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女神の書物

 女たちがそうやって自分を美しくしようとしている頃。

 皇帝オーグは理沙の持ち込んだ鞄、ランドセルの中身に唸っていた。


「帝国随一の絵師である貴様に聞こう。この本にあるような絵を描く事は可能か?」

「恐れながら、陛下。不可能と言わざるを得ません」

「やはり、か……。この絵はいかなる術を持って書かれた物なのか……」


 オーグが最初に驚いたのは、写真を用いた絵である。

 あまりにも精密、人の手で書かれたと思えぬその絵に、オーグと絵師はただ唸るしかなかった。

 実際、人の手で書かれた訳では無いのはご愛嬌。中には鉛筆で写真の如き絵を描く御仁も存在するが、それはごく一部の例外、教科書などには無いものなので今は無視する。





 次にオーグが目を付けたのは生活科(理科、その他)の教科書である。


 日本語で書かれた文章は理解できないが、図解による説明はなんとなく解る物がいくつもあった。

 小学校1年と2年で習う内容は虫や植物の成長に関するものと、交通ルールと、公園の遊具などについてである。写真もあり、文字が読めずとも理解できるように工夫されている。


「鍛冶師よ、この絵にある物を作ってみせよ」

「はっ! 御尊命、承りました」



 オーグが作るように命じたのは、ブランコである。

 これなら作れるだろうと判断したからだ。

 他にもジャングルジムなどを作らせ、その使い心地を試す。


「ふむ……何がやりたいのか、さっぱり分からん!」


 ブランコを揺らそうという発想は無く、ただ揺れる椅子だと思ったオーグ。

 ジャングルジムについては何をすればいいのか全く分からない。


 理沙に確認してみると、ジャングルジムは1人で遊ぶものではなく、数人で使う物と判明した。もっと大きなものを作らせ、兵士たちに使わせる。



「おお。「じゃんぐるじむ」とは特殊な環境下での訓練用具であったか!」


 オーグには、ジャングルジムがちょっとした訓練用具に見えたようだ。不安定な足場や壁登りなどの訓練に使えるのではないかと期待する。

 似たような遊具として登り棒があったが、これも採用し、兵士たちの訓練メニューに加えるようになった。



 ブランコについては理沙が手本を見せ、小さく揺らすところから大きく揺れるように漕ぐ方法を教える。


「ブランコはこーやってゆらして遊ぶんだよー」

「むむ。大きく揺らすことに意味があるわけではないが、どうにもさらに大きくと上を目指したくなるな」


 何か意味がある訳では無いが、ブランコを大きく揺らすオーグ。

 ブランコは勢いを増し、どんどん大きく揺れるようになる。


「へーか、すごーい!!」

「よし、では一周するぞ!!」


 調子に乗ったオーグ、ブランコで一回転という大技をやってみせる。

 しかし、そんな事をすれば鎖が絡まるのは必然であり、


「ぐはっ!?」


 天井の棒に頭を強かに打ち付ける事になる。


 皇帝オーグ、30歳。幼女に褒められヤ○チャした。

 子供もいるにも関わらず、未だ心に男の子のやんちゃさを残すようであった。





 ブランコは一回転を禁止され、そのまま後宮などに置かれる事になる。

 女性はオーグのような真似をせず、普通に使うようであったが。



 ジャングルジムを始めいくつかの遊具は兵士たちの訓練用に使われるようになった。

 また、そこから着想を得て特殊環境の再現をした訓練施設がいくつも作られ、森や砂地、泥沼などの訓練用エリアが開設される事になる。


 この訓練により、帝国の正規兵はどんな土地でも戦えると精強さを増すことになるが、それはまだまだ先のお話であった。

知識といっても、本人が覚えている必要はありません。

何らかの理由で本や電子データを持ち込めば、それを参照することで知識チートを可能にします。

本人が何かできる、知っている必要はありません。

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