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はじまりの日

 

 作者は文才ゼロです!!

 それでも良ければぜひご覧ください

 

 





「ミストくーん、朝だよー」

  深い底にいた俺の意識は、やけに間延びしたその声により現実に引き戻された…わけではなかった。

 僕は、朝はどちらかといえば苦手なのでなかなか起きない。

「ミストくーん、起きてよー」

 だからこうした声をかけられるのも毎朝のことだった。

「ミストくーん、起きないの?起きないんだったら・・・」

 僕は安らかな眠りについていた、すると背中にむにゅっ、となにやら柔らかい感触を覚えた。とても気持ちのいい感触に僕の意識はどんどん底に沈んでいく。永遠にこのままでいたいとさえ思うほど気持ちよかった。むにゅっ、むにゅっ、柔らかい何かがしきりに動いている。・・・動いている?

 背中に熱を感じ、瞬間僕の意識は今度こそ現実に引き戻された。

「うわぁーーーー!!!?」

 僕はベッドから跳ね起きた。昨夜、僕は間違いなく一人で寝たはずなのにベッドにはなぜか二人目がいた。

「ミストくん、おはようー」

 件の二人目は、先ほどの一幕のことなどまるで何もなかったように呑気に挨拶をしてきた。

「おはようじゃありませんよ!!もっと普通に起してください!!」

「えー、でもミストくん普通に起しても起きないでしょ?」

「ぐっ・・・!」

 否定しようのない言葉を突き付けられ、僕は何も言えなくなる。

「だとしても・・・『抱き付く』なんて起こし方、聞いたことないんですけど?」

「アハハッ、そうかもねー」

「自覚があるのなら辞めてほしいんですけど・・・」

 呆れ交じりの口調で苦言を呈する。

「もうー、嬉しかったからって照れないでよー」

「照れてませんよ」

 今度はやや冷やかな口調で言い返す。

「ミストくん冷たいよーお母さん(・・・・)涙が出てきちゃう」

「すみませんね、フィオラさん(・・・・)











 朝の騒動の後、僕は洗面所にいき顔を洗い着替えてリビングに向かった。

 リビングに入ると食欲をそそる香りが鼻腔をくすぐる。

 テーブルにはすでに二人分の朝食が用意されていた。

 すでに着席しているフィオラさんと対面する形で僕は席に着いた。

「「いただきます」」

 行儀よく手を合わせ、感謝の言葉を述べてから僕たちは朝食を食べ始めた。

「相変わらずとても美味しいですね」

「そう?フフッ、ありがとう」

 僕の素直な賞賛に、フィオラさんは微笑を浮かべた。

 彼女の名前は、フィオラ・ディセル

 一応僕の保護者にあたる人物だ。

 髪の色は光り輝く金髪で、腰のところまで伸ばしている。

 顔立ちも整っており、スタイルも良い。

 客観的にいって美人と言っていいだろう。

 外見だけでは二十代前半に見えるが、彼女の見た目は年齢を表していない。

 彼女と一緒に生活することになって五年になるが、どういうわけか彼女の見た目はまったく変化していない。

 一度本当の年齢を聞こうと思ったが、女性に年齢を聞くのは無粋だと思いそのままにしてきた。

「そういえば、ミストくんに大事な話があるの」

 朝食も終わりにさしかけた頃、フィオラさんが思い出したように話を切り出してきた。

「なんですか、改まって?」

 いつになく真剣な顔をしているフィオラさんに、僕も居住まいを正す。

 フィオラさんの言葉に、僕の聴覚野は全神経が注がれた。

「ミストくんには学校に行ってもらいます」

「・・・は?」

 フィオラさんの言葉に僕の思考は停止する。

 そして張りつめていた僕の神経はプツン、と切れる音がした。

「だから、ミストくんには学校に行ってもらいます」

「いや、聞こえてますから。僕が言いたいのは、なんで僕が学校に通わなければならないのか、です」

「ミストくんの年齢で学校に行くのは当たり前でしょ?」

「いや、まあ、それはその通りなんですが・・・」

 正論すぎて反論の余地がない。

「大丈夫!!今のミストくんなら入学試験なんてヨユーだよ!」

「いや、別に試験の心配なんてしてませんよ。しかし・・・」

「そう・・・ミストくんは学校にも行かない不良になってしまったのね・・・

 昔はあんなに素直で可愛かったのに・・・」

 フィオラさんはしょんぼりとして、顔を俯かせている。

 こうなった段階でミストは半ば諦めていた。

 今まで何度も同じことを繰り返してきたからである。

 彼女が何かお願いをし、それをミストが断ろうとすると、彼女はこうしてしょんぼりとした表情をし顔を俯かせる。

 無論演技だとわかっているのだが、その表情と仕草があまりにも可愛いため、ミストもそこから強く言えなくなる。

 放っておいてもずっとそのまま状態でいるため、だんだん心苦しくなり受け入れるのだ。

 そして、結局今回も例に漏れずミストは受け入れるハメになった。

「ハァーー・・・分かりましたよ。学校に行きますだから元気出してください」

「本当に!?やったー!!ありがとうミストくん、大好き!!」

 落ち込んだ表情から一転、ぱあっと顔を輝かせて抱きついてきた

「ちょっ、フィオラさん苦しいです!離してください!」

 フィオラさんの豊かな胸が、僕の胸に押しつけられる。

「もう、ミストくん照れないでよー、可愛いなぁ」

「照れてませんから!あとこのやり取り今日二回目なんですけど・・・!」

 フィオラさんに抱きしめられたまま、僕は通じないだろう抗議を言い続けた。

 

 初投稿ーーー!!

 怠惰な自分には重労働だよー

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