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本日も晴天なり  作者: 古紫 汐桜
第三章 五道家
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タマ、夜空を駆ける②

『青夜、もう行くぞ!』


巨大化したタマが唸る。

俺は空也の背中をポンポンと軽く叩き、微笑んだ。


「じゃあ、行くな。多分、浄化は出来てるから安心しろよ」


そう言って、タマの背中に飛び乗る。


「おぉ……これが本当のネコバス」


珍しく、空也が呟いた。


思わず吹き出して、


「なんだ、それ」


と笑うと、空也も小さく笑った。


(普段無愛想なイケメンの笑顔、破壊力半端ねぇ……!)


腰が引ける俺をよそに、


『行くぞ、青夜!』


タマがそう叫び、夜空へと駆け出した。


(また、あの急降下を味わうのか……)


そう身構えた瞬間、


『……お前の力は大したものだな』


と、タマがぽつりと呟いた。


「え?」


『空也の淀みが消えた』


空也の眷属だからこそ分かるのだろう。


「……そうか」


俺が小さく笑うと、


『お前はもう少し、自分の力の凄さを自覚すべきだ』


と、タマは続けた。


『そろそろ到着だ。

我が部屋を出たら、部屋全体を浄化するイメージで柏手を打て。いいな』


俺は頷き、身体をタマに密着させて前傾姿勢になる。


次の瞬間、タマは「ビュンッ」と唸りを上げ、急降下した。


そのまま俺は、五道家の部屋へと送り届けられる。


「タマ、ありがとう!」


すぐに飛び立とうとするタマに声を掛けると、


『フン。お前のためではない』


それだけ言い残し、タマは軽々と夜空へ駆け上がっていった。


俺は少しだけその背を見送り、急いでタマに言われた通り、

部屋と自分を浄化するイメージをしながら柏手を打つ。


――その瞬間。


部屋の中が、一瞬だけ白く輝いた気がした。


髪がふわりと逆立ち、ゆっくりと元に戻る。


その直後だった。


『バンッ!』


凄まじい音を立てて、部屋の扉が開く。


驚いて身体を跳ね上げると、


「……居るか」


と、五道哲真の低い声が響いた。


彼は俺の近くまで来ると、クンクンと匂いを嗅ぎ、

安堵したように微笑む。


(いや……嗅覚が鋭いのは分かるけど、

嗅がれる側の身にもなってくれ……)


そう思いながらも、平静を装って尋ねる。


「何か?」


五道哲真は部屋の周囲を一度見回し、再び匂いを確かめてから、


「侵入者が居たように感じたのだが……気のせいか」


と、ぽつりと呟いた。


(やっべぇ……どんだけヤバい力持ってんだ、このオッサン)


心の中で呟いていると、


「ああ、そうそう。青夜君。

やはり君は神代一族の血縁だったよ」


そう言って、意味深に微笑む。


「神代一族……?」


「ええ。君の母親、神代雪。

今は結婚して、小林幸ゆきと名を変えているようだね」


その言葉に、俺は目を見開いた。


「知っているかい?

実は雪と雪夜は兄妹でね……」


五道哲真は淡々と続ける。


「つまり、君と桜子、そして空也は――いとこ同士ということだ」


その瞬間、俺の頭は真っ白になった。


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