第五話 白虎撃破と教官部屋突入と
【白虎の間】で、俺達はとんでもない奴と対峙していた。
虎の大群?違う。
白虎の間最後の部屋に待ち受ける教官?違う。
巨大な白虎さ!
「おいおいおいおい!マジでデカいの来たぞ!?」
「見れば分かる…!こいつは、厳しいな…」
「…いや、この巨体なら、虎とも言えど動作は遅い筈だ」
「一気に攻撃すれば…!よし、行くぞ!
攻撃を躱しながら、攻撃を入れろ!」
「無茶言うぜ…!」
俺の号令で、一斉に虎に向かっていく俺達。
だがーーー。
「なっ!?」
巨大な白虎が、咆哮と共に腕を振ってきた。
その速さは、目ではとても追えなかった。
「マジかよ…あの図体で、あの動き…!」
「…勝てないのか。ここで、終わるのか…?」
「…一旦下がれ!」
三人一斉に虎から飛び退き、態勢を整える。
「…俺に作戦がある」
「「蒼吾?」」
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「よし、行くぞ!」
「おうよ!」
「任せておけ」
蒼吾は右側に、浩二は左側に。
眞壁は、正面から虎に突っ込む!
「うおおおおっ!!」
大剣を盾のように構え、虎に押し付けるようにして眞壁が特攻する。
蒼吾が考えた作戦とは、大型の相手にはパターン化されているであろう戦法。
『壁役が敵を抑え、その壁役の援護を後衛が行い、俊敏性に長ける者が敵の弱点を突く』
至って簡単、シンプルな作戦である!
しかし、眞壁の得物は盾では無く大剣。
壁となるには不釣り合いな武器である。
だが眞壁は、その壁役を迷うことなく自分がと名乗り出た。
後衛の浩二は、眞壁の援護。
この場合は、虎の手足、目を撃ち抜く事となる。
そして蒼吾は
居た場所から右側へ、全力疾走していた。
虎の弱点、首を断ち切るために。
「フッ!!」
壁を蹴り、虎の首元目掛けて跳躍する。
「今だ、眞壁!」
「はああああっ!!」
眞壁が大剣を虎から離し、浩二が虎の目を撃ち抜く。
「フン!」
大剣を思い切り虎の頭に叩きつける眞壁。
虎は動きを止め、雄叫びを上げる。
「今…楽にしてやる」
虎の首元へ一気に接近しーーー。
「セイッ!!」
ーーー首を切り落とす。
三人は、巨大な白虎に勝利した。
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「はあ、はあ…や、やったか?」
「ああ。俺達の勝ちのようだ」
「よっしゃ!蒼吾の作戦のおかげだなあ」
浩二と眞壁が、蒼吾の元へ駆け寄る。
「お疲れさん。白虎の首、ちゃんと切り落としたな」
「ああ…切れなかったら、どうしようかと思ってたよ」
「フッ…まあいいだろう。俺達は勝利したのだから」
「…ああ」
会話を終えると、白虎の体が光の粒となって消えた。
「…次の部屋に、教官がいるんだな」
「ああ。…勝てるかねえ?」
「この学院の教官だ…一筋縄では行かないだろう。
だが、あの白虎を撃破出来た俺達ならば…」
「勝てる見込みは…あるかもしれないな」
互いを見つめ、決意する三人。
三人の結束は、確かなものとなった。
「よし…行こう、二人とも」
浩二と眞壁が頷く。
そして、教官の待ち受ける部屋の扉を開けるーーー。