逃げる俺と追うイケメン、そして相棒になった夜
「悪縁を断ち切る?」
そう呟くと、変態イケメンはタマの喉元を撫でながら答えた。
「ああ。あの男は、もう二度とストーカーしていた女性には会えない」
その言葉に、俺はふと妙案が浮かんだ。
「なぁ、その刀で切った縁って、二度と結ばれないのか?」
平静を装って聞くと、
「まぁ、そうだな」
と淡々と答える。
「なぁ、その刀で──」
「お前には絶対にやらないからな!」
ギロリと睨まれ、俺の考えは秒で読まれていた。
苦笑いしていると、変態イケメンは俺に右手を差し出し、
「俺に力を貸してくれないか」
と、真剣な眼差しを向けてきた。
意思の強い漆黒の瞳に一瞬だけ胸がざわつき、曖昧な笑みで聞き流そうとした時──
「逃げるの?」
片頬を上げてシニカルに笑うその態度に、カチンと来た。
「はぁ? 逃げてねぇし!」
「いや、逃げようとしてただろ?」
「逃げてない!」
「逃げてた」
「だから逃げてないって!」
「いや、絶対逃げてる」
売り言葉に買い言葉。
ついに俺は叫んでしまった。
「分かったよ! 協力すればいいんだろ!」
すると変態イケメンは“してやったり”の顔をして、
「じゃあ、決まりだな」
と微笑み、手を差し出した。
「よろしく、相棒」
「お、おう……」
俺は短く返事をすると、差し出された手を軽く叩いて握手を避けた。
これが俺にできる精いっぱいの小さな抵抗だ。
変態イケメンは小さく笑うと、地面に置いていた俺のリュックをひょいと背負った。
「住む家、無いんだろ? 来いよ」
「え? 住む場所を提供してくれるの?」
「家賃無料、三食まかない付きだけど?」
「それって……あの店を手伝うってこと?」
問い返しながら、気付けば俺は奴の隣に並んで歩き出していた。
青白い月が夜空を照らす中、俺──小林青夜は、
そいつの背中を追いながら歩き始めた。
心地よい風が、まるで俺たちの出会いを祝福するように頬を撫でていった。
こんばんは
すみません。
これまでバタバタしていて、なかなかあとがきを書く余裕がありませんでした
(´;ω;`)
新作って、どうしても本編を書くのに必死になってしまって……
あとがきまで手が回らず、本当にダメですね(汗)
さて。
変態イケメン(?)と、美猫タマ。
彼らが青夜と今後どのように関わっていくのか──
楽しみにしていただけたら嬉しいです。
次回更新は明日の朝8時 になります。
またお会いできたら嬉しいです。




