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本日も晴天なり  作者: 古紫 汐桜
第三章 五道家
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タマ、夜空を駆ける

タマは空を駆け上がり、まるで地面を走るかのように夜空を飛んでいた。

足下には家々の灯りが瞬き、気分は某テーマパークの空飛ぶ絨毯だ。


もふもふの毛並み。

眼下に広がる街明かり。

頬を切る夜風の感触。


最高に気持ちがいい。


しばらく進むと、タマの速度が徐々に落ちていく。


『このまま、空也の部屋に突っ込む。

 しっかり掴まれ!』


そう言われ、青夜は慌ててタマの身体にぎゅっとしがみついた。


(やっぱり、もふもふが気持ちいい……)


──と思った次の瞬間、急降下。


「ギャァァァァァ――!!」


悲鳴を上げる間もなく、タマは開いていた空也の部屋の窓へと突っ込んだ。


「た……たま?」


巨大化したタマを前に、呆然とした空也の声が聞こえる。


青夜は颯爽と背中から降り、格好よく着地するつもりだった。

──のだが。


タマがいつものサイズに戻ったせいで、

支えを失った青夜はそのまま床へ落下した。


「痛たた……」


尻もちをつく青夜に、


「……青夜?」


空也の驚いた声が降ってくる。


「よ……よぉ!」


気まずい空気の中、青夜は手を上げて苦笑いした。


「なんで、ここに?」

「タマに連れてきてもらった」

「……」

「……」


会話が続かない。

ぎこちない沈黙が部屋を満たす。


すると、タマがイライラした様子で叫んだ。


『お前らは喧嘩別れしたカップルか!!』


同時に、青夜の頬へ肉球ビンタ。


(なんで、いつも俺だけ……)


内心でぼやいていると、今度はタマが空也を見据えた。


『空也。お前も、いつまで拗ねている?』


その言葉に弾かれたように、空也が顔を上げる。


「拗ねてない!」

『拗ねてた』

「拗ねてない!」


同じやり取りが何度か繰り返される。


青夜が呆れた視線を向けた瞬間、


『お前は黙ってろ!』


タマの後ろ足による肉球キックが飛んできた。


「えぇ!? 八つ当たり!?」


吹き飛ばされながら叫び、青夜は頬をさすって立ち上がる。


そして、空也の前に歩み寄り、右手を差し出した。


「空也。さっきはごめん。

 迎えに来てくれて……嬉しかった」


微笑みながら言うと、空也は気まずそうに視線を逸らす。


「……おう」


軽く、差し出された手を叩いた。


『ということで、仲直りだな!

 じゃあ青夜、戻るぞ』


タマが再び巨大化する。


すると空也が慌てて叫んだ。


「戻るって……本家か?」


『こいつは神代家の血を引いている。

 このままここに居るのがバレたら、お前ら揃って本家に逆戻りだ』


その言葉に、空也は妙に納得した表情を浮かべた。


「……青夜は、神代家の血筋だったのか」


そう呟き、ベッドに腰を下ろす。


青夜は慌てて近づき、そっと空也を抱き締めた。


「お前と……姫華ちゃんの居場所は、俺が守る。

 だから空也、信じてくれないか?

 俺は絶対に、お前を裏切らない」


その言葉に、空也は小さく笑い、青夜を抱き返す。


「……ああ。分かった」


短く、しかし確かな声で、そう答えた。


昨日は体調不良のため、更新できませんでした。

楽しみにしてくださっていた方、ごめんなさい。

無理せず、ゆっくり書いていきますので、

お待ちいただけたら嬉しいです。



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