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異世界往還の門番たち  作者: 葦原
二章 時の渦
46/321

3.夢

 夜更けの裏庭。

 井戸から引き上げた桶から、氷のように冷え切った水を手で掬って顔を洗った。

 刺すような冷たさに脳が覚醒する。手巾で顔を拭うと、吐いた息が白かった。

 

 マリーに往還門の話をすると決めたその矢先、俺の惰弱な精神はやはり幾らかの躊躇いを取り戻していた。ミラベルを呼んで説明して貰えばよかったのかもしれない、などと考えてしまう程度には及び腰になっている。

 話さないわけにはいかない。

 理屈ではそうと分かっていても、自分のことを話すのはやはり苦手だ。不老に関する部分は特に。俺の知る限り、往還者がそれを周囲に知られて良い展開になった例はない。

 

 もう遥か昔の話になる。

 九人居た往還者の中に、こちらの世界で家族を持った人物がいた。

 結論から言うと、彼女は二十年ほどで家族を失った。夫と子供が居たらしいが、どちらも死んだ。殺されたのだ。

 何せ、俺達は肉体も精神も歳をとらない。同じ街に長く留まっていた彼女が、周囲から怪しまれ、迫害されるまでに要した時間が二十年だ。

 

 家を焼かれ、家族を殺された彼女は、街を一つ消した(・・・)

 俺がその悲劇的な結末を知ったのは、全てが終わって地図から街が消えた頃だった。

 忘却(オブリビオン)という魔法が創られたのは、この事件のせいだ。

 

 その忘却(オブリビオン)も失われてしまった。

 

 皇帝を倒し、俺達がこの世界に残してしまった禍根を全て断ち切った後で、二度と俺達のような存在が生まれないよう、往還門を閉じるのが理想なのだろう。元々、俺とマリアが至った結論はそれだ。とうに分かっていたことなのだ。

 マリアが戻ってこない以上、俺が往還門を閉じるしかない。その後は現世に帰るなりこの世界で果てるなりすればいい。

 具体的な手段は浮かばないが、もう立ち止まる事は許されない。

 

 

 

 ざり、と砂を踏む音が耳に届き、俺は振り返る。

 月下の裏庭に現れた小さな相棒は、常の服装である青いチュニックに加え、白いマント、胸甲などの鎧を身に纏っていた。先日の南平原の戦いの時と全く同じ装備だ。

 彼女は真っ直ぐ俺を見たまま、腰の長剣を抜く。

 

「最近、夢を見るのだ」

 

 大きな瞳が揺れ、長剣の切っ先が持ち上げられる。彼女の技量では感じ得る筈のない剣気を覚え、俺は反射的に腰の長剣の柄に手を伸ばしかけた。

 寸前で思い留まらなければ、抜いていたかも知れない。馬鹿か俺は。頭を振り、剣を構える金髪碧眼の少女に問う。

 

「……何を言ってるんだ、マリー」

「夢の中で、貴殿は死んだよ」

 

 淡々と分からない言葉を重ね、マリーは一歩踏み出してくる。

 

「それはもう、何度も何度も。はっきり覚えているわけではないが、もういっそ死なぬ方が珍しいというほどに死んだ。タカナシ殿だけではない。カタリナも、サリッサも、皆死んだ。そのような夢を見るわたしは、どうかしてしまっているのだろうか」

 

 訊かれても答えようがない。潜在意識下の不安がどうたらだとか、極限状態を経験すると悪夢にうなされるようになるとか、心理学的な見地から物を言えるなら言う場面だが、生憎と俺にそんな教養はない。

 

「けれど、夢から覚める度に何かが変わっている実感がある。昨日までは知らなかった事を知っているように思える。夢の中でわたしがそうであったように、戦う力が増しているような気がする」

「思春期特有の万能感……ってわけじゃないよな」

「無論」

 

 軽口を叩きながらも、俺は背筋が冷えるのを自覚していた。

 マリーの言う夢が何なのかは分からない。ただ、つい数ヶ月前まではずぶの素人だったこの皇女は、確かに目覚しい――異常なスピードで技術を習得している。

 それは彼女の実直な人格と優れた才能が為せるものだと俺は思っていた。しかし、本当にそうだろうか。剣にしても細かい作業にしても、この少女は覚えが速過ぎる。

 

「これがわたしの隠し事だ、タカナシ殿。貴殿の隠し事を聞く前に……本当に貴殿の言うとおり、わたしに身を守る力がないのかどうか……試させてもらおう」

 

 鋭く言い切り、マリアージュ・マリア・スルーブレイスが剣を振りかぶる。

 ずしん、と。一瞬何の音か分からない、重過ぎる響きが俺の耳朶を打つ。それがマリーの踏み込んだ足によるものだと気付いた瞬間、俺の眼前には吹き上げるような黄金の輝きがあった。

 魔力による身体能力の強化が、有り余るほどの魔力で行われた結果、本人すらも包み隠してしまうほどの密度で可視化しているのだ。

 

 輝く少女が繰り出したのは単純な、全くに完成された《ただの振り下ろし》だった。ただし恐ろしく速く、重い。正中線をなぞるように振り下ろされた刃を、俺は腰の長剣を抜きざまに受ける。

 途端、暴風のように金の魔素(マナ)が吹き荒れた。剣から伝わる衝撃に寒気を覚える。到底、受け切れる威力ではない。

 剣尖を斜めに傾けて流し、跳び退く。いつだったか、詰め所の床を破壊した時と全く同じ軌道で、マリーの振り切った長剣が地面に叩き付けられた。しかし、威力が全く違う。半ば爆裂するかのように土がめくれ、巻き上がる。

 土砂の向こうでマリーの左の掌が開かれた。魔法による追撃。どこで覚えたのか分からないが、嫌らしくも効果的な連撃だ。

 

「終焉を告げよ。響き渡れ」

 

 僅か二節の詠唱。下がりながら舌打ちし、俺は長剣を構え直す。

 発動する魔法の射線を、魔素の流れから読み切って迎撃する。衰滅の角笛(ギャラルホルン)。一度見た魔法だ。魔素をぶつけるというだけの魔法だが、霊体に対しては効果が高い。光線状の広い効果範囲を持ち、速度も速かったように思う。だが複雑な軌道はない。斬れる。確信し、俺は長剣に力を込める。

 

衰滅の角笛(ギャラルホルン)!」

 

 しかし、マリーの取った行動は俺の読みを超えた。

 衰滅の角笛(ギャラルホルン)を放つ左手を薙ぎ払うように振り、直線の攻撃を長大な斬撃へと変えたのだ。

 夜の闇を裂いて迫る、その光の剣とも形容すべき一撃を、迎撃を諦めて走高跳の要領で跳んでかわす。飛び上がった先で見た地面が、光の斬撃に薙がれて抉れた。

 

「……とんでもないな」

 

 凄まじい戦闘勘だ。この短期間で、人はこうまで変わるものか。

 戦慄しながら着地した俺に、マリーは魔法を放ち終えた掌をゆっくりと閉じながら挑発的な笑みを浮かべた。

 

「なるほど、魔素の流れを読むというのはそれだな。いくら技巧を凝らして魔法を撃とうとも、避けられてしまうのでは話にならん。実戦とはかくも難しいものか」

 

 簡素な鉄の長剣の刀身を教鞭のように左手に数度打ち付け、再び構え直すマリー。

 その一挙手一投足すべてが、とても数ヶ月前まで剣を握ったこともなかった少女のそれとは思えないほどに洗練されている。

 

「前言を撤回する必要がありそうだ」

「まだまだ! タカナシ殿から一本でも取らねば、腹の虫も治まらぬというものだ!」

 

 どうやら皇女殿下はご立腹のようだ。

 付き合わざるを得ないだろう。

 

「ゆくぞ!」

 

 再び爆ぜるかのような勢いで打ち込んでくるマリーの剣を、受けて流す。

 まさか反撃するわけにもいかないので、ひたすらに受け流すことに集中する。

 

 マリーの剣は正統な騎士の剣筋と言える。相対した敵を真っ向から捻じ伏せる為の剣だ。故に直線的で、受け流すのはそれほど難しいことではない。

 ただ、ひたすらに重い。同様に身体強化を行っている俺ですら、流した剣を持つ腕に痺れを感じる。いちいち大振り過ぎるので反撃に転じるのも難しくはないが、並の騎士相手なら十分に戦えるだろう。

 俺は余裕を持って刃を弾き返しながら思案する。

 

 認めなくてはならない。マリーは十分に戦える。

 どころか、真っ当な師を得れば九天の連中よりも強くなる可能性すらある。

 

 苛烈な打ち込みを続けるマリーの顔に焦燥と疑問の色が浮かんだ。

 ゆらゆらと彼女の剣を流す俺に、何か不可解なものを感じ取ったのだろう。

 

 

 彼女の魔力は俺の比ではない。魔力を用いて身体能力を強化するというこの世界の常識と照らし合わせて考えれば、速度も力も勝るということだ。

 事実その通りであり、正面からの力比べを行えば、俺はどの騎士よりも弱い。その力量差が読み取れる程度に彼女が成長したという事なのだろうか。

 

 かつて九天の騎士達が俺と戦った際、彼らが俺を格下と見なしたのは、彼らの自分達の実力への自負だけではなく、俺が纏う魔力があまりにも少な過ぎるという事実が大きい。

 さぞや気味が悪かったに違いない。魔力の少ない人間が振るう剣技が、この世界でも最高峰の冴えを見せるのだから。

 それもその筈で、俺が権能で引き出している剣技は、それを編み出した者が振るう技と全くの同一の過程と結果を再現する。

 因果は無視される。俺の魔力や身体能力が剣技の発動に足りなかろうが関係ない。剣で繰り出せる技は全て手の中にある。往還者が持つ福音、権能とはそういうものだ。

 前提条件も魔力の消費もない。俺が戦闘で消費する魔力は、移動や回避といった純粋な運動によるものに限られる。

 

 言ってしまえば、俺に純粋な剣技で勝てる剣士は未来永劫存在しない。

 

 この世界の人類種がいくら研鑽を重ねて技を編み出そうが、編み出された瞬間に俺も同じ技を使うことができる。古い技は言わずもがな、既に存在する返し技を使って返すだけだ。目を閉じてたって負ける気はしない。

 故に九天の騎士最強と目されるジャン・ルースは魔法戦を選び、再戦時には武器の破壊を狙った。彼の選択は正しい。

 

 

 マリーの顔に疲労の色が見え始めた頃合で、俺は彼女の長剣の腹を叩いて握りを緩ませると、刃を刃で巻き取るようにして上に跳ね飛ばした。

 すっぽ抜け、回転しながら跳ね上がった剣を左手でキャッチし、右手の剣を逆手に持ち替えて鞘に収める。こんな大道芸めいた剣技にも使い道はあるものだ。

 

「……確かに、俺の認識が間違ってたらしい。君が見た夢ってのが君にどういう影響を与えてるのかは分からないが、今の君なら自分の身くらいは守れるだろう。悪かった」

 

 肩で息をするマリーに、奪い取ったばかりの剣を差し出す。

 彼女は顔をしかめてひったくるように剣を取ると、荒く鞘に収めて顔を伏せた。

 

「身体は思うように動く! 剣もちゃんと使えているのに、なぜ届かないのだ!」

「何をそんなに焦ってる。誰の教えも受けずにここまで強くなってる時点で、十分凄いんだ。むしろ、君の歳でその域に達するのは異常と言ってもいい。何が不満なんだ」

「不満だとも……!」

 

 手甲に包まれたマリーの手が伸び、俺のコートを掴んで引き寄せる。

 俺はされるがまま、たたらを踏みつつも彼女の前に立った。

 激情に揺れるマリーの瞳から、流れる涙を見て取ったからだ。

 

「タカナシ殿がわたしを遠ざけるのは、わたしが至らないからだ! わたしにはそれが我慢ならない!」

「いや、遠ざけるって……そんなつもりは……」

 

 ないとは言い切れない。

 

 俺の中で、マリーは相棒である以前に、やはり守るべき対象なのだ。無茶はさせられない。それは、結果的に彼女を俺から遠ざけるという事になる。

 危険があれば矢面に立つつもりである俺自身からは、遠ざけなくてはならない。

 皇都の件にしたってそうだ。

 俺に無邪気で純粋な憧憬を向けるこの少女を、どれだけ傷付けるのか分かっていなかったわけでもないだろうに。

 

 俺は弱い(・・・・)

 

 誰にも負けない剣の使い手である筈なのに、どうしようもなく弱い。

 もし胸を張って「何があっても君を守る」などと言えたのなら、こんな風に泣かせたりしなくて済むだろう。だというのに、俺にはそんな強さはない。

 仰々しくも忌々しい、福音などというインチキをその身に宿しておきながら。

 

「……強くなりたい」

 

 奇しくも俺の胸中を代弁するかのように、コートに縋り付いたマリーが呟く。

 俺はやはりつむじしか見えなくなった少女の頭を撫でながら、苦く笑って夜空を仰いだ。かける言葉を選びかね、結局はそうやって逃げてしまう。

 

 薄く雲がかった空に、星は見えなかった。

 

 

 

 

 ■

 

 

 

 

 翌朝、随分と簡素な馬車に三人分の荷を積んだ俺は、

 何故かジャンのしかめ面と相対していた。

 

 すぐ傍でマリーとカタリナが抱擁しているのは、まあ、分かる。

 荷台からどこか羨ましそうに見ているミラベルも、まあ、そういうものだろう。

 しかし、このオッサンが見送りに来ているのは全く理解できない。

 

「門番」

 

 髭面の騎士は愛想の欠片もない態度で俺を手招きした。

 いや、いきなり愛想よくされても気持ちが悪いのでそれはそれで勘弁願いたい。

 心底嫌そうな表情を作って初老の騎士の前に立つ。彼はまるで表情を変えぬまま、口を開いた。

 

「皇女らに怪我をさせるなよ」

 

 俺は口を半開きにして彼の言葉を聞いた。

 聞き間違いかとも思うが、すぐに考え直す。

 

「……今度は二人とも利用する気か?」

 

 目的のためなら利用価値があるものは何でも使う。この男は本質的にそういう男だ。

 しかし、ジャンはきっぱりと首を横に振った。

 

「そうではない。後事はカタリナに一任してある。後はお前達の好きにするといい」

「何だと?」

 

 信念の男であるジャンからそんな言葉が出るとは思わなかった。

 眉をひそめる俺に、彼は肩をすくめながら言う。

 

「娘に説教をされて堪えるようでは潮時というものだろう。体のこともある」

「……治らなかったのか」

「戦えば死ぬと、コールマンからは言われている。若い者達に重荷を背負わせるのは無念だが、俺は裏方に回らせてもらおう」

 

 淡々と述べるジャンの顔には、やはり変化がない。

 ウッドランド帝の野望を挫く為に、恐らくは様々なものを犠牲にしてまで戦い続けたこの男は、戦いを終えた今、一体何を思っているのだろうか。

 

「パンでも焼いて暮らすさ。全てが終わった後でな」

「そうかい」

 

 ジャンは似合わないことを言うが、カタリナや九天の騎士達には、彼がまだまだ必要なはずだ。そう簡単に隠居できるわけもない。

 ほくそ笑む俺に、ジャンは咳払いをして片眉を上げた。

 

「話は変わるが、カタリナの精霊憑きが落ち着いているのは貴様の仕業だな」

「どうだろうな」

「コールマンでさえ匙を投げたのだろう。貴様以外に誰ができる」

 

 おしゃべりドネットめ。

 内心で女医に毒づきつつも平静を装う俺に、ジャンは至極真面目な顔で言った。

 

「カタリナを嫁にする気はないか」

 

 俺は、思わず泡を吹いて卒倒しそうになった。

 何を言っているんだこのオッサンは。

 

「それが父親の吐く台詞か……!?」

「馬鹿なことを。子の幸せを祈らん親などいない」

 

 要するに精霊憑きの延命措置を知る俺と一緒なら、カタリナも人並に長生きできると思っての発言なのだろうが、いくらなんでも思考ロジックが合理的過ぎる。

 男女間のあれこれというものはもっとセンシティブな問題なのだ。お付き合い経験皆無で千年近く片思いをしている俺にもそれくらいは分かる。

 

「ああ見えて腕も立つ。気立てもいい。器量もまずまずだろう。不満はあるまい」

「あんたさては馬鹿だろ!?」

 

 真顔で戯けたことを並べ立てていたジャンだが、ややあって赤面しながらやってきたカタリナに引き摺られ、パン屋方面に去っていった。

 ジャンはともかくカタリナとは少し話をしておきたかった気もするが、よく考えてみればせいぜい一週間程度離れるだけのことだ。見送りにも来ないサリッサ達の方が正しい反応と言える。

 

 皇女二人を荷台に乗せて手綱を握る。

 日頃は馬車の荷改めをする側ではあるが、こういう芸当も身に付けてはいる。とはいえ久方ぶりであるには違いない。ゆっくりと手綱を緩めて発進させる。

 

「で、どうしてマリアージュを連れて来たのです」

 

 納得がいかない、といった顔で口を尖らせるミラベル。三つ編みに瓶底めいた丸眼鏡という雑な変装をしていた。服装も白いブラウスの上に真っ黒のローブを羽織っている。学生風なのだそうだが、この辺境ではそんな格好の学生は存在しないのでピンと来ない。

 

「姉上は何を仰っておられるのです? タカナシ殿の相棒であるわたしが彼と行動を共にするのは当たり前のことです」

 

 対するマリーも似たり寄ったりの服装で、眼鏡はかけていないがツインテール化している。やはり学生風だというが、腰に長剣など下げている学生など普通いないだろう。

 昨夜は荒れていたマリーだが、俺が皇都行きを了承したこともあってか、今はいつも通りの様子だ。自分の臆病さを自覚しながらも、俺は安堵していた。

 

 しかし、彼女の言っていた「夢」とは一体何なのだろうか。

 マリーが劇的に強くなっていた原因がそれだとすると、やはり気にかかる。

 

「聞いているのですか! タカナシ様!」

「……ああ、はいはい。聞いてる聞いてる」

 

 思考の海に沈みかけた俺は、すぐにミラベルの声に引き戻されて手綱を握り直した。

 考えて答えが見付かる類の問題ではないだろう。

 それよりも今は、目の前の仕事に全力で取り組むべきだ。

 

 

 やたらと賑やかな荷台を背に、ゆるゆると手を動かす。

 遥か先に見える山脈のずっと向こう。皇都を目指して、馬車は緩やかに進んでいった。

 

 

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