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着いてからもクライマックス

 友三郎の視界はグルグルと回っていました。

 何故こんな事になったのか?友三郎は永遠に思える回転の中で思考を停止させず、ひたすらに答えに向かって考え続けていますが村に到着するなり声を掛けたまだ幼い、それでも30代の友三郎と背丈は近い女性のセントールに蹴られました。


 まったくもって友三郎の理解の外、例えば前任者が何で堆肥にしっかりと混ぜられたのかそこに思考が行けば答えはおのずと分かりますが、友三郎は蹴られた事で頭が混乱していてそこに辿り着けません。


(もしかして…いや、セントールに対する挨拶は事前にエルフから問題ないと太鼓判を押してもらえるまで練習した、何かと高飛車な人達だけど礼節に関しては人間が相手でも守る人達だから問題無い筈だ…つまり俺に理由があるのか?ふむ…初対面だよなこの子とは、黒く艶のある髪と馬の部分は栗毛でとても綺麗に手入れがされていて…これ、セクハラになるか)


 と思考の迷路に陥っていてどうでもいい心配ばかりしています。


 目の前の少女はどう考えても被害者です。

 恐怖に染まった顔が前任者の軽はずみな行いでこの子に深い心の傷を作ってしまったのは明らか、そもそも前任者が仕出かした事を考えれば慎重に村にはいるべきでまして子供に声を掛ける、迂闊にも程がありました。

 当の本人はその失態に全く気付いていませんが……。


(ううむ…分からん、言える事は一つだ!咄嗟に腕で受けたおかげで顎とか歯は折れていない!まさか陸自の体験入隊がここで活かされるとは、人生何が起こるか分からないな)


 それどころか若かりし頃の思い出に浸っています。


 よく交通事故で車に撥ねられた時に世界が停止している様な感覚に襲われると言いますが、まさにその最中な友三郎、しかし実際の時間が停止している訳ではありません。


 ザ・〇ールドが使えないのですから当然、感覚が実際の時間に戻ります。

 何時かと言うと今です。


「あべっしっ!?」


 こうして友三郎は地面に激突するのでした。


「に、人間が来ています!誰か!誰かああああ!!」


 セントールの少女の声が村中に響き渡るのでした。

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