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追放令嬢は、化学調味料で異世界の食文化を革命する!~100%人工のうま味で背徳の日本食を広めます!~  作者: 速水静香
第四章: 背徳の味と広がる騒乱

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第二十一話:中毒者続出、そして……

 どん、とカウンターが大きく揺れた。

 犯人は、屈強な体つきの冒険者風の男。彼は空になった丼ぶりをまるで宝物のように両手で抱え、その目をカッと見開き、恍惚の表情で天を仰いでいた。その顔は汗と涙と、そしておそらく鼻水でぐしょぐしょになっている。


「……おお……おおお……! 見える……! 俺の脳裏に、故郷のオフクロの笑顔が……!」


 いや、見えないでしょう。あなたの故郷の味は、おそらく塩と胡椒で肉を焼いただけのものでしょうから。私のこのラーメンとは似ても似つかないはずよ。

 私は心の中で冷静にツッコミを入れながらも、その男の丼ぶりに残った最後の一滴のスープまでをも飲み干そうと、丼ぶりを逆さまにしてぶんぶんと振っている姿を見て、満足げに口の端を上げた。


 ここ『暴食の背徳亭』が開店してから、早一週間。

 王都の裏路地に突如として現れたこの崩れかけのボロ小屋は、今や王都で最も熱い場所として、その名を轟かせ始めていた。

 もちろん、悪い意味で、ではない。

 いや、ある意味では悪い意味なのかもしれないわね。なにせ、ここを訪れた客は皆、例外なく重篤な『うま味中毒』に陥ってしまうのだから。


「注文だ!替え玉、硬めで一つ!」

「こっちもだ! あと、チャーシューマシマシで頼む!」

「スープ、全部飲んじまった! 追加でスープだけ売ってくれねえか!?」


 店の外まで続く長蛇の列から、ひっきりなしに注文が飛んでくる。

 厨房の中は、もはや戦場だ。

 湯気がもうもうと立ち込め、視界は常に白く煙っている。ごうごうと音を立てるエレノア特製の魔力循環炉、麺を茹でる大鍋の沸騰する音、そして、客たちの欲望に満ちた怒号。それら全てが渾然一体となって、この小さな店を支配していた。


「ご注文、承知いたしました。Aテーブルのお客様、替え玉ですね。すぐにお持ちします」


 そんな喧騒の中、私の忠実なるメイド、マリアはまるで涼しい高原の朝を散歩するかのように、平然と、そして完璧に店内を仕切っていた。

 彼女の指揮のもと、三体のメイド型オートマタ――私がそれぞれ『グルタミン』『イノシン』『グアニル』と名付けた――が、寸分の狂いもない動きで調理補助と配膳をこなしていく。


「グルタミン、麺上げまであと十秒。イノシン、チャーシューの補充を。グアニル、カウンターの清掃をお願いします」


「「「――了解しました、総支配人」」」


 三体のオートマタが、マリアの指示に一斉に頷く。その光景は、どこかの国の秘密部隊のようで、少しだけ壮観だった。

 ちなみに、この三体のオートマタは、あの日エレノアが置いていった後、マリアがさらに内部構造に手を加えた結果、もはや製作者であるエレノアですら理解不能なレベルの高性能機へと生まれ変わっている。時々、マリアが彼女たちだけに分かる言語で何やら指示を出し、彼女たちが人間には到底不可能な速度で動いているのを見ると、私は少しだけ遠い目をしてしまう。

 まあ、便利だからいいのだけれど。


「クララ様。スープの濃度が一パーセント低下しています。追い『神への反逆』を」


「あら、もうそんな時間? 分かったわ」


 私はマリアの報告を受け、祭壇に祀るように大切に保管しているガラスの小瓶を手に取った。中には、雪のように白い究極の化学調味料『神への反逆』が、きらきらと輝いている。

 その蓋を開け、薬さじ一杯分の白い粉末を、ぐつぐつと煮える純白のスープの中へと、そっと投入する。

 その瞬間、ぶわっ、と。

 暴力的なまでのうま味の香りが、再び厨房を満たした。

 その香りが店の外まで漏れ出したのだろう。長蛇の列からは「うおおおお!」「今、追い足しやがったぞ!」「匂いだけで飯が食える!」といった、もはや末期症状としか思えない歓声が上がっていた。


 ふふふ。

 計画通りだわ。

 私のラーメンは、単なる食事ではない。

 それは、もはや一種のエンターテイメント。

 客たちは、この店で繰り広げられるうま味のショーに、心も胃袋も鷲掴みにされているのだ。


 私たちの店の噂は、口コミだけで瞬く間に王都中を駆け巡った。

 最初は、労働者や冒険者といった、裏路地に集う人々が主な客層だった。彼らは、一日の労働で疲弊しきった身体に、私のラーメンを流し込む。するとどうだろう。塩分と脂質、そしてうま味の暴力が、彼らの細胞の隅々にまで染み渡り、失われた活力を無理やり蘇らせてしまうのだ。

 おかげで、この店の周辺では、低レベル冒険者のダンジョン攻略成功率が二割上がったとか、そんな真偽不明の噂まで流れ始める始末。


 やがて、その噂は、本来であればこんな裏路地とは無縁のはずの人々の耳にも届くようになった。



「……あの、すみません」


 ある日の昼下がり。

 店の喧騒が少しだけ落ち着いた頃、暖簾の隙間から、おずおずと一人の男が顔を覗かせた。

 フード付きの外套を目深にかぶり、顔はほとんど見えない。しかし、その立ち姿や、外套の生地の質の良さから、ただの平民ではないことがうかがえた。

 そして、その腰に差している剣の鞘。そこには、王家に仕える近衛騎士団の紋章が、さりげなく刻まれていた。


(あらあら、いらっしゃいましたわね)


 私は内心でくすりと笑った。

 最近、こういう客が増えてきたのだ。

 身分を隠し、お忍びでこの背徳の味を求めてやってくる、哀れな上流階級の子羊たちが。


「いらっしゃいませ。お客様、一名様ですか? そちらのカウンター席へどうぞ」


 私は、何も気づかないふりをして、にこやかに男を席へと案内した。

 男は、周囲をきょろきょろと見回し、他の客と目が合わないように、そそくさとカウンターの隅に腰を下ろす。


「ご注文は?」


「……こ、ここの名物というものを、一つ」


「はい、背徳豚骨ラーメンですね。麺の硬さはいかがなさいますか?」


「ふ、普通で頼む」


 男の声は、緊張で少しだけ上ずっていた。

 おそらく、普段は王宮の料理人が作る、上品で繊細な味付けの料理しか口にしていないのだろう。こんな、油と欲望が渦巻くような店に来るのは、初めての経験に違いない。


 数分後。


 湯気の立つ、純白のスープがなみなみと注がれた丼ぶりが、彼の目の前に置かれた。

 ふわりと立ち上る、暴力的なまでのうま味の香り。

 男は、ごくりと大きく喉を鳴らした。

 そのフードの下で、瞳が大きく見開かれているのが分かった。

 彼は、周囲の目を気にするように、しかし、その本能的な食欲には抗えないといった様子で、震える手でレンゲを手に取った。

 そして、おそるおそる、スープを一口。


 ぴたり、と。


 男の動きが、完全に止まった。

 その身体が、石像のように硬直する。

 私は、その反応を、満足げに眺めていた。

 分かるわ。分かるわよ、その気持ち。

 今まであなたが信じてきた『美味しい』という世界の法則が、今、この一滴のスープによって、根底から覆されようとしているのでしょう?


 やがて、硬直が解けた男は、まるで何かに取り憑かれたかのように、一心不乱にラーメンをすすり始めた。


 ずぞぞぞぞぞっ!


 その音は、近衛騎士団の厳格なマナーとは、ほど遠いものだった。

 しかし、今の彼に、そんなことを気にする余裕などない。

 スープを飲み、麺をすする。

 ただ、その単純な作業を、獣のような勢いで繰り返している。

 額には汗が浮かび、外套のフードもいつの間にかずり落ちている。

 その端正な顔立ちは、うま味の快楽にだらしなく歪んでいた。


 あっという間に、丼ぶりは空になった。

 彼は、名残惜しそうに丼ぶりの底をレンゲでかき回すと、やおら立ち上がった。

 そして、私の前に銀貨を数枚置くと、何も言わずに、しかしどこかふらふらとした足取りで、店を出ていった。

 その背中は、何かとてつもない禁忌を犯してしまった罪悪感と、それを遥かに上回る満足感とで、奇妙な雰囲気を醸し出していた。


「……また、いらっしゃるわね」


 私は、カウンターに残された銀貨を眺めながら、ぽつりと呟いた。

 一度この味を知ってしまえば、もう後戻りはできないのだから。


 騎士の男が来た翌日には、侍女らしき女性を数人連れた、見るからに高貴な身分の令嬢が、顔をベールで隠してやってきた。

 彼女もまた、私のラーメンを一口食べた瞬間、それまでの淑女然とした態度をかなぐり捨て、侍女たちの制止も聞かずにスープを飲み干し、最終的には「お父様にもこの感動を!」と叫びながら、お土産用のスープを鍋ごと買い取って帰っていった。

 あの鍋、エレノアの特注品なのだけれど、代金はちゃんと請求できたのかしら。まあ、マリアがしっかりしているから大丈夫でしょう。


 こうして、私の『暴食の背徳亭』は、王都の階級社会の垣根を、いともたやすく乗り越えてしまった。

 労働者も、冒険者も、騎士も、貴族も。

 この店のカウンターの前では、皆、ただの『うま味中毒者』でしかなかったのだから。



「ふふ、ふふふ……! ああ、なんて素晴らしい光景なのかしら……!」


 その日の営業が終わり、客のいなくなった店内で、私は一人、カウンターに突っ伏しながら、今日の売り上げが詰まった重たい革袋を抱きしめていた。

 ちゃりん、と心地よい金属音がする。

 これが全て、私の生み出した『うま味』が生んだ価値。

 もちろん、お金儲けが目的ではない。

 しかし、自分の研究の成果が、こうして目に見える形で人々に受け入れられているという事実は、素直に嬉しいものだった。


「お嬢様。そのようにはしたない格好をなさっていると、お身体を冷やしますよ」


 厨房の片付けを終えたマリアが、私の肩にそっと毛布をかけながら、静かに言った。

 オートマタたちは、すでに明日の仕込みの準備を、寸分の狂いもない動きで始めている。


「いいじゃない、マリア。今日くらいは、勝利の余韻に浸らせてちょうだい」


「はい。ですが、お嬢様のお顔、少し満足気ではございませんでしたが、何か問題でも?」


「……分かる?」


 私は、革袋を抱きしめたまま、顔だけを上げてマリアを見つめた。

 さすがは、私のスーパーメイド。私の心の機微を、実によく理解している。


「ええ。私たちのラーメンは、大成功を収めたわ。この王都の人々の胃袋を、完全に掴んだと言ってもいいでしょう。でも……」


 私は、はあと、大きなため息をついた。


「でも、何か物足りないのよ。まだ、何かが、決定的に足りていないの」


「と、申しますと」


「私たちのラーメンは、完璧よ。スープも、麺も、チャーシューも。それぞれが最高のレベルにある。でもね、マリア。それらが一体となった時、真のポテンシャルを最大限に発揮するためには、どうしても必要な、最高のパートナーがいるのよ」


「……パートナー、でございますか」


「そう!」


 私は、がばっと身を起こした。

 そして、その瞳に、再びあの狂信的なまでの探求の炎を宿らせて、高らかに宣言した。


「白米よ、マリア! 炊き立て、つやつやの、白いご飯! あれがなければ、私のラーメンは、まだ未完成なのよ!」


 私の、あまりにも突飛な宣言に、マリアは、いつものように、こてんとわずかに首をかしげた。


「……はくまい、でございますか。確か、東方の国で主食とされている穀物の一種、でしたか」


「そうよ! 濃厚な豚骨スープをたっぷりと吸い込んだチャーシューを、熱々のご飯の上に乗せて、かっこむ! 口の中に広がる、肉のうま味と、米の甘み! そして、その口に、今度はスープを流し込む! ああ、なんて背徳的で、なんて完璧なコンビネーションなのかしら! これこそが、ラーメンライス! 人類が生み出した、最も罪深き食の形の一つなのよ!」


 私は、ありもしないラーメンライスの幻影を前にして、よだれを垂らしそうになるのを必死でこらえた。

 しかし、私の妄想は、それだけでは終わらない。


「そしてね、マリア! 白米という最高のプラットフォームを手に入れたなら、私の野望は、さらなる高みへと至ることができるの!」


「……と、申しますと」


「考えるだけでも、身震いがするようだわ……! 分厚く切ったボアビーストのロース肉に衣をつけて、高温の油でさっくりと揚げる! それを、甘辛い特製のタレで煮込み、とろとろの半熟卵でとじる! そして、それを、どんぶり一杯に盛られた熱々のご飯の上に、どさっと乗せるのよ!」


「……」


「その名も、『かつ丼』! 肉のうま味、衣の油、タレの甘辛さ、卵のまろやかさ、そして米の甘み! その全てが、一つの丼の中で渾然一体となって味覚を襲う、うま味の絨毯爆撃! 考えただけで、脳の血管が何本か切れそうなくらい、興奮するじゃない!」


 はあ、はあ、と、私の息が荒くなる。

 しかし、私の暴走は、まだ止まらない。


「それだけじゃないわ! この世界に存在する、ありとあらゆる香辛料を、私の化学の知識で調合し、究極のスパイスミックスを作り上げる! それを、じっくりと煮込んだボアビーストの肉や野菜と合わせ、とろりとした濃厚なソースへと昇華させる! そして、それを、皿に盛られた白いご飯の海の上に、決壊したダムのように、どろりとかけるのよ!」


「……」


「そう! 『カレーライス』よ! スパイシーな香りと、凝縮されたうま味の塊! 一度食べ始めたら、スプーンが止まらなくなる、魔性の食べ物! ああ、食べたい! 今すぐ、食べたいわ!」


 私の、あまりにも壮大で、あまりにも食い意地の張った野望の独白。

 それを最後まで黙って聞いていたマリアは、ふう、と一つ、小さな息を吐いた。


「……お嬢様。お気持ちは、大変よく分かりました」


「そうでしょう、そうでしょうとも!」


「ですが、その『はくまい』とやらがなければ、全ては絵に描いた餅、にございますね」


「う……」


 マリアの、あまりにも冷静で、的確なツッコミ。

 私の暴走していた思考に、冷や水が浴びせられた。

 そうだ。

 肝心の、米がない。

 この辺りの市場では、見たこともない。


「どこへ行けば、手に入るのかしら……」


 私が、がっくりと肩を落とした、その時だった。


「さあ。ですが、東方のどこかには、きっと存在しているのでしょう」


 マリアは、静かに言った。

 その黒い瞳は、店の外、まだ見ぬ世界のどこかを、まっすぐに見つめているようだった。


「ならば」


 その言葉に、私ははっとした。

 そうだ。

 ないのなら。


「……探しに行けば、いいのよね」


 私の口から、ごく自然に、その言葉がこぼれ落ちた。

 そうだ。

 私たちは、今までもそうしてきたじゃないか。

 最高の素材を求めて、森へ、崖へ、そして迷宮へと、冒険してきたじゃないか。

 次の冒険の舞台が、まだ見ぬ東方の国であったとして、何の問題があるというのだろうか。


「……決めたわ」


 私は、ゆっくりと顔を上げた。

 その瞳には、もはや迷いはない。


「行きましょう、マリア。私たちの、新たなる冒険へ!」


「かしこまりました」


 マリアは、満足そうに、深く、深く頷いた。


「この店は、グルタミンたちに任せれば大丈夫でしょう。エレノアには、技術顧問として、時々様子を見に来るように、きつく言っておかないと」


「はい。すでに関係各所への根回しは、完了しております」


「……仕事が早いわね、本当に」


 こうして、王都に一大旋風を巻き起こした『暴食の背徳亭』は、その創業者である私とマリアを欠いたまま、オートマタたちによって営業を続けることとなった。

 私たちは、再び冒険の装備に身を包む。

 背嚢には、商人たちから得た活動資金と、大量の『神への反逆』。

 腰には、ボアビーストの牙から作られたナイフ。


 王都の巨大な城門をくぐり、朝日が昇る東の空へと向かって、私たちは新たな一歩を踏み出した。


 追放された公爵令嬢の、新たなる人生。

 その旅は、まだ始まったばかり。

 私の胃袋が、真の満足を得るその日まで。

 私たちの、うま味探求の冒険は、終わらないのだから。


「さあ、行くわよ、マリア! 目指すは、最高の米と、まだ見ぬスパイスが眠る、新天地よ!」


 私の高らかな宣言が、朝日に照らされた街道に、明るく響き渡った。

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