竜に乗る国
「メーイ、早く降りてきてー!」
大声で私を呼ぶのは幼なじみのネル=ファイン私と一緒に国境を守る警備隊の1人だ。
「はいはーい!上空は異常なしです」
ここは広大な山々に囲まれてた天然の要塞国家「アラシアン」この国では竜を飼い、竜を駆って空を統べる。
「最近暇だよねー…。なんか面白いこと起きないかなー」
警備を終えておりてきた私がボーッと遠くを見て呟くと
「平和ってのはいいことだ。争いなんて無いにこしたことはないよ」
堂々とした佇まいで奥から警備隊隊長ガリアードが出てくる。
「た、隊長!お疲れ様です!」
「どうもー!今日の警備も問題なしでしたー」
堅くなるネルを横目にいつもの調子で答える私たちに隊長は笑いながら缶ビールを差し出す。
「今日も平和だったことに乾杯しようか!」
「おお!流石、太っ腹すね隊長!」
「いえ、まだ竜を竜舎に還す業務が残ってるので。申し訳ありませんがまた後で」
「相変わらず正反対の2人だねお前たちは」
「それじゃあ宿舎に戻ってからにしようか!先に戻ってるぞー」
奥に消えていくガリアードを惜しそうに見つめながら仕方なく竜舎に赴く。
「ネルは真面目すぎんのよ!せっかく仕事も終わったんだからパーっとしたかったのにー」
「メイは適当すぎるのよ!明日は新隊長の就任式なんだからしっかりしとかないと!」
「はいはい、わかりました。やりますよ。」