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本日も晴天なり  作者: 古紫 汐桜
第二章 幸福屋での日々
12/36

逆プロポーズは突然に。しかも本家の美女から。

俺が苦笑いしていると、桜子さんは空也の胸ぐらを掴んだまま、


「まだ、あんたの相棒になったわけじゃないのよね?」


と言い、深呼吸してから俺の前に来て——


「私のお婿さんに来て下さい!」


と、手を差し出してきた。


(えぇ!! 初対面で逆プロポーズ!?)


目を丸くして固まる俺。その背後から、いつの間にか空也が近付き、俺の身体を抱き寄せると、桜子さんの手を弾き落として叫んだ。


「断る! こいつは俺の相棒だ!」


(は? 相棒? テレビドラマの話??

 いや見てたけどさ、なんだよこの展開!!)


俺が混乱している間にも、二人の言い争いは続く。


「ちょっと! 空也には聞いてないわよ!」


「はぁ? 俺の相棒にちょっかい出すなって言ってるんだよ!」


「あんたじゃ“番”になれないじゃない! だったら私にもワンチャンあるでしょ!」


「ねぇよ!」


……なんなんだ? この人たちは。

俺の意思は? 無視??


と思っていたその時。


「こいつは俺の相棒なんだ! 俺以外なんてあり得ない!」


そう叫ぶ空也に、桜子さんは眉を吊り上げて反論した。


「空也! それを決めるのは彼でしょう!」


ようやく俺の順番が回ってきたらしい。


俺はおそるおそる右手を挙げて、


「あの……あなたのような綺麗な人に言って頂けるのは嬉しいんですが、今日出会ったばかりですし……」


と呟くと、桜子さんは一瞬だけ目を見開き——真剣な顔で頷いた。


「……わかりました。確かにそうですね。私は大丈夫でも、あなたには心の準備が必要ですものね。

では、私の“釣書”を持参します」


「え?」


状況を飲み込めない俺を置き去りにして、桜子さんは立ち上がる。


「そうと決まったら時間が勿体ないわ。明日また来るから」


そう言うと、俺の手をぎゅっと握ってから、


「では、明日」


と去っていった。本当に嵐のように。


呆然と立ち尽くしている俺に——


「ちょっと! 青ちゃんどうするつもり!?」


マキちゃんが顔を近付けてきた。顔圧が近い。怖い。


「な、何が?」


「明日のことよ! 桜子、あの様子だと本気で釣書を持って来るわよ!」


「釣書?」


聞き馴染みのない言葉に首を傾げる俺へ、マキちゃんは信じられないものを見る目で言った。


「あんた……釣書知らないの?

お見合いで相手に渡す“結婚用の身上書”よ!」


「へぇ〜……」


と頷いてから、三秒後に理解が追いついた。


「えぇぇぇ!!?」


叫ぶ俺に、マキちゃんは肩をすくめて言う。


「だから言ったでしょ。あんた、五道家の血筋に好かれるタイプなのよ」


その言葉を聞いて、俺は空也と姫華ちゃんの顔を見る。


「え? でも空也や姫華ちゃんは“五道家”じゃないんだろ?」


するとマキちゃんは「あ!」と声を上げ、

手で口元を隠しながらおばさんみたいに手をパタパタさせた。


「そうだった! 青ちゃん、私達のこと何も説明してなかったんだった!

あんた、すぐ馴染むから前から居たみたいな感じなのよね〜」


そう言うと、


「どうせ明日、桜子が来たら全部バレちゃうんだし、その前に本家や裏稼業のこと、全部話しておくわね」


マキちゃんは姫華ちゃんにお茶を頼み、

俺たちはテーブルにつくことになった。


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