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こんな日常(女官視点)

ストレス解消で投稿です…(爆)






 わたくしはマリアリアさま付き女官にございます。まだご婚約中のお二人ではございますが、お気の早い殿下は早々にマリアリアさま付きとしてわたくしを任命なさいました。


 普段は通常の女官業務をこなしておりますが、マリアリアさまがお越しになるとおそばで控えているわけでございまして…。


「は~…やっぱり素敵…」


 マリアリアさまはうっとりと呟かれました。

 本日は殿下とお会いになる約束で、マリアリアさま専用のお部屋でお待ちいただいているわけでございますが……殿下は前のご予定が押しているらしく、まだいらっしゃっていません。


「ね、素敵ですよね!?」

「さ、さようでございますね」


 殿下をお待ちになっているマリアリアさまがご覧になっているのは、わたくしは初めて見るもので魔法を使われての絵姿。壁に音も伴った動く絵姿を映していらっしゃるのですが、その絵姿というのが……。


「最高!殿下とエリーザさまのダンスシーン!!!」


 なぜか殿下と公爵令嬢・エリーザさまなのです。


「は~…もう、これ貴重な映像なんですよ!できるならもっと撮りたいんですけど」


 えいぞう?…よく分かりませんが、目を輝かせて食い入るように絵姿をご覧になるマリアリアさまに『嫉妬』というお言葉はかけらもないご様子です。


 わたくしは少し不安になってしまいました…ひょっとしてマリアリアさまのお心は殿下に向いてなく、殿下の独りよがりなのではないかと……。


 そんなわたくしの疑問に気づかれたらしく、マリアリアさまは小さく微笑まれました。


「お二人はわたしにとって憧れなんです。こうして見ると、本当にお似合いなんですよね」


 眩しそうに、寂しそうに呟かれるマリアリアさま。わたくしから見れば、殿下とマリアリアさまが並び立つお姿は素晴らしくお似合いですのに。


「そう言われても全然嬉しくないが」


 第三者の声に驚いて振り返りますと、いつのまにか殿下がいらっしゃっているではありませんか。

 わたくしとしたことが失敗です。殿下のお越しに気づけないなどと…。


「ああ、音がついた絵姿のせいだろう」


 青ざめたわたくしに気にするなと声をかけられると、殿下はすぐにマリアリアさまのそばに行かれました。


「エリーザ嬢と似合いだと言われても嬉しくない」

「フレディさま…」


 戸惑われているマリアリアさまを抱き寄せると、殿下は溜息をつかれました。


「分かるだろう?私は好きな女性と似合いだと言われたい」


 それはつまりマリアリアさまとお似合いだ、と言われたいということですね。

 マリアリアさまはみるみる赤くなられました。


「…え…と…嬉しい、です」


 その上目遣いは反則のような気がします。現に殿下が落ち着きをなくし、わたくしをチラチラと見てくるではありませんか。

 わたくしはにっこりと笑顔を返しました。


「まだ、ご婚約中の身でいらっしゃいますよね」


 途端に殿下のお顔が苦虫を噛み潰したようなものに変わられます。


「わ、分かっている」


 そうおっしゃいながらも、お声が上擦っていらっしゃいますが。


「ああ、もう!本当に覚悟しておけよ?」

「え?急にどうしたんですか?」


 本当におかわいらしいマリアリアさま。いずれ迎えられる婚儀の夜を無事にお過ごしになることを密かに祈ります。






サラッと書けるっていいな…

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