第四話 新たな仲間と巨大白虎出現と
「後ろだ、浩二!」
「っ!?」
仕留めたと思っていた虎が起き上がり、浩二に飛び掛かる。
(ここからじゃ、間に合わない…!)
一気に踏み込んでも、全力疾走しても間に合わない位置に浩二はいる。
「浩二ッ!!」
「うわああああっ!!!」
浩二が悲鳴を上げる。
そしてーーー。
ーーー青い剣閃が、虎を裂いた。
「…え…?」
俺も浩二も、現状を把握出来ずにいた。
それもその筈、浩二を襲った瀕死の虎は
今までその部屋に居なかった、一人の大剣使いに斬り伏せられていたからだ。
「危ない所だったな…無事か、お前達」
大剣使いの男が俺達に声を掛ける。
「ああ、なんとかな。…ありがとう」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「なるほど。あの虎は、瀕死だったが…
最後の力を振り絞り、浩二を襲った訳だな」
「ああ。全く、油断しちまったぜ…
本当にありがとな、えっと…」
「眞壁。俺は、眞壁誠一。よろしく頼む」
「こちらこそ。よろしくな、眞壁!」
眞壁誠一。なんとも強そうな奴だ…。
「…次もまだ部屋があるのか」
「かーっ、面倒臭え!教官直々に出向いて来いってんだ!」
「そうも行かないだろ…そんな事したら、フロアを分けた意味が無くなる。
フロアを踏破し、教官の居る部屋に辿り着く事が、実技試験の最終目標なんだろう」
なるほどな…と、げんなりとした表情で浩二が答える。
「まあ、とりあえず次の部屋に行ってみよう」
「あーあ、また虎が来たら嫌だぜ…
もっと増えてたら尚最悪だあ」
「デカい虎が来たりしてな」
「不吉な事言うなよお!そういう事言うとマジで出るかもしんねえだろ!」
三人の中に笑いが起こる。
他愛無い会話を終え、次の部屋に向かう三人。
そして、次の部屋に現れたものはーーー。
「…おい、これ…」
「…ビンゴかよ、笑えねえ」
「デカいな」
巨大な白虎だったーーー。