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本日も晴天なり  作者: 古紫 汐桜
第二章 幸福屋での日々
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本家・桜子、襲来。青夜、秒でターゲットにされる

実際に目の前で見た“本家のサイボーグ女”──その中でも最強と言われている桜子さんは、息を呑むほどの美女だった。


 スラリと伸びた手足。

 ボンキュッボンの完璧なスタイル。

 背中の半分まで届く漆黒の髪。

 小さな卵形の輪郭に、精密機械で配置したかのように整ったパーツ。

 整えられた眉、スッと通った鼻、切れ長の目、程よい厚みのある唇──。


 “現実離れした美貌”とはこのことだ。


 その美女が、“何かを掴んで扱く手つき”をしながら、


「溜め込む前に出せって、いつも言ってるだろうが!」


と叫んで入ってきた。


「ちょっと桜子! あんたのその手……下品よ!」


 マキちゃんが慌てて止めると、桜子さんは当然のように言う。


「はぁ? 何よ今更。

空也が穢れ吸い込みすぎて妖刀が黒くなってるって報告来てるのよ?

そんなの今までみたいに、その辺の尻軽女と遊ぶか──自己処理しろって話じゃない」


 あまりにも堂々とした下ネタに、俺は失神寸前だった。


(……いやいやいやいや!!

夢だ。これは夢だ。現実にこんな会話あるわけがない……!)


 必死に現実逃避していると、マキちゃんが俺を指差して言った。


「ほら、彼がドン引きしてるわよ」


 その言葉で初めて俺の存在に気付いた桜子さんは、ピタッと固まり──


「やだっ!! なんで新しい人がいるの!?」


と叫び、両手で顔を隠した。


 だが次の瞬間、マキちゃんをキッと睨む。


真樹(まさき)

新人を雇ったら連絡しなさいって、いつも言ってるわよね?」


 そう言いながら、俺の肩を掴んでいたマキちゃんの右手首をガシッと掴む。


「しかも、隠そうとしてたわけ?」


「痛い痛い痛い! 桜子、料理できなくなるからっ!」


 マキちゃんが情けない声を上げる。


「あの! マキちゃんが料理できないのは困るので、やめてください!」


 咄嗟に桜子さんの手に触れた瞬間──


 桜子さんはパッと手を離し、自分の手を押さえたまま数歩後ろへ下がった。


 そして、マキちゃん・空也・姫華ちゃんを順番に指差しながら怒鳴る。


「あんた達、卑怯よ!

私のドンピシャ好みを雇うなんて!!」


「えっ」


 俺が赤面した瞬間、桜子さんは俯いて震えだした。


 その時──

空也が俺を背後から抱き寄せ、桜子さんの頭をガシッと掴む。


「ちょっと空也! 何するのよ!」


「今、こいつに抱きつこうとしただろ」


 低い声で言う空也。


「いいじゃない! 減るもんじゃないし!」


「はぁ? 減るだろうが」


「あんたが朝から彼の“陽の気”を大量に吸っても、

彼ピンピンしてるじゃない!

だったら私がちょっと触れて陽の気吸ったくらい、

蚊に刺された程度でしょ!」


「ダメだ。こいつの全部は俺のモノだ」


「く、く、空也!? お前、何言ってんだよ!!」


(やめてくれぇぇぇ!!

俺の知らないところで俺の価値が変動している!!)


 二人のバトルが続く中、桜子さんが大きく息を吸い──


「ひとまず、本家に無断で新人を入れた件から聞かせてもらいましょうか?」


 と完全に説教モードに入った。


 三人が責められるのを見ていられず、俺はすぐに手を上げる。


「あの! 俺、失業してアパートも立ち退きで……本当に途方に暮れてたんです。

だから三人を責めないでください!」


 深く頭を下げると──


 桜子さんはじっと俺の顔を見つめ、


パチン。

——落ち着け私、と言わんばかりに、

突然、自分の両頬を軽く叩いた。


「ダメ……

可愛いが過ぎる……!

こんな奴らのために頭を下げちゃうとか……!」


 ぶつぶつ震えていたが、急に顔を上げる。


「そっか……連れて帰ればいいんじゃない?」


「え?」


 固まった俺の肩に手を置き、桜子さんは微笑む。


「ねぇ、別にこの店じゃなくてもいいのよね?」


 顔を上げた俺と視線がぶつかった瞬間──


 桜子さんはヨロヨロと後退りしながら、


「ヤバ……何あの可愛い顔……

天使? 天使降臨?

ってことは……ここ、天国……?」


 と呟き始めた。


「あの……?」


 首を傾げる俺を前に、桜子さんは凄まじい速さで空也の胸ぐらに掴みかかる。


「ヤバいヤバいヤバい!!

理性ぶっ飛ぶ5秒前なんだけど!?

見た!? あの犯罪級ベビーフェイス!!

華奢な身体!! シャツの肩が落ちてるの!!

ねぇあんた達、ここで私に彼を襲わせて犯罪者にする気なの!?!?」


 怒涛すぎて言葉が出ない俺。


 その間に、マキちゃんがそっと耳元で囁いた。


「ね? 言った通りでしょう?

青ちゃんの体質もそうだけど……青ちゃんって“うちの一族のドストライク”なのよ」


(ありがたいような……

でも、コンプレックスを褒められてる気もする……)


これで大丈夫?

おはようございます。

朝から下ネタ全開の展開が続いてしまい、すみません……!

下ネタが苦手な方もいらっしゃると思うのですが、桜子は空也たちの前ではいつも あのテンション なんですよね。

そりゃあ、女性として見られないのも納得です。


そんな桜子が、まさかの青夜に一目惚れ。

さて、この想定外の恋(?)が物語にどう絡んでくるのか──

楽しみにして頂けたら嬉しいです。


次回更新は、20時になります。

また、お会いしましょうね。


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