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異世界往還の門番たち  作者: 葦原
四章 竜殺し
141/321

02.長い一日①

 朝焼けに白い羽毛が舞っている。

 

 ああ。

 果たして、ニワトリって空を飛ぶ鳥だったろうか。

 

 よくよく考えてみたら記憶にない。ニワトリが約千年前に俺の出身世界である異界(クリフォト)から、異世界である現界(セフィロト)に持ち込まれた生き物であるのは間違いないのだが、それからおよそ千年ほど経っているので、ニワトリがどのような進化を遂げていたとしても全く不思議はないのだろう。

 だからまあ、ニワトリが空を飛べてもおかしくはないのかもしれない。いや、おかしくはないのかもしれないが、とりあえず非常に面倒くさい。

 

 なぜなら、そのニワトリが五羽ほど牧場の畜舎から逃げ出したからだ。そいつらは数十メートルの飛行を繰り返しながら牧場中を元気に飛び回っていて、難儀なことに俺は奴らを捕まえなくてはならない。俺が門番だからだ。

 いや、田舎街の街門を任されている身分とはまったく関係がないだろうと俺も思うのだが、牧場主と町長の間にコネクション――いや、こんなド田舎では全ての住民同士に少なからず親交がある――があり、町長にはこの街、セントレアの番兵団に対する命令権が存在する。

 まあ命令権といってもそれで何が出来るということもない。なぜなら我がセントレア番兵団には良い意味でも悪い意味でもごく普通の人しか居ないからだ。

 当の牧場主のおっちゃんも一員であり、あとは女子供とか、老夫婦とか。猫の手に毛が生えた程度の戦力だ。いや猫の手には最初から毛が生えてるか。

 

 ついでに言えば町長はやや気弱なごく普通の青年で、些細なトラブル対応とか金勘定が得意なタイプの善良な一般市民だ。職権の濫用などしない。

 しない筈だ。

 

 なのに俺達はこんなところでこんなことをやる羽目になっている。

 不思議だ。世の中は不思議なことがいっぱいだ。

 

「タカナシ殿、なにを呆けているのだ! 早く捕まえなければ!」

 

 そんなやや現実逃避気味の思考をぼんやりと回している俺に、小ぶりの鈴を全力投球すればこんな感じになるだろう賑やかな声が飛んできた。

 視界の真ん中で綺麗な少女が左右に躍っている。遠目にもなんだか美術品か何かのように見えてしまう金髪の女の子だ。飛び交うニワトリ達のうちの一羽を追い回して走っているのだった。

 ちなみに、彼女の足はとんでもなく速い。天性の魔力で身体能力を向上させているからだ。ただ走っているだけで、大の男どころか、たぶん狩猟豹(チーター)とか(ハヤブサ)とかより速い。

 

 なので運動エネルギーも膨大である。

 さて、そんな彼女が加減も何もなしに走り回ると、どうなるだろう。

 

 いやまあ、方向転換とかジャンプとか着地とかする度に地面が牧草ごと吹き飛んで小爆発みたいになるわけで、さっきからドッカンドッカンと牧場が順調に耕されて大きな土煙が上がっている。

 牧場から耕作地へジョブチェンジしつつあると言っていい。辛うじて柵やら畜舎やらへの直撃は避けられているのでまだ取り返しがつくのだろうが、それだって時間の問題だし、もしそうなったら俺は門番から大工へと職を変えなくてはならなくなる。

 

「……あー、ちょっと待ってくれ。待ってください、皇女殿下。ほんとに。今ちょっと策を練ってるから」

「悠長なことを! こやつらめ、なかなかに賢しいのだ……わたしだけではっ! ぬあーっ! 降りてこい卑怯者!」

 

 少女は羽ばたいて数メートルほど飛び上がった鳥類を罵っている。言葉が通じればいいのだが、残念ながら千年以上生きている俺ですら鳥類と会話している人間にお目にかかったことはない。哺乳類ならともかく。

 とはいえ、とはいえだ。

 自由に飛び回る鳥類を穏便に捕まえる方法などあるのだろうか。

 傷付けて良いなら――もっと言えば殺していいのなら――いくつか手段は思い付くのだが、家畜という他人の財産である以上は無事に捕まえなくてはならない。

 

 皇女殿下は魔法が使える。

 具体的には非殺傷威力の光線(ビーム)が出せる。

 当てれば飛んでる鳥も落とせると思う。だが無事に落とせるのかというと、ちょっと分からない。折れるかもしれない。首とかが。

 

 俺は剣で遠くのものに打撃を加えることができる。

 具体的には、非殺傷威力の魔力塊が飛ばせる。

 当てれば飛んでる鳥も落とせると思う。

 だが無事に落とせるのかというと、ちょっと分からない。

 折れるかもしれない。首とかが。

 

「うん、駄目だな」

 

 人選ミスだ。

 所詮、地を這いずるしかない人間には飛ぶ鳥を落とすことなどできはしないのだ。飛び交うニワトリ相手にぴょんぴょこ跳ね回る同僚を眺めながら、俺は真理を悟って目を細めるだけだった。

 

 妙に手強いニワトリ共だが所詮は鳥獣の類である筈だ。

 牧場の人から飼料を分けてもらって、罠を仕掛けるのが良いかもしれない。

 カゴとかバケツとかを紐で結んだ木の枝で立てて、その下に餌を撒いておく。そんな古典的な罠を何となく思い描いていたのだが、

 

「ぐええぇっ!」

 

 飛んだり跳ねたりしていた同僚が足をもつれさせて体勢を崩し、顔から地面に突っ伏した。ずぞぞーっとヘッドスライディングのような恰好で十メートルくらい滑っていく。

 相変わらず悲鳴が女の子っぽくない、などと考えながら近寄る俺の前で、金色の髪の少女はガバッと勢いよく体を起こした。

 端正な顔は牧草やら土やらでメチャメチャになっているのだが、それよりも整った鼻筋の右あたりの表情筋が激しく痙攣しているのが怖い。

 

 俺の知る限り、この少女は滅多に本気で怒らない。

 大体のことは妙に尊大な態度で受け流してしまうし、俺にぞんざいに扱われたりしてもちょっと拗ねるくらいで五分も経てばケロリとしている。

 だからまあ、それなりの期間を同居している俺でも、彼女が激怒している様子など二回か三回くらいしか見たことがない――のだが。

 

 ああ、でもこれは、たぶん怒ってるな。

 それもすごく。

 

「タ……タカナシ殿」

「はい」

「……わ、わたしは以前から気になっていたのだが、腰抜けのことをチキンと呼ぶのは何故だろう。と……とても不思議だとは思わないか?」

「さ、さあ……なんでだろうなー……?」

 

 後になって物知りの元侍女に聞いたのだが、鳥類は眼球をあまり動かすことができないのだそうだ。そのせいでキョロキョロと首を動かして周辺の状況を把握する習性をもっており、この様子が常に周囲を気にしている臆病者に見えるから――らしい。

 

「わた、わたしは……理解した! 奴らこそ……まさしく腰抜けだ! ちょこまかと飛び回って逃げるばかりで、ままままったく意気地がない……っ!」

 

 そりゃそうだろ無茶言うなよ。

 という突っ込みは内心だけに留める。

 青筋を立てて金色の魔力を迸らせる少女に、若干気圧されていたからだ。

 

「もう許さん! 手討ちにしてくれる!」

 

 遂にキレちゃった皇女殿下は大声でそう宣言すると、怒りに任せて大地を蹴った。

 やはり地面が爆裂して俺は土砂を被る。

 黄金の軌跡を残して掻き消えた少女は弾丸のように宙を奔った。

 目掛ける先、狙われたニワトリは悠然と羽ばたいて――身を躱す。躱された少女は勢いのまま、畜舎の木壁に激突してぶち破る。

 木っ端みじんになった木板の破片、まさしく木っ端が降り注いできて、俺は呆然と立ち尽くす。

 ついでに彼女は中で何か主要な柱を折ってしまったらしく、畜舎全体が若干斜めに傾いた。更に、衝撃で傍らの木柵が倒れた。

 

 俺はなんかもう全てがどうでもよくなったので、

 とりあえず顔に付いた土をコートの袖で拭いながら大きく息を吐いた。

 

「今日も平和だなあ」

 

 

 

 

 ■■■

 

 

 

 

 秋が過ぎ、季節が巡って冬が来た。

 気候帯としては亜寒帯湿潤気候に属するだろう大陸北西部の辺境、この田舎街セントレアは冬になると厚着を余儀なくされる程度には気温が下がる。吐いた息が白くなるのは勿論、街のあちこちに霜柱ができている。平たく言えば寒い。

 寒空の下でハンマー片手に釘を加えている門番であるところの俺、高梨明人(たかなしあきと)は、遥かな昔、日本の平凡な家庭に生まれたごく普通の男子高校生だった。それがどう間違って北欧ばりの田舎街で大工の真似事をしているのかは、実のところよく分からない。本当になんで俺だったんだろう。

 真新しい木板で破壊された畜舎の壁を塞ぎ、トンテンカンとテンポ良く釘を打ち込む。永い歳月を生きているうちに身に付けた日曜大工技術が、ここぞとばかりに遺憾なく発揮されている。これも、ごく普通の男子高校生にはない特技のはずだ。俺の知らないうちに若者たちの間で日曜大工が大流行していなければ、だが。

 

「……すまない、タカナシ殿。頭に血が上ってしまった」

 

 大工仕事をする原因となった少女は俺の傍らでしょぼくれていた。

 自分の身長くらいはある新品無垢の木板を抱えてうなだれている。滑らかで全く癖がついていない不思議な長い金髪を眉の辺りで切り揃えた、印象的な髪型の美しい女の子だ。名前はマリアージュ・マリア・スルーブレイス。この国、ウッドランド皇国の二十人を超える皇子皇女の中のひとりである。

 愛称はマリー。

 年齢は知らない。小学生か中学生くらいだろう。

 少女でありながら尊大だったり実直だったりする彼女は、そのユニークな内面に違わず自身の遇し方も奇抜だ。報酬も大したことはないこの田舎街の門番という職に自ら進んで就いたのだ。理由は――俺も何となく理解してはいるが、はっきりと彼女の口から聞いたことがないので話題に出そうとは思わない。

 寒さが厳しくなって、彼女も装いを新たにしている。夏から秋頃にかけて着ていた青いチュニックではなく、レース飾りのついたブラウスの上に、群青の胴鎧。青を基調としたコートも羽織っている。洒落っ気はないが頑丈そうな装備だ。

 色味もデザインも彼女によく似合っていると言えよう。コートのサイズが合ってなくてマントみたいになっているのを除けばだが。

 

「気にしなくていいさ。おっちゃんも許してくれたし、ニワトリも何とか捕まえられたし、まあ一件落着ってことでいいんじゃないか」

 

 トトトン、と無意味かつリズミカルに釘頭を打ち付けて俺は笑ってみせる。

 皇女殿下はむう、とやや膨れた。

 

「それではわたしの気が済まん。それに我々は相棒(パートナー)だ。あまり貸し借りを作るべきでないと思う」

「はは……」

 

 俺の方はもう家族同然のこの子相手に貸しだの借りだのを考えることはないのだが、彼女はそうでもないらしい。

 かといって俺がマリーに何か要求するものがあるのかと言えば、正直なところ何も思いつかない。せいぜい「健やかに過ごしてくれ」くらいなものである。

 しかし、そう口にしたところで納得してはくれないだろう。

 

「そうだなぁ……ああ、そういえばもうすぐ降臨節(アドベント)だったよな」

「む、もうそんな時期であったか。道理で寒いわけだ」

 

 マリーはむむむ、と唸るとフウフウと白い息を吐いた。彼女が鼻を赤くしてそうしていると美貌も身分も関係ない、年相応の女の子にしか見えず少し面白い。

 降臨節(アドベント)というのはウッドランド国教における主神、始祖の皇帝カレルの降臨を祝う二日間を指す。異界(クリフォト)で言えばクリスマスにあたる行事だ。

 ウッドランドの国教は異界(クリフォト)の一神教を下敷きにしている。似通っているのはそのせいだろう。

 なので、降臨節(アドベント)という行事の中身もクリスマスとさほど変わらない。主神の降臨を祝って典礼をやったりお祈りをしたり、一般のご家庭では少しだけ贅沢なものを食べたり飲んだりする。

 世話になっている人や家族に贈り物を送るのも同じだ。

 複雑な経緯で当の主神様と敵対しているところの俺としては微妙な気分にさせられる上に、家族どころか友達すら居なかったので縁の無い行事なのだが、例年とは違って今の俺には知己が結構居るので、一概に縁遠いとも言えなくなっている。

 その主神に連なる一族――皇族であるマリーにとって、この行事がどういう感覚のものなのかは分からなかったが、顔色を見るに毛嫌いしているというわけでもなさそうである。だとすれば、軽く美味いものを飲み食いするくらい問題はないだろう。

 

「俺が()の降臨とやらを祝うのはおかしな話だけど、なにか手の込んだ料理でも作るよ。準備とか色々と手伝ってくれないか」

「……なんだ、そんなことでよいのか?」

「ああ。ニワトリとかケーキとか焼こうぜ」

 

 ケーキ、という単語の部分でマリーの眉がぴくりと動いた。

 が、すぐに腕組みをしてそっぽを向く。

 

「ふ、ふむ。てっきりタカナシ殿はそういった浮ついた行事には興味がないのかと思っていたが……意外と俗っぽいところがあるのだな。意外だ、うむ」

「意外ってなんだ。俺だって善良な一市民だぞ」

「貴殿が善良なのかどうかはさておき、ただの市民は父上に弓を引いたりせんだろう」

「まあ、そりゃそうか」

 

 というか浮ついた行事なのか?

 一応、逆賊をやっている身としてはあまり羽目を外し過ぎるのも考え物だが――

 ここは乗っておくのが正しい気がする。たまには良いだろう。

 

「やっぱショートケーキだな。イチゴの」

 

 トトン。

 板に釘頭を完全に埋没させ、俺はハンマーを置いた。

 小一時間の後、頭を抱える羽目になるとも知らず。

 

 

 

 

 ■■■

 

 

 

 

現界(セフィロト)でこの季節にイチゴが手に入ると思ったんですの?」

「あッ……しまった!?」

 

 俺はよろめいて数歩後退り、イチゴという果物の本来の旬が冬ではないという事実を思い出してさらに記憶を辿る。言われてみなくても中近世あたりの文明水準であるこの世界においてビニールハウス栽培なんてものが存在するわけがないのだ。

 

 この田舎街に存在する唯一のパン屋、ルースベーカリーの小洒落た店内。

 鳶色のエプロンドレスを纏った眼鏡の少女と、今しがた会計を終えたらしき客――ポニーテールの女医がうな垂れる俺を眺めて苦笑している。

 

 カタリナ・ルースとドネット・コールマン。

 ふたりとも知己朋友である。

 少なくとも、俺の中では。

 

「もっと都会にならガラス張りの温室もありますが、民間に出回っている温室の作物は希少ですし、高級品です。研究機関や大学に辛うじて……あとは貴族が観賞用に設けていたりとか」

「あー、多分それウチの大学にもあったわ。相変わらず博識だね、パン屋ちゃんはさ」

「パン屋も青果類と無縁というわけではありませんよ、コールマン先生。さすがにこの季節にイチゴを仕入れようとは思いませんけど」

「あっはっは……つーか、なんで生のイチゴなんだよ、坊や。降臨節つったらシュトレンかクッキーだろ。干したベリーとかで良いじゃないか」

 

 女医――ドネットが呆れ顔で言うので、俺は一応の説明を試みる。

 

「俺の故郷ではイチゴのショートケーキを食べる習慣があるんだよ。いやまあ、イチゴショートって決まり切ってるもんでもないんだけど、とにかくケーキを食べるんだ」

「へえ、東洋は変わってるなー」

「正確に言えば東洋ってわけでもないんだが……いや東洋っちゃ東洋なのか?」

現界(セフィロト)の東洋にはそんな風習ないらしいですわよ」

「へえ、そうなのか」

 

 勉強になった。

 俺の脳内にある、まだ見ぬこの世界の東洋文化が江戸時代あたりのイメージなのはさておき、異界(クリフォト)製プラスチックフレームの眼鏡を押し上げる少女、カタリナは、とある理由であらゆる問いの答えを知っている。

 当然、この世界でこの季節にイチゴを入手する術も知っている……んじゃないだろうか。恐らく。たぶん。

 

「そんな目で見られてもさすがに無理です。イチゴが流通しているほど大きな街との距離を考えると、とてもじゃありませんが鮮度がもちませんからね」

「ぐえっ、駄目か」

「無茶をすればできなくはないですけれど……たとえばあの自動二輪車とか」

「おいおい」

「まあ、そんな無理をしなくても、もっと簡単な方法があるでしょう」

 

 はっきりとは口にせず、カタリナは空になったパンのトレイを持ってキッチンの奥へと引っ込んでいってしまった。

 彼女の言う「方法」には心当たりがあるので追いかけてまで確認する必要はない。しかし、その方法をこんな用事で気軽に使ってもよいものなのかどうか。

 

「坊やは菓子まで焼けるのかい。芸達者なもんだね」

「料理は嫌いじゃない。誰かに食べてもらうのもな」

「乙女かよ。いや、相手が小さい方のお姫様じゃ色気のある話でもないか」

「……色気?」

「だって普通、降臨節を一緒に過ごすのは家族か恋人だろ。坊やとマリーじゃどう考えても家族って感じだ。ないじゃないか、色気」

 

 言いながら、ドネットは買ったばかりのクロワッサンを齧った。遅めの朝食といったところだろうか。いつもどおり不摂生というか不健康な生活をしていそうだ。

 俺は言われた言葉の意味をしばらく思案して――

 

「え、降臨節ってファミリーイベントじゃないのか?」

「間違っちゃいないが、いい歳したカップルなら一緒に過ごすもんなんじゃないか」

「おお、そうなのか」

 

 勉強になった。

 と同時に、思わずカタリナが先程どんな表情をしていたのか思い出そうとする。特に変わった様子はなかったと思うのだが、確信は持てない。

 客観的に言えば彼女と俺の関係は友人か、或いはその延長線上にあるものでしかないのだが、現在の関係性が心情の全てを反映しているとは限らない。

 

「その様子じゃ、あんま気にしてなかったって感じか。世俗に疎いあたりは、まあ、お伽噺の英雄様らしいといえばらしいのかねえ」

 

 ドネットはシシシ、と不気味に笑ってクロワッサンの包装紙を丸める。

 俺は首を縮めて苦笑するに留めた。

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