6日目 -結果-
*
梅田賢斗に変な事を言われてから2日。
今日は月曜日で休み明け。
いつものように玄関を出て学校に行こうとすると
「おはよー☆美久」
いた。
正直一昨日のことは私からすれば冗談としかもう思っていない。
だってありえないもん。
今まで散々私を遊びで落とそうとしてたくせにいきなりマジ告白って
普通に考えてからかってる以外ない。
すっごい不愉快。
「ちょっ。無視!?ねぇ美久~」
「ついて来ないで」
「いや、学校こっちだからそれは無理っしょ!?」
そりゃそうだ・・・。
でも今はこいつの顔を見たくない。
あの時のキスの感触を思い出してしまうと同時に
・・・鳥肌が立つ・・・
*
結局そのまま学校に来てしまった
なんか後ろでゴチャゴチャ私に話しかけてた気がするけど
無視してきました!!!!!
「結局昇降口まで口きいてくれなかったねーひどいな~」
・・・なんでこいつ平然としてられるわけ?
大体本当に惚れた相手とやらでキスしたんでしょ?
それなのに動揺しないってことは
・・・やっぱりからかったんだわ・・・
あれ。
「・・・・え」
・・・・何コレ....
上履きに履き替えようとすると
私の上履きに大量の水が溜まっていた
いじめ・・・?
・・・そういえば昨日の3人組・・・
「美久~。教室まで送ったげる♪」
「・・・いや。いい。先行って」
「あれ、やっと口きいてくれたのにツン全開ですか。...じゃあ放課後ね。愛してるよ☆」
梅田賢斗のむかつく言葉にも何も言えないほど頭が真っ白だ。
とりあえず上履きに溜まってる水を地面に捨てて
学校のお客様用のスリッパをはいて教室に向かった
「おっはよー!」
「!・・・絵里・・・おはよう」
「あれ?どうしたの?上履き忘れた系~?」
「うん!そうそう!忘れちゃってさw」
とりあえずこの事は黙ってないと・・・
3人からのいじめ?がもっとひどくなりそうだな。
よし!あの3人は4組で私は1組だから・・・
クラス遠いから顔合わせなくてすむ!
それに明日で1週間たつから明日になればあいつも元通りになって
何股かするんだからいじめもなくなるよね!
*
ほら!あれから何もなしに6時間まで終わった!
あとは梅田賢斗にさえ捕まらなければ今日はもう大丈夫・・・!
いつも校門で待ち構えてるから避けようがないな・・・
!
「んんっ!?・・・・・.....。」
何か変・・・意識g
*
ここ・・・どこ...?
たしか口を塞がれて・・・ってやばくないそれ!?
誘拐・・・とかなのかな・・・・
でも校内だったし・・・どうしよう・・・
私はどうやらどこかに寄りかかってる状態らしい
・・・跳び箱・・・?
体育倉庫・・・?
「あ。起きたんだ~。ヤッホー!ミクちゃんっ♪」
目の前で手をふる女子。昨日の3人組の1人。
つまり朝私の上履きに地味ないじめをした子だ。
てか、私ガムテープで口塞がれてるし手は縄で縛られてる・・・
頑張って縄を解こうとした
「言っとくけど、その縄固く結んであるから簡単に解けないよ」
目の前の女子はクスクスと笑って近づいてきて
私の髪の毛を鷲づかみにした
「ねぇ、本当あんたムカつくんだよね。マジで何なの?賢斗に自分だけ愛されてお姫様気分なわけ?」
・・・またその話か。
違う、勝手にあいつがやってるだけ。
私は梅田賢斗なんてこれっぽっちも興味ないのに
何で私がこんな目にあわなきゃいけないのさ
「元々私の賢斗だったのに・・・。許さない・・・そろそろ入ってきていいよ」
女子は後ろを向いて誰かを呼んだようだ
私はこれからどうなるんだろう。。。
きっと不良達が入ってきてボコボコにされるんだろう
アニメとかでよく見たことある
ボコボコにされる直前で誰か男子が助けてくれる的な
・・・そんなわけないよね・・・
どんどん不安が積みあがっていく
「あ、嶺那が言ってたのこの子?」
「へ~。結構可愛いじゃん」
「これは面白い反応してくれそうだわ~w」
嶺那・・とはこの女子のことだろう。
体育倉庫の外から6人ほどのガラの悪い男子が入ってきた
ボコられるに違いない。。。
「皆あつまった~?じゃ、始めちゃってよ。楽しい悪戯をさ♪」
「おいおいwこの子口塞がれてんじゃんw」
「せめて喋れるようにしてやんねえとこっちが楽しめねえってw」
6人はニヤニヤしながら言う
それに頷いて嶺那さんは思いっきり私の口に張り付いてるガムテープを剥がした
・・・痛い。
「ぷはっ・・・・・・・何する気ですか・・・?」
きっと恐怖のあまりに声が震えていたと思う
でも一応聞いておかないと・・・
ボコられるなんて御免だ。
「怖がらなくても大丈夫だよw」
「俺ら皆うまいからさww」
そういって私のワイシャツのボタンを外していった
「やっ!・・・何するの・・・っ!!」
「何ってやるに決まってんじゃんw」
「俺たちそのために集められたんだからさ。最初俺ねー」
やるって・・・ヤる!?
怖い・・・怖い・・・・。
・・・怖すぎて声が出ない。
嫌だ嫌だ。
!?
「ぅあっ....」
急に胸を掴まれた。
「お?これぐらいで感じてんの?w楽しみぃ~ww」
嫌だ・・・嫌だ・・・・
ガチャン
「!・・・行くぞ」
一瞬驚いたような顔をした梅田賢斗。
上半身下着姿の私にブレザーをかけて
縛られてる両手を強く引っ張った
*
「・・・何もされてない?」
「・・・胸揉まれた」
「・・・他は?」
「何も。」
「・・・そっか。」
「・・・・。」
「・・・・。」
「・・・なんで場所わかったの」
「・・・遅いと思って昇降口行ったんだけど上履き自体ないし靴もないのにスリッパだけあっておかしいと思ったわけ。んで校舎中探しまくって最終的に体育倉庫みたら美久がいt・・・。・・・・ん!?」
「・・・遅いよ馬鹿.....」
怖くて怖かった所から連れ出されて安心した。
相手が梅田賢斗というのも忘れてそのまま抱きついていた
「ごめん。
・・・・・・・てか、まさかココで美久がデレるとh痛いっww」
何故か気に障ったので抱きついたまま腹パンしてやった
なんでムカつく相手なのにこんなに声を聞くだけで安心するんだろ
なんか悔しい
「あのさ、今日で6日目なんだけど・・・俺やっぱ諦めるわ!」
「はい!?」
このタイミングでいいますか!?
そりゃあこの1週間すごい迷惑だったしウザかったけど
下着の上にただブレザーを羽織っただけの女子高生が
男子高校生に道の端っこで抱きついてる状態ですよ?
「だから、明日から元の俺に戻る!そのほうが美久も嬉しいっしょ?」
「うん、まぁね?」
そりゃ嬉しいですとも!
今まで周りウロチョロされて本気の告白とかでからかわれるし
「じゃあ明日からもう美久には話しかけない!」
嘘みたい・・・
やった・・・やったぁあぁぁあぁあぁ!!!
何この開放感!!
これでもう変なのにも目つけられないし最高じゃないですか!
「うん、ありがとう。」
「おう、でもデートは結構楽しかったぜ?w・・・じゃあそろそろ帰るか」
「うん。じゃ・・・じゃあね?」
「またな」
ブレザー借りっぱなしだけど・・・脱いだら下着になっちゃうし
借りたままなのは仕方ないよね・・・?
明日返そう。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
なんか変な気分