23.人間①
「で、なんでわたしに張り付いてるんだよ、きみは」
「護衛してるからに決まってる。今朝みたいなことになったら困るだろ」
「そうじゃなくて。ここからは反撃に転じるんでしょ。なんでのんびり学校に来てるんだって話だよ」
「ひーちゃん先生が重研で敵の居場所を特定するまでは何もできないからだな。富士までは時間がかかる。まあ、そろそろだと思うが」
「そんな呑気な」
「呑気なのはどっちだ……そりゃできれば身を隠した方がいいんだろうが、お前が登校してるんじゃ俺も登校するしかない。相手の目的も優先順位も分からんが、襲われたのはお前なんだぞ、瑠衣」
放課後の芥峰高校の屋上。ホルンを抱えて椅子に座る瑠衣と向き合う形で、俺は呆れ返っていた。
本当に呑気なことに、瑠衣は授業に出るばかりかこうして部活動にまで参加している。彼女を守る立場にある俺も自動的に付き合うことになり、せっかく永山管理官が手配してくれた隠れ家も今のところは無駄になってしまっている。
それに登校途中を狙われたことを考えるにも、敵は衆目など考慮しないに違いない。瑠衣が登校するということは、少なからず芥峰の学生を巻き込む危険を孕んでいる。あまりにも勝手が過ぎると思うのだが、瑠衣の反応は冷ややかだ。
「どう考えても相手は本気じゃないでしょ。もしわたしが狙いの本命だったらこうやってひと息吐かせる暇なんて与える意味がないし、そもそも今朝の段階で敵の最大戦力が姿を見せてないのはおかしな話だよ」
「竜種か」
「そう。だからわたしは第一目標じゃないと考えていいと思うけどね。選択的目標というか、ついでみたいなものなのかも。もしくは陽動とか、目くらましかも」
「……」
瑠衣の披露する推測にも一理はある。
オルダオラが生きていて情報局員をけしかけてきたのだとして、彼らの襲撃だけで済んでいるのはおかしい。あちらから見て変異させた情報局員が捨て駒なのは確かだとしても、わざわざ用意した戦力を小出しにする理由など普通に考えれば存在しない。瑠衣の言うとおり目を引き付けるための陽動、という線もあり得るし俺も考えなかったわけではない。
ただ、やはり言い切ることはできない。裏の裏をかいてやはり瑠衣を狙っているのかもしれないし、ハニーヴァイキングを狙ってくるのかもしれない。あるいはまったく別の目的があるのか。読み切れない以上はあらゆる事態に備える他ない。
「たしかにそうかもしれない。だが判断する根拠に乏しいのも違いない。万が一を無視できるほど、俺はお前を軽く見たりはしてない」
「またそういうことを言う。きみは誰にでもそうなんでしょ」
「いや誰にでもってわけじゃ……あるかもだが……」
「じゃあなに。きみは全人類を守るつもりなわけ。不可能でしょ。どっかで選択や妥協をしないといけないのは理解してるはず。だったら選んでもらわなくていいよ、わたしは」
畳み掛けるようにそう呟く瑠衣は、どこか無理をしているようにも見えた。今朝負ったという怪我はミラベルの治癒術によって完治しているようだったが、精神的に弱っているということなのかもしれない。瑠衣がパークで見せた奇異な精神性とはやはりイメージが重ならないが、むしろきちんとショックを受けている今の方が人としては自然だ。
だが強い不安を覚えて怯えている、という様子ではない。むしろ冷静に、あくまで論理的に状況を見ているように見受けられる。その結論として自分を優先するなと言っているのだろう。
それはそれで異界の一般人としてはタフ過ぎるように思う。些か以上に疑問だが、さしあたって俺は瑠衣の問いについて既に答えを出している。
「お前の言うとおり不可能だが、努力はし続けるつもりだ」
「……努力って」
「無理だからしない、ってんじゃ永遠にできないじゃないか。十を目指すのと百を目指すのとじゃ、きっと過程も結果も違う。だから、無理でも何でもやってみるんだ。その為の時間だけは、俺には腐るほどあるんだから」
「不老のことを言ってるの?」
「ちょうどいいと思わないか」
エイルと接触して分かったことがあった。
俺の時間は有限だ。
彼女たちのように無限に生きて神性に成り果てるということはないのだろう。
千年も生きておいて今さらおかしな話だが、有限であることを実感することで再び自分の価値を見い出すこともできた気もする。
自分の生き方が無為だとは思わなくなった。いつか終わりが来るのだとしたら尚更、そこに至るまでの過程で悔いを残してはならないのだと、漠然と悟ることもできた。
そして結局、結論は同じなのだ。
責務や義務ではなく、悔いのない選択として俺は厳しい理想を選び続ける。
かつて瑠衣と似た問いを俺に投げた騎士木蓮にも、はっきりとそう答えられたならよかった。今となっては、それも悔いのひとつとして忘れないでいるしかないのだが。
「どうかしてるよ」
瑠衣は驚いたような呆れたような、その両方であるかのような表情で固まっていた。俺は苦笑し、首を振る。
「いや。正気に戻ったんだ」
迷いなくこんな風に思えていた頃が、かつての俺にもあったはずだ。その頃の自分を完全に取り戻したのだと、何となく理解できる。困難はこれからも続く。だとしても俺に迷いはない。
「…………だったら助けてほしいもんだよ。ぼくたちもさ」
ぎりぎり聞き取れるかどうか、といった声量の呟きが僅かに表情を歪めた瑠衣の唇から漏れる。
意味がよく分からなかった。
しかしはっきりと口にしない以上、掘り下げて聞くべきか判断が難しい。俺が躊躇している間に瑠衣は思考を切り替えている。
「高梨くんの言い分は分かったよ。好きにしたらいい」
「そりゃどうも」
「だけど来瀬川先生やミラベルさんを別行動させるリスクはちゃんと認識しておくべきだよ。きみが芥峰に残ったのはタンカーにも対応できるようにってことなんだろうけど、もう助からない大勢の他人とあのふたりがきみの中で等価だとまでは信じてあげられない」
「……ちゃんと分かってるさ。わざわざそんな釘を刺す意味もな」
瑠衣も思ったよりふたりと打ち解けているらしい。
当の本人は鼻で笑った。
「ううん。分かってない、きみは何も」
小比賀瑠衣は偽悪的にそう言うが、他に合理的な解釈は見当たらない。親しみは隠すようなことでもないと思うのだが、瑠衣はそれ以上は言及しなかった。ホルンを膝に置き、皮肉気に唇の端を釣り上げて笑みを浮かべる。
「で、この後はどうするのさ。いつもどおり高梨くんの家に帰る?」
「先生の首尾待ちではあるんだが、どうせ休むならセーフハウスを使わせてもらったほうが良いだろう。他にやることがあれば別なんだが」
「ふうん……あ、だったら買い物に付き合ってくれないかな」
「買い物?」
「朝の一件でこれが壊れちゃったからね」
瑠衣は懐からただのカラフルな板切れと化したスマホを取り出してげっそりとした顔をした。
まあ、分からないでもない。異界での生活はスマートフォンが必需品に近い。いざという時に連絡手段がないというのも考え物だし、確保しておくに越したことはない。
「あ、でも何かあったらまた壊されちゃうのか」
「それなら一応は対策を考えてある。考えたのは俺じゃないし確実性の高い手段じゃないらしいんだが……ひとまず気にするな」
「そう?」
「ああ。買い物なら駅前……は、まだ無理か。ショッピングモールにでも行こうか。ついでに……」
付属病院に。柊の様子を確認しておきたいと思ったのだが、言いかけてやめる。万に一つ、俺たちが近付くことで巻き込まないとも限らない。瑠衣が再び襲われる可能性が彼女自身の言うとおりに低いとしても、だ。
登校することも周囲へのリスクであり今更なのだが、今更だからといって危険を増やしていいわけもない。
とはいえ様子を見に行かずにもいられない。不足はあるが、遠くから柊の無事を確認する、くらいが妥当か。
「ついでに、なに?」
「……いや、少し寄り道をする。買い物もなるべく手短に済ませよう」
「ふうん? まあなんでもいいけど、ちょっと待ってね。いちおうラッパの練習するからさ」
「そんな場合かよ」
「できるだけいつも通り過ごそうとしてるだけ。目立つのはよくないでしょ」
「まあ……」
瑠衣の校内での行動まで敵が見ているとは思えないが完全に無意味とも言い難い。敵がどうこうというより周囲への配慮という意味でだ。そもそも瑠衣が目を付けられたのはパークの一件だろう。やはり人目への配慮は軽視できない。
曖昧に頷く俺を一瞥した瑠衣は、最近の彼女にしては珍しい、どこか義務感を漂わせる無表情でホルンに唇をあてる。
そうして、澄んだ音が屋上に響いた。
いつか、屋上で瑠衣と初めて遭遇したときに聴いたものと同じ、穏やかでいてどこか物悲しい旋律。曲名だけを俺は知っている。亡き皇女のためのパヴァーヌ。
しかし。
「……」
俺は、無意識のうちに小さく首を傾げていた。
瑠衣の奏でる音に、なにか、強い違和感を覚えていた。
俺には管楽器の技巧など分からない。
ただ、相変わらず瑠衣の演奏が上手いのだけは見て取れる。指の運び方、息の使い方、どれを見ても手落ちがない。音も外れず、綺麗に曲を奏でている。
だが、違う。
音が違うのだ。明らかに。
以前の瑠衣の演奏には力があった。
力強いという意味ではない。人の胸を打つ形容しがたいなにか、強い思いが込められている音だった。まるで言葉の代わりに音色で叫んでいるかのような、あれはきっと彼女の声だった。
なのに今は、ただ上手いだけの演奏に聞こえた。
曲自体のあるべき旋律をなぞっているだけの、まるで無色の音。そこには何も見えない。何の意思も感じられない、ただの技術。
興が乗らないのか不調なのか。瑠衣は曲の中ほどまでをそうして演奏した後、唇をマウスピースから離す。
「……まあ、そういう反応だよね」
当惑が顔に出てしまっていたのかもしれない。
瑠衣は複雑な微笑で俺を向いていた。
そんな場合ではない、にしても聞かずにはいられなかった。
「調子が悪いのか?」
「あはは……そういうわけじゃないんだけどね。集中できてないのかも」
取り繕うように瑠衣は笑い、ホルンを下げる。
こんな状況で集中できるはずもない、にしても、パークの一件では翼竜に追い回されている最中ですら彼女の演奏は乱れていなかった。その瑠衣が今になって動揺しているというのは、よく、分からない。
俺が疑問を突き詰めるより早く、パイプ椅子から立ちあがった瑠衣が伏目がちに言った。
「ままならない」
それが何を指しての言葉かは分からない。ただ、俺は漠然とした不安のような予感のような、まだはっきりとした形を成していない疑念を喉奥に詰めている。
調子が悪い。はたして、本当にそうなのだろうか。
***
来瀬川姫路はパーキングブレーキのスイッチを引き、エンジン操作のボタンを無言で押し込んだ。すると、姫路を運転席に収めている高級セダンが低い唸り声のような力強いエンジン音を止め、車内は途端にまったくの無音となった。
「ふー」
借りた相手からスポーティなモデルと聞いた車両ではあったが、姫路はこれほどの動力性能を持つ車を運転したことがない。道中では何度か冷や汗をかいた。慣れさえすれば余裕のある出力と乗り心地は快適そのものではあったのだが。慣れさえすれば。姫路にそんな機会は、少なくとも当分はなさそうだったが。
「ヒメジさん?」
助手席に座る妖精のような少女、ミラベルが首を傾げた。
疑問は姫路の運転疲れを指してではなく、車が止まった場所に向いている。重力波望遠鏡、天秤が設置されている富士重力波観測研究所を目指して出発した姫路たちだったが、いま姫路が車を停めたのは研究所のある村落の手前、なにもない山道の外れだった。
ミラベルはその意図を確認している。姫路はシートベルトを解きながら、
「ここからは歩きで行くよ。重研の周りは人家が少ないから、車だとどうしても目立っちゃうし」
「え……っと。敵の目を警戒して、ですか? 研究所がすでに敵地だと?」
「半々かな。もう来てるか、まだ来てないか」
「狙われるのは確定だ、と」
「うん」
姫路はダッシュボードから銃――作品番号一番を取り出して電源を確認する。
使いたいとは思わないものの、非常時に取り得る手段がゼロとゼロ以上とでは天地ほどの差がある。意外に軽いそれを小脇に抱え、ミラベルの瞳を見た。
「新田さんが今回の相手に取り込まれてるなら、もう天秤の情報も渡ってると思う。だとしたら、次に相手が考えそうな事ってなんだと思う?」
「言われてみれば……明白です」
「うん。押さえるよね、当然。壊すか止めるかは、相手が天秤をどれだけ脅威に感じるかによると思うけど、放置するわけないよ。いままで翼竜に対応できていたのも発生を抑えていられたのも、ぜんぶ天秤のおかげなんだから」
そんな確信をもって姫路は来た。竜種という生き物が道理の通じる相手ではないにしても、思考はさほど人間と変わらないと姫路は推測している。これが野生動物のような思考ロジックを持つ相手であれば別だが、高梨明人から聞いた話やハニーヴァイキングで見たあれの印象はそうでもない。
なら、考えを読むこともできる。
ミラベルはなおも疑問を顔に貼り付けていた。
「では、どうしてアキトさんにそう伝えなかったのですか」
「どうにもならないから、かな」
姫路は笑う。
「ハニーヴァイキングには氷室さん、小比賀さんには高梨くん。ふたりしか竜種と戦えないんだから、それ以外は守れない。天秤が狙われるかもって指摘したら、たぶん高梨くんは小比賀さんを連れて富士に来ようとする」
「……それしかないのでは?」
「うん。でもね、もし相手の目的に芥峰から高梨くんを引き離すことが含まれていたとしたら?」
「あ……」
姫路の言葉に、ミラベルは口元を押さえる。
「可能性のひとつだけどね。相手が小比賀さんを狙った理由は分からないけど、一連の出来事を順番に考えると、本命はあくまでハニーヴァイキングが積んでいた……人たちだと思う。本当なら是が非でも取り返したいはず」
「だからアキトさんをハニーヴァイキングから引き離したい、あるいは他に目を逸らしたい……と」
「かもしれない。言い切れるほどじゃない。朝の襲撃にあわよくば手傷を、みたいな面があったのも間違いないとは思う。竜種っていう生き物がどれだけ戦略的に動いてくれる生き物なのかも、まだはっきりとは分からないし」
百均で買ったゴムバンドで髪を束ねつつ、姫路は言葉を続ける。
「もし高梨くんまで富士に来ちゃったら、ハニーヴァイキングでなにかあっても対処ができなくなる。手が足りない。高梨くんもそれは分かってる。だから言わなかった。言ったらぜったい止めようとするでしょ?」
「当然です。ヒメジさんは戦えない」
姫路は笑う。
戦う。いままで、そんな言葉とは無縁の人生を送ってきた。
これからも、そんな真似が自分に出来るとはまったく思っていない。なにせ勢いあまって家具に身体をぶつけてしまっただけで思わず泣いてしまうくらいなのだ。来瀬川姫路という人間は、戦える風に出来ていない。
でも。
それでも。
「無理はしないよ。もし重研がもう押さえられていたとしたら、回れ右して帰る。まだ押さえられていないのなら、天秤を使って急いで竜種を探す。それくらいのことはしてあげたいんだよ、先生はね」
ぜんぶ推測だし、と姫路は苦笑する。
妖精のような少女は笑わなかった。
「……アキトさんに?」
ミラベルの眼は困惑と疑問の色に彩られていた。
そこにも理由が必要なのだろうか。姫路は口を結ぶ。もっともかもしれない。善意と命とでは釣り合わない。概ねの人間の価値観はそうだ。
姫路はそう理解しているし、それは彼女自身も例外ではない。善意が命より重い筈がない。そんなことはあってはならない。もしそうなら、それではきっと命が軽すぎる。
そして、姫路の行動原理は善意ではない。教師としての領分でもない。
もし高梨明人に理由を問われても、姫路は口を閉ざしたかもしれない。しかし色恋という話でもない。たまに戯れこそしても、来瀬川姫路は高梨明人を異性として見ない。そう努力している。
ことはもっと簡単だ。
簡単なのに、姫路は血を吐くかのような息で己の裡を表現した。
「彼、さ。なんだか、似てるんだよね。昔の友達に」
いつか喪った姫路の太陽。かつての親友。
彼女は面差しから性格から、なにひとつ明人とは重ならない。なのによく似ている。善意が命より重い、人としてなにかが故障している人間。まるで童話の幸福な王子。しまいには、鉛の心臓も砕けて割れるのに。
そして姫路はツバメだった。ツバメになりたかった。だから飛ぶのだ。王子のために、また。だがそう言ったところでミラベルには分からない。彼女は王子が救おうとする人々のひとりであり、異なる世界の少女だった。
違う。それだけじゃない。
姫路は微笑む。
きっと、自分の気持ちは誰にも分からない。
「だからほっとけなくて」
だから姫路は微笑むだけにした。
動機が重要な局面でもない。会話を切り上げるべく、運転席のドアノブを引いた。ばくん、と重厚な音がして、ドアが僅かに開かれる。
緑の匂いがした。
山道の周囲は原生林に近い手付かずの樹林で、荒れた舗装の道路以外に人工物はない。都市部で暮らす姫路には馴染みのない一面の薮が広がっている。
虫が多そうだとか真っ直ぐ進めなさそうだとか、柔弱な感想を抱きつつ姫路は顔をしかめる。
だからといって及び腰になどなってはいられない。車から降り、手元で真新しいタブレット端末を操作した。GPSと連動した地図を表示し、研究所の位置を確認する。それから、大きく迂回するようにして山中を行くルートを頭の中で組み立てていく。
まさか道路を歩いていくわけにもいかない。それでは車を置いていく意味がない。そもそも車を置いていくことに目くらましとしての効果がどれだけあるかは不明瞭だったが、なんの工夫もしないよりはいい。
あとはどれだけの覚悟を決めるかだ。
「藪をかき分けて山中を行くのは、なかなかに骨が折れるかと思いますよ」
「あれ、経験あるんだ?」
「ないでもない、といったところですね。ヒメジさんは大丈夫ですか」
「……あはは」
涼しげな顔をしているミラベルに、姫路は苦笑する。大丈夫じゃないに決まっているが、大人として、年下のお姫様が文句をひとつも言わないというのに自分が挫けるわけにはいかない。ぺちぺちと己の頬を叩き、自身を鼓舞する。
「よっしゃ、いっちょいきますか……!」
気合を入れるが藪は深い。
姫路は自分の口角がやや下がっているのを自覚しつつ、山中での一歩を踏み出した。




