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本日も晴天なり  作者: 古紫 汐桜
第二章 幸福屋での日々
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縁を結び、縁を断つ──五道家の裏側

ちなみに「五道家」の“五道”とは、五芒星に由来するらしい。

木・火・土・金・水──この五つの力を古来より操り、日本を“裏側”から守ってきた一族だという。


とくに“直系”は能力が段違いに強いらしく、今も直系の血を濃く継ぐ者だけが本来の力を発揮できるらしい。


そこで、ひとつ疑問が浮かぶ。


なぜ空也と姫華ちゃんは「五道」ではなく「我妻」を名乗っているのか。


一緒に暮らしていると気になることは山ほどあるが、

本人たちが話さないのにこちらから踏み込むのもためらわれて、結局いまも聞けずじまいだ。


え? 話してくれないかもしれないって?


……まぁ、そうなったらそれまでだ。

誰だって、人に触れられたくない事情の一つや二つはある。

きっと空也と姫華ちゃんにも、我妻を名乗る理由がちゃんとあるんだろう。



さて。

俺の労働時間は、店のオープン準備である朝10時から、裏稼業が終わるまで──という長丁場。


と言っても裏稼業は頻繁ではないので、普段は 10〜20時で甘味処の手伝いをしている。


ブラック企業で働いていた当時に比べれば、通勤時間ゼロというだけで天国みたいなものだ。


……とはいえ、裏稼業がある日は本当に大変で、ターゲットの行動によっては深夜に突入することもある。


ちなみに裏稼業は“前払い制”。

理由は、依頼が完了すると 依頼主も対象者も、その出来事の記憶を完全に失う からだ。

後払いなんて成立しようがない。



裏稼業の依頼方法も独特で、幸福屋には──


選ばれた人にだけ見えるメニュー


が存在する。

その人が払えるギリギリの額で表示され、選ぶかどうかは本人次第。


そのメニュー名が 「チョコレートパフェ」。

(ちなみに姫華ちゃんチームは 「ラズベリーサンデー」 らしい。)


甘味処には似合わないから分かりやすい、とマキちゃんは言っていた。


注文が入ると、まずターゲットの行動を下調べし、そのうえで実行へ移る。

夕闇や宵闇に紛れ、悪しきもの・悪しき縁を断ち切り、依頼主を幸せへ導く──それが五道家の裏稼業だ。


空也いわく、「悪縁」が最も厄介らしい。


強い恨みは、一度断ち切っても 想念として残り、生霊となって依頼主に取り憑くことがある。

空也はそれが完全に消滅するまで、ひとつの依頼に時間がかかっていたという。


それを──


一瞬で昇華できるのが、“陽の気質”。


さらに俺の場合、

依頼主も対象者も、それぞれ“幸運へ向かう縁”に結び直す んだとか。


……とは言っても、自覚はほとんど無い。


俺がまだ裏稼業に関わる前、空也が断ち切った“闇”の想念が空也にまとわりついたことがあった。

そのとき、タマの毛は墨色になり、空也自身もひどくつらそうだった。


俺が「どうにかならないのか?」と聞くと、空也はこう言った。


「青夜、そのモヤを空也から引き剥がすイメージをしてみろ。

そして──“手を叩いて消す”イメージだ」


言われるままに柏手を打つと、


黒いモヤだった闇は虹色に変わり、蝶の姿で空へ舞い上がっていった。


空也はそれを見て、ほんの少し──本当に少しだけ笑った。


俺にはまだよく分からないけれど。

どうやらこれが、“陽の気質”という力らしい。




おはようございます。

今回は、空也たちの裏稼業と、青夜の秘められた能力が少しだけ明かされる回でしたね。


さてさて、この先、青夜はどんな道を辿っていくのでしょうか?

楽しんでいただけたら幸いです。


次回更新は 夜の20時 になります。

またお会いできたら嬉しいです。


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