表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
本日も晴天なり  作者: 古紫 汐桜
第三章 五道家
36/36

クマのぬいぐるみが喋ってる!? ……クマったな?

青夜と五道哲真はしばらく睨み合った後、哲真が小さく笑った。


「その強がりが、いつまで続くのか……楽しみだよ」


そう呟くと、彼は青夜に背を向け、


「優しいきみが、桜子を“傷もの”にしないことを祈るよ」


と言い残して部屋を出て行った。


「傷ものって! 人をケダモノみたいに……」


そう呟いた、その時だった。


「“傷もの”というのはな、婚約破棄された令嬢を指す言葉じゃ。このたわけ!」


突然、そんな声が響いた。


「え? どこから声が……?」


青夜はきょろきょろと辺りを見回したが、人の気配はない。


(まさか……どこかにタマが隠れているのか!?)


そう思い、辺りを探してみるが、やはり気配はまったくなかった。


「え……まさか、オバケ?」


ぽつりと呟いた、その瞬間──


「誰がオバケじゃ、このたわけが!」


次の瞬間、部屋に置かれていたクマのぬいぐるみが、勢いよくキックしてきた。


(なんか俺、今日はタマとクマのぬいぐるみに蹴られまくってない?)


そんなことを考えていると、


「まったく……哲真め! 勝手なことをしおって、けしからん!」


クマのぬいぐるみが、腕〈らしきもの〉を振り回しながら怒っている。


「あの……」


戸惑う青夜を見上げて、クマのぬいぐるみは言った。


「初めて会うな、青夜。我は五道家の総帥を務めておる、五道薫じゃ」


「え!? クマのぬいぐるみが総帥!?」


思わず叫ぶと、


「馬鹿者! この身体は念話をするための借り物じゃ!」


そう怒鳴られ、再びクマのぬいぐるみに顔を蹴られた。


(五道家の関係者は、手……いや、足が早いんだな)


「念話?」


「そうじゃ。我の本体は、本邸にあるのでな」


「本邸? ここじゃないの?」


驚いて尋ねると、


「確かにここは五道家の本家じゃ。だが我は、五道家と神代家、そして五道家と敵対する六道家――そのすべてを統べる“総本家”の邸宅におるのじゃ」


そう言われ、青夜は思わず息を呑んだ。


「えぇっ!?」


「神代家にはな、五道家や六道家の本家の人間であろうと、決して手を出してはならぬという掟がある。無論、本人同士の意思であれば、婚約でも何でも構わん。じゃが──今回の哲真の行いは、明確な掟違反じゃ!」


クマのぬいぐるみは、ぷんすかと怒っている。


……もっとも、可愛いクマのぬいぐるみが怒っているので、どこか微笑ましくもあるのだが。


そんなことを考えていると、


「近々、そちらへ向かう。それまで辛抱するがよい。では、またな。小林青夜」


そう言い残し、宙に浮いていたクマのぬいぐるみは、ぽとりと床に落ちた。


青夜はそれを拾い上げ、元あったであろう場所へと静かに戻した。


──この時の青夜は、念話で話した相手が、実はとんでもなく偉い人物だったということを、後になって知ることになる。

おはようございます。

2日ほど更新が空いてしまい、すみません。


年末年始は少し慌ただしく、更新が不定期になるかもしれませんが、

なるべくお待たせしないよう、できる範囲で更新していきます。


ゆったりペースになりますが、引き続きお付き合いいただけると嬉しいです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ