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本日も晴天なり  作者: 古紫 汐桜
第三章 五道家
24/36

桜子さん強すぎ問題。そして哲真の要求が規格外

チャッピー、私が直してみたけど、どう?⬇️


「桜子さん! む、胸! 胸!!」


俺が必死に訴えると、桜子さんは勢いそのまま、


「胸がどうした! まさか……私にハグされるのが嫌なのか!」


と言いながら、さらにギュウウッと抱き締めてきた。


(苦しい! 死ぬ!! 本当に窒息死する!!)


俺が白目になりかけた瞬間、五道哲真が楽しそうに口を開いた。


「桜子、その辺にしてあげなさい。小林君が窒息死しそうだ」


「えっ!? 窒息死!?」


慌てて俺を離す桜子さん。


解放された俺の意識には──

ほんの一瞬、桃源郷が見えていた。


「きゃあ! ごめんなさい!」


ぐったりしている俺から手を離す桜子さん。


(……本気で死ぬかと思った……)


朦朧とした意識の中、桜子さんの声が聞こえてくる。


「で、お父様。どうしてここに青夜きゅんが?」


(青夜“きゅん”って……いや、突っ込みどころデカすぎる)


俺が意識を取り戻しながらツッコんでいると、


「ほら、空也とばかり仲良くしているからね。桜子とも仲良くして欲しくて来てもらったんだよ」


(来てもらった……じゃなくて、連れて来ただろうが!

ほぼ拉致だよ!!)


心の中で総ツッコミを入れつつ、ようやく上半身を起こす。


「青夜さん、大丈夫?」


桜子さんが覗き込んでくる。近い。顔が近い。綺麗。心臓に悪い。


俺は無理やり笑みを作って答えた。


「……ぼんやりしてましたけど、お二人の会話は、ちゃんと聞こえてました」


「えええええっ!!?」


桜子さんは一瞬で真っ赤になる。


(今は“きゅん呼び”の羞恥より重大な問題が山積みですよ、桜子さん)


俺は気力で体を支え、五道哲真へ向き直った。


「……拉致同然に連れて来られて、目的が桜子さんだけ……とは言いませんよね?」


桜子さんは口元に手を当てて青ざめる。


「ら、拉致って……」


「まぁ、多少強引だったかもしれないが、拉致は言い過ぎだよ?」


哲真は肩を窄めて苦笑したあと──

すっと表情を引き締め、俺を見据えた。


次の言葉は、空気を変えた。


「単刀直入に言う。

きみは桜子と結婚し、五道家に婿養子に入ってもらう」


「「えっ!!?」」


俺と桜子さんが同時に叫んだ。


哲真は続ける。


「きみの遺伝子は優秀だ。後世に残されるべきものだ。

空也と結ばれたところで、その遺伝子を残すことはできないだろう?」


(ちょ、めっちゃ真顔で遺伝子の話!?

現代日本の会話じゃないぞこれ!!)


俺は慌てて反論した。


「まず……空也とは“友達”です。変な勘違いはやめてください。

そして……け、結婚って……そういうものじゃないと思います!」


だが哲真は、微笑すら含んだ余裕の表情で言い放つ。


「若いね。桜子と結婚すれば、この邸宅も、財も、名声も、権力も……すべてきみの手の中だ」


「……」


「桜子は容姿も教養も申し分ない。普通の男なら飛びつく条件だと思うが?」


俺の反応を測るように見つめ、肩をすくめた。


(いやいやいやいや!!

スケールが違い過ぎるんだって……!

こんな話し、“普通の男“には来ないって!!)


俺は心の中で、盛大にツッコんだ。

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