なんでも欲しがる妹の話
掲載日:2025/12/30
「おねえちゃん、これちょうだい」
私の妹は困ったちゃんだ。
ドレス、宝石、ぬいぐるみ、なんでも欲しがる。
「はいはい」
私はぬいぐるみを渡した。
「ありがとう」
レティシアは嬉しそうに笑う。
次の日、ぬいぐるみは捨てられていた。
「しょうがないな」
私は箒とちりとりを持ってきて、掃除をした。
綿がごそごそしてかさばった。
「おねえちゃん、これちょうだい」
今度はドレスだ。
「はいはい」
私はドレスを渡した。
「似合う?」
ドレスはレティシアによく映えていた。
「似合う」
私は、レティシアの髪を結ってやった。
「えへへ」
次の日、ドレスはズタズタになって捨てられていた。
「しょうがないな」
私はドレスをつまみ上げた。
布だ。ゴミ箱に入れた。
「おねえちゃん、アンソニー様ちょうだい」
またまた困った癖が出たらしい。
アンソニーは私の婚約者だ。
アンソニーはデレデレしている。
私はちょっと考えて言った。
「はいはい」
数日後……アンソニーは姿を消した。
「しょうがないな」




