第7話
地味な服の15、6の茶髪の男と、同じくらいの年格好のレザーアーマーを着た金髪の半人半蛇の魔人が草原に立っている。そう、俺達冒険者二人は薬草の群生地に着いたのだ。
解説を忘れていたので今ここで解説すると、冒険者とはかつての地下都市の上に出来た地上都市の周囲の魔物やを狩ることや、都市同士の荷物の運搬の護衛、それと旧文明の遺産の回収が主な仕事となっている。魔人というのは、マナの力で変質した凶暴な元人類のことだ。閑話休題、薬草取りの話に戻そう。
「採っていい数は一人10株までだそうだ。気をつけろよ。」
「ということは、合計20株ね。」
「……俺は、一応ソロという事になっているぞ。」
「あっ……そうね。」
俺達は薬草を採り始めた。すると「うわぁ!」という男とも女とも聞こえる悲鳴が聞こえてきた。
「これで10株だな。帰るぞ。」
「あの悲鳴の主、見に行かないの? 魔物に襲われたのかもしれないわよ?」
「魔人連れが見に行っても、余計に混乱させるだけだ。それにどうせ金にもならないだろうが。面倒だ。」
「困っている人を、見捨てると言うの?行くわよ。」
「ろくでなしが相手なら、どうするんだ。お前は魔人だということをもう一度思い出した方がいいぞ……」
だがこんなことを言いつつ俺は内心、少しだけ気にはなっていた。だから、言いなりになった。