表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エンドエックス  作者: 黒瀬左門
第1章
3/11

第3話

 始まりは、唐突だった。

 ある日、家に帰ると、見知らぬ男が血の付いた剣を持って父親の前に立っていた。両親の内、母親は既に事切れていた。

「逃げろ! ザイン! この男、ケオスは俺が倒す!」

 背中からその声を受けながら、俺は応援を頼むべくかつて冒険者だったという叔父の家に向かった。俺は怖かった。大好きだった母が、死んだという事実が受け入れられなかった。だから頼れる者なら誰でも良かった。誰かに嘘だと言って欲しかった。

「俺に応援を頼むだぁ?いい度胸してんな、お前。まぁ行ってくるから待ってろよ。」

 そう言って叔父は俺の家に向かっていった。思えばこれが最大の間違いだったのかもしれない。いや、最大の間違いは、あの男、ケオスの存在だろう。

 数分後、叔父は戻ってきて言った。

「お前の親父さんは既に死んじまってたよ……で、冒険者に仕事を頼んだんだ。報酬は用意しているんだろうな?」

「そんな……今、家に金はないんだ、少し待ってくれないか?」

「ないなら家を売れよ。地下都市の家ならちったぁ金になるだろうさ。」

「家がなければ、どうやって生活をするんだ!?」

「冒険者にでもなるんだな。幸運なことに、お前には元素魔法の才能があるじゃあねぇか。引く手数多だせ、お前。」

「くっ……」

 結局俺は、家を売り、手に入れた金を全て叔父に払い、地上の街に出て一文無しで冒険者になった。父も母も家も失い、俺はもう、誰も信じられなかった……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ