第二話 入学式と友人と
校長とかのスピーチなんかを全く聞かない僕が、学院長のスピーチを書くのは無理でしたorz
「ふぅ…なんとか間に合った」
偶然出会った少女、琴葉のおかげで、俺は入学式の会場に辿り着く事が出来た。
会場の席に座り、入学式の開始を待っていると。
「ねえ…君」
隣から、声を掛けられる。
「…俺か?」
「うん、君!朝、すんごい登校の仕方だったって話題だよ」
凄い登校の仕方…スライディングのあれか。
「あれ、見られてたのか…」
「ほとんどの人が見てたよ〜。遅刻でもしそうになったの?」
「ま、そんな所だ。
っと、自己紹介がまだだったな。俺は高槻蒼吾。よろしくな」
「僕は明石真尋!よろしくね、蒼吾!」
この学院に来て初めての友人。仲良く出来るといいな。
そんな事を考えていると、入学式開始を告げるアナウンスが聴こえる。
「あっ…そろそろ入学式が始まるみたいだよ!」
言われて、俺は壇上に目を向ける。
そこには、一人の老人が立っていた。
「皆の者…よくこの学院に来てくれた。
ワシは、獅子王学院の学院長、獅子王大我じゃ」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ーーー以上で、スピーチを終える。
皆の者、大志を抱き、学院生活を謳歌せよ!」
学院長のスピーチが終わる。
「以上で、入学式を終了いたします。
学院生の皆様は各クラスへ。新規入学生の皆様は生徒会長の指示に従い、試験会場へ向かって下さい」
入学式は終わったが…どうやら試験があるようだ。
「試験…?入学に必要な試験は、もう行った筈じゃ…」
「それも含めて、これから全部説明しますよ」
不意に声を掛けられ、壇上を見ると。
朝、俺を入学式の会場まで案内してくれた少女がいた。
「皆さん、入学おめでとうございます!
私はこの獅子王学院の生徒会長、真加部琴葉です。これから皆さんには、クラス分けをする為の実技試験を行ってもらいます」
実技試験という単語を聞き、場がどよめく。
「はいはい、静かに!
まずは会場に向かいますので、皆さん着いて来て下さい!」
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「はい、到着〜!
それでは皆さん、説明をよくお聞き下さい!
まずこの実技試験は、武術クラス、魔法クラスの分割を行う為のものです!
試験の成績で、学院生活に支障をきたすような恐れは決してありませんので、ご安心を!」
獅子王学院のグラウンド。
様々なアトラクションのような物が並べられたこの場所で、俺達は実技試験を行うらしい。
「武術クラスへ行く人はこちら、魔法クラスへ行く人はこちらにお並び下さい!」
俺は当然武術クラスへ。
「試験…か。まあ、本気で臨むとするか」
気持ちを切り替え、試験開始を待っていると。
「よっ。また会ったな」
「ん…?あっ、お前…銃使いの!」
「ナイスランだったぜ、兄ちゃん」
朝、強盗を捕まえる時に援護射撃をしてくれた銃使いの男。
「お前も武術クラスに?」
「魔法は得意じゃねーからな…
そだ、また会ったんだし、名前でも教えとくか。
俺は浩二。千葉浩二だ。よろしく頼むぜ」
「俺は高槻蒼吾。ああ、よろしくな」
握手を交わし、互いの名を確認し合う。
そんな中ーーー。
ホイッスルが鳴り響く。
「さあお前らァ!実技試験開始の合図だ!血反吐吐くまで、こってり絞られてこいや!」
随分と柄の悪そうな人だな…。
そう思っていると、不意に声を掛けられる。
「おい、蒼吾」
「ん?なんだ、浩二」
「また…二人で行かねえか?
二人なら、意外といいトコまで行けるかもしれないぜ」
「確かに…よし!浩二、背中は任せる」
「決断早えな…ま、任されてやるよ」
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試験開始前に、武器を選択する。
俺は双剣を逆手に持つスタイルで、浩二は2丁拳銃を選択。
この実技試験は、会場内の15フロアものステージから1フロアを選択し、各フロアのゴールを目指すというもの。
各フロアゴール前には学院の教官が立っており、教官がいる場所に辿り着くまでにも、様々なトラップが仕掛けてあり、魔物も潜むという。
それら全てに対しての対応能力を評価する…それが実技試験の目的らしい。
「やるからには本気だろ?蒼吾」
「当たり前だ!当然、教官も倒してゴールするさ」
「だよな…へへっ、まあ死んでも骨は拾ってやるよ」
「頼むよ…ま、行くとしようか。
実技試験…腕が鳴るぜ」
「無茶はすんなよ、相棒?」
「勿論だ。さあ、行くか!」
長かったなあ…
次回は、バトルとかしていきます