影魔法》も使い勝手は悪そうだ。


 なんでこんなスキルにしたのだろう?


 思えば、種族を魔物にした所あたりから悪ノリしすぎていた気がする。


 この状況、割りとヤバいのでは?



 さて。


 こんな調子でスキルも決まったのだ。


 俺のステータスを見ようじゃないか。


 

 「決まったステータス見せてくれ」



 『はい、どうぞ』



_________________________________________

 ステータス


 名前 サクヤ

 種族 ウルフ

 職業 探偵


 パラメータ 

  HP 5

  MP 5


  速力 4 筋力 4 防力 4 

  器力 4 精力 4


 スキル

 〔種族スキル〕《爪撃》《噛撃》


 〔職業スキル〕《鑑定》《閃めき》《視覚強化》


 〔通常スキル〕《影魔法》《錬金》《念話》


_________________________________________



 おお!


 種族スキルはまともだ!



 安心した。


 種族スキルの存在は、俺にとって救いになったな。


 ちゃんと、ウルフらしいスキルが揃っている。


 これで少しはマシになっただろう。


 戦えそうだ。



 職業スキルも中々いいんじゃないか?


 下位職から鑑定があるのは、生産職などがほとんどだったはずだ。


 それこそ、戦闘職業で鑑定のある職業はないのではなかろうか?


 そう考えると " 探偵 " は当たりだったな。


 《鑑定》は有用だ。


 物体だけでなく、生物も識別することが出来る。


 すなわちステータスが見えるのだ。


 物体ならば、レアリティ。


 生物ならば、ステータス。


 このように《鑑定》があるのと無いのでは、情報量に大きな差が出るのだ。



 周りに敵の多い魔物にとって、とてもありがたいスキルになるだろう。


 期待の大きいスキルだ。


 これは、素直に嬉しい。


 大当たりだな。



 他にもスキルはあるが、あとで見るとしよう。



 「オッケー、把握した」



 『じゃあ最後だけど、あなたの外見を見せておくわ。ログインしたら自分の姿は見えないからね』



 GMが画像を見せてくれた。


 そこには、一匹のウルフが写っていた。


 これが俺のなるウルフの姿なのだろう。


 全体の色はグレー。


 爪や牙が鋭く尖がっている。


 毛並みも良さそうなフサフサで、ペットなどに人気そうだ。……お買い求めの際はペットショップへどうぞ。


 山などに住んでいそうな外見だけどな。


 シンプルだが悪くはない。


 良いじゃないか。



 「早速、スタートさせてくれ」



 『じゃあ、これからスタートするけど魔物に街は無いから出る場所はランダムになるわ。あなたにピッタリじゃない、ランダムなんて』



 ん? 今なんて言った?



 「ち、ちょっと待てスタートがランダ――」



 『スタートね〜。頑張って、変わり者の魔物(サクヤ)さん』



 GMがそう言うのと同時に俺の視界はブラックアウトした。


 

 てか、また暗くなるやつか。


 俺、これ苦手なんだよな。




誤字修正しました。

矛盾した点があったので修正しました。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 嗅覚上昇とかはないの?
[気になる点] 前話でウルフに種族スキルがあると言われたのに、おお!種族スキルがあったのか!って驚いてる
2020/10/03 22:17 退会済み
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