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行く前からクライマックス

 丹波友三郎はセントール、半人半馬の種族が住む地区へと足を運んでいました。

 エルフが住んでいる地区を担当している友三郎が何故?その理由は簡単、前任者が考えも無しにセントールの女性の背中に乗ってしまったのです。

 その先の結末は同じ半人半馬のケンタウロスと違い農耕が中心の温厚な彼等でも万国共通、結末は一緒でした。


 ただしナマモノとして送り返されず堆肥と良く掻き混ぜられ土に還されました。


 友三郎はそんな人の後任が決まるまでセントールの住む地区を任される事になりました。上から信頼され何か困った事があれば迷う事無く友三郎に白羽の矢が立つあたり、彼がどれだけつご…つか……仕事が出来る男なのかそれを現す良い事例です。


「ええと、確かこの先の地区だったな…にしてもまさか前任者の代わりにドレッシングを売り込めとは、絶対無理だ!動物性原料を使っていない商品だけ絞ったらこれだけ、たったの三本!しかも容量が少ない!セントールの体格を考えろよ…俺等の三倍以上の量を軽食って言うんだぞ?180mlとか馬鹿なの!それに大手メーカーはほぼアウツ」


 友三郎は今すぐにでもこのドレッシングの見本を叩き捨て逃げ帰りたい衝動に襲われています。

 何故ならセントールは生粋の菜食主義、動物性のものはなんであろうと口にせず身に着けている衣服も全て植物由来、つまりドレッシング文化は人間以上というよりセントールから言わせれば「何それ?」と鼻で笑ってしまう次元なのです。


 一歩歩けば溜息、二歩歩けば溜息、友三郎の心中は絶対に売れないろいう考えに支配されていましたが、分かっていても行かねばならない、これが社畜の悲しい性なのでした。


 それと一部でも今は亡き社員の骨を持って帰る必要もありました。

 背中に見本を背負いながら友三郎は重い足取りでセントールが住む村へと向かいます。

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