特訓開始
ちょっと長くなったので3分割しました
ついに来ました特訓の日が!。
楽しみすぎて夜眠れなかった。
子供かよ。
ああ、子供だった。
…まあ、くだらない茶番は置いといて、特訓するにあたって森についてくる事の多いアリアを説得する必要があった。
できれば内容は秘密にして完璧になってから驚かしたいという子供心があったためだ。
詳しく説明してないけど、どうやらアリアはいろいろ察してくれたらしく屋敷の近くならと許してくれた。
屋敷の近くは結界なるものをはっているらしく魔物は滅多な事がないと現れず盗賊などは侵入するとすぐにわかるという。
それにしても過保護なアリアがよく許してくれたな。
多分、精霊の事とかわかってるのかもしれない。
エルフは精霊術に精通していると聞くし。
でもアリアに精霊のことを聞くと言葉を濁していたからきっと心配してくれているのだろう。
心配かけてごめんね。
でも、きっと立派な精霊術士になって見せるから。
こっそりと胸の中で誓い森へと出発した。
「あっ、シルフィ。こんにちは 」
昨日と同じ場所でシルフィが待ってくれていた。
自然の中、キラキラと光って見えるブロンドの髪を風に靡かせている姿はついつい見とれてしまうほど美しかった。
「リューク、それにフーカ、メロ、プルもこんにちは 」
『『こんにちは 』』
「こんにちはー!! 」
メロとプルは元々屋敷の僕部屋でこっそりと飼っていた。そして昨日フーカも一緒に帰ることにしたのだ。
メロとプルの事はアリア以外飼っているとまでは気づかれていないと思う。たまに庭で遊んでるなくらいなら気づかれてるだろうけど。
ご飯とかはアリアにおやつとして用意して貰っていた。他には魔力をあげることがご飯替わりとなるらしい。
フーカについても僕以外見れる人はいないため問題ない。
話しかける時は周りの目を気にしないと、他の人から見ると何も無い空間に話しかけている事になる。
気をつけているつもりなんだけど…。
最近僕を見る目が妙に生暖かいものとなっている気がする。
メロとか動物達には普通に話しかけてるから、その辺が変に思われてるのかもな…。
まあ、気にしてても仕方ない。
なにより特訓で成果をだせば全て問題ないはずだ。
「シルフィ、今日はよろしくお願いします 」
「ええ。…でも昨日リュークと別れてから考えたんだけど特訓する事がないのよね 」
突然の発言に崖から蹴り落とされるような感覚に陥る。
特訓できない、ってことは実は精霊術は使えない?。
もっと特別な何かが必要だったのか。
「ああ、才能が無いとかじゃないの。だから、そんな悲しそうな顔しないで 」
頭の中でグルグルと考えているとシルフィがすぐさま訂正するように言った。
「じ、じゃあ特訓する事がないってどういうこと? 」
少し情けない声が出た。
「そうね、むしろ才能がありすぎてるというところかしら 」
その言葉を聞いて一気に気分が舞い上がってくる。
我ながら単純だ。
「まあ、多分見ればわかるから取り敢えず精霊術と呼ばれるものをするわね 」
こうして、精霊術講座が始まった。