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女神の下着

 理沙は後宮で一つの疑問を覚えた。


「なんで、皆はブラジャーをしてないです?」


 彼女にしてみれば、後宮にいる大人の女性がブラジャーをしていないのは不思議でしょうがなかった。

 本人にはまだ必要ないブラジャーだが、小学生とはいえそこは女の子。ませた考えにより、大人の下着類にもそこそこの知識があった。と言うより、母親と一緒にお風呂に入れば実物を見る事があっても不思議ではない。風呂上がりにはノーブラだったが、風呂の前にはブラジャーを付けているのが普通だ。

 そして、そんな母親と比較し、後宮では誰もがブラジャーを付けていない事が気になったのである。


「ぶらじゃー? なんですの、それ?」

「誰か知っていますか?」

「いいえ、知りませんわ」


 女たちは理沙の言っている事を理解できず、互いに顔を見合わせては首をかしげる。


「ブラジャーはおっぱいを支える下着です! おっきなお胸の、大人の女ならみんな着けているです!」

「おっぱいを、支える?」

「はい!」


 理沙はブラジャーについて力説する。


「ブラジャーをしてないと、おっきなお胸は垂れちゃうです。おっぱいが揺れて痛くなるです。だからブラジャーを着けるのですよ」

「「「!!??」」」


 理沙の言葉を聞き、女性陣に衝撃が走る。

 後宮の女も、女官たちにも。


 大きな胸が垂れる事は、この世界でも知られた話だ。身近に例があれば、否が応にも現実を突きつけられるからだ。


 だが、「ぶらじゃー」なる下着があれば、おっぱいが垂れない。

 それは正に福音だった。


 皇帝(おっぱい星人)の趣味により、後宮には巨乳の女が多くいた。

 そんな彼女たちの悩みにストライクしたのだ。





 後宮からの要望として、ブラジャーの製作が始まる事となる。

 理沙が与えた知識はほんの取っ掛かり程度であったが、職人たちの手によりブラジャーは形だけ再現され、ついでにショーツも作られる事となる。


 ブラジャーに針金は無くショーツに使うゴムなど無い。この下着類は日本で売っている物に比べれば不出来で、売り物にならない代物でしかない。

 だが、底上げ効果や詰め物といった偽装機能などは独自ルートで開発・装備される事になり、帝国女性のお胸様は一回りも二回りも大きく見えるようになる。



 下着類は瞬く間に帝国内に浸透し、巨乳好きは大いに喜び、貧乳好きが「貧乳淑女が減った」と悲しみに暮れるようになる。

 そんな事はどうでもいいが、この世界の下着文化はここから始まった事こそ重要だ。

 この下着が矯正下着の概念を得て、更には身体補助や怪我予防のテーピングへと変化するのは、まだまだ先のお話。

形だけ知っていれば、後は現地の人が何とかしてくれる。

知識は断片でも、なんとなく知っていればいい事はたくさんあります。


あとは現地で「~~が無い」と言う事をどれだけ自覚できるかが勝負ですね。

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