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第10話
街の外に出ると、ミリアが驚いた様子で声を掛けてきた。
「ザイン、そっちの二人は?」
魔人の出現に、アークは一瞬面食らったようだが、俺のことを呼んだ事から敵だとは認識していないようだ。黒甲冑は少し驚いたが、魔人を見慣れているのかそれはかなり小さな驚きだった。
「黒い奴は敵で、ワードッグは今は味方だ。俺と黒甲冑はこれから決闘をする。手を出すなよ。」
「決闘って……そっちの奴は、槍を持ってるじゃない! あなたが圧倒的に不利よ! 殺されるわ!」
基本俺のような元素魔法使いは後衛から攻撃する物で、前線に出ることはない。マナとの親和性を上げるために金属鎧を着ないからだ。
「殺しはしないさ。こいつから情報を聞き出すまではな。」
「私が代わりに決闘するわ。」
「やめておけ、お前に利は無いし、これは俺とあいつの問題だ。」
「……死なないで、それだけ約束して。」
「会って一日の奴に言う台詞じゃないだろう、それは。」
「ごっこ遊びはそれまでだ。さぁ、お前の知っていることを全部吐いてもらうよ。」
「上等だ!」