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追放令嬢は、化学調味料で異世界の食文化を革命する!~100%人工のうま味で背徳の日本食を広めます!~  作者: 速水静香
王都での出会い

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第十五話:扉の開き方

 がん、と固く閉ざされた扉に、私の理論も情熱も、まるで子供が投げた小石のように虚しく弾き返された。

 内側からいくつもの閂がかかるあの無慈悲な音。

 それは、私の王都における最初の計画が、あまりにも鮮やかに頓挫したことを告げるファンファーレのようにも聞こえた。


 任務失敗。しかし、次がある。


 なにしろ、私の手には商人たちから正当な対価として頂いた、大量の金貨が詰まった革袋があるのだ!


「マリア、まずは宿を確保して、私たちの研究室を作りましょう!そして、あの天才様の鼻を明かすような、とんでもない『ブツ』をこの王都でお披露目してやるのよ!」


 私の新たな野望の炎は、一度扉を閉ざされたくらいでは消えるどころか、むしろさらに激しく燃え上がっていた。


 見てなさいよ、エレノア!


 あなたのその凝り固まった錬金術の常識を、根底からひっくり返してあげるんだから!


 内心、メラメラと燃え上がる炎を、隣のマリアには感じさせないよう、私は何事もなかったかのように平静を装い、くるりと踵を返した。


「かしこまりました、お嬢様」


 マリアはいつもと変わらぬ平坦な声で私の後に続いてきた。



 私たちが確保した宿は、職人街の喧騒から少しだけ離れた比較的静かな路地裏にある、こぢんまりとした木造の建物だった。商人たちが利用するような活気のある宿ではなく、どちらかといえば長期滞在者が利用するような落ち着いた雰囲気の場所だ。もちろん、これもマリアがどこからか情報を仕入れてきて、あっという間に手配してくれたものだ。彼女の情報収集能力と交渉能力は、もはや国家機密レベルではないかしら。


「ふぅ……」


 簡素ながらも清潔に掃除された部屋の椅子に深く腰を下ろすと、どっと疲労感が押し寄せてくる。肉体的な疲れというよりは精神的なものだ。まさか、あれほど見事に門前払いを食らうとは思ってもみなかった。


「どうしましょう、マリア。完全に作戦失敗ね」


 私はテーブルに突っ伏しながら弱音を吐いた。


「正面からの交渉は不可能。手紙を出したところで、三日後に『却下』と書かれた紙が返ってくるのが関の山よ。私たちの理論は、彼女にとって『冒涜』で『戯言』なのだから」


「はい。伝統と格式を重んじる研究者ほど、新しい理論に対しては保守的になる傾向がございます。特に、ご自身の研究の根幹を揺るがしかねないものに対しては、強い拒絶反応を示すかと」


「分かっているわよ、そんなこと! でも、だからこそ見せてやりたかったのに! 私の『化学』が、彼女の古臭い錬金術なんかよりどれだけ合理的で、どれだけ素晴らしいものかってことを!」


 だん、とテーブルを拳で叩く。悔しい。とにかく、悔しい。

 研究者とは、自らの理論の正しさを証明することに命を懸ける生き物なのだ。それを頭ごなしに否定されることほど、屈辱的なことはない。


「『理論で駄目なら現物で示すまでよ』なんて、威勢のいいことを言ったはいいけれど……」


 私は、はあと深いため息をついた。


「その『現物』を作るための肝心の設備がないんじゃ、話にならないじゃない。鶏が先か卵が先か、みたいな話よ、これじゃあ」


 最高の素材はある。最高の理論もある。しかし、それらを結びつけるための『場所』がない。

 八方塞がり。まさに、この状況のためにあるような言葉だわ。

 私がうーと唸りながら頭を抱えていると、マリアがことりと音を立てて私の前に一杯のハーブティーを置いた。ふわりと心を落ち着かせるような、カモミールの香りが立ち上る。


「お嬢様。一つ、よろしいでしょうか」


「何かしら、マリア……? 慰めならいらないわよ。今の私には、甘い言葉よりも高純度のカフェインの方が……」


「いえ。慰めではございません。代替案のご提案です」


「……代替案?」


 私が顔を上げると、マリアはその感情のうかがえない黒い瞳でまっすぐに私を見つめていた。

 そして、こともなげにこう言ったのだ。


「扉が固く閉ざされているのであれば」


 ごくりと私は無意識に唾を飲んだ。


「その扉を開ければよろしいのではございませんか」


「……」


 一瞬、彼女が何を言っているのか理解できなかった。

 扉を、開ける?

 いや、だからその扉が開かないからこうして困っているのではなくて?


「……マリア、あなた、私の話を聞いていたかしら? あの扉は内側からいくつも閂がかけられていて、私たちの力ではどうやったって開かないのよ」


「はい。ですから、内側から開けるのです」


「……は?」


 私の口から間抜けな声が漏れた。

 内側から、開ける?

 そのためにはまず工房の『内側』に入る必要がある。

 しかし、工房に入るためにはあの『扉』を開けなければならない。

 これは論理の袋小路。パラドックスというやつでは……。


 いや、待って。

 まさか、このメイドは。


「……マリア。あなた、もしかしてとんでもないことを考えているんじゃ……」


「はい。いわゆる、不法侵入というものに該当するかもしれません」


 あっさりと、私の懸念を肯定した。

 それも、まるで「夕食の献立はシチューにいたしましょうか」とでも言うかのようなごく自然な口調で。

 私はがばっと椅子から立ち上がった。


「ふ、不法侵入ですって!? あなた、自分が何を言っているか分かっているの!? そんなこと犯罪じゃない! 見つかったら衛兵に捕まって牢屋に入れられてしまうわよ!」


「ご安心ください、お嬢様。見つかりませんので」


「そういう問題じゃないの! 倫理的な問題よ! 私たち、これでも元貴族なのよ!? そんな泥棒のような真似……!」


「お言葉ですが、お嬢様」

 マリアは私の動揺など全く意に介さず、静かに言葉を続けた。


「これは窃盗を目的とした侵入ではございません。あくまで、私たちの研究目的を達成するためのやむを得ない『特別交渉』の一環です。法律的に言えば緊急避難的措置、あるいは不可抗力による行為と主張することも可能かと」


「どこの世界の法律よ、それは!?」


 私のツッコミも虚しい。

 このメイド、時々、というか常に、倫理観のネジが何本か外れているとしか思えない。

 しかし、マリアはそんな私の内心などお見通しであるかのように、すっと目を細めた。


「お嬢様は、このまま諦めて辺境の地へ引き返されるのですか?」


「そ、それは……」


「せっかく命がけで手に入れた三種の神器を、宝の持ち腐れにする、と?」


「う……」


「あのふてぶてしい天才錬金術師に鼻で笑われたまま、すごすごと尻尾を巻いて逃げ出すのがお嬢様の望みだと、そうおっしゃるので?」


 ぐ、ぐ、ぐ……!

 マリアの言葉の一つ一つが、私のプライドという名の急所を的確にえぐってくる。

 そうだ。

 諦める? 冗談じゃない。

 私の辞書にその言葉はない。あるのは『実験』『観察』『考察』、そして『再挑戦』だけだ。

 それに何より、あのエレノアという女の、人を小馬鹿にしたような、あの目が忘れられない。

 思い出したら、また腹が立ってきたわ!


「……分かったわ」


 私は観念して大きく息を吐いた。


「やりましょう。その『特別交渉』とやらを」


「かしこまりました」


 マリアは満足そうに深く、深く一礼した。

 その顔は、まるで「初めからこうなると分かっておりました」とでも言っているかのようだった。

 まったく、食えないメイドだわ。


「それで、具体的にはどうするの? あの工房、窓も固く閉ざされていたし、侵入できそうな場所なんてどこにもなかったように見えたけれど」


「ご心配には及びません」


 マリアはそう言うと、窓の外に広がる王都の夜景に目をやった。

 無数の家々の灯りが、まるで地上に散らばった星々のようにきらきらと輝いている。


「どのような堅牢な城にも、必ず設計上のほんのわずかな『隙』というものが存在するものでございますので」


 その言葉は、やけに含みのある響きを持っていた。



 夜の闇が王都を深い藍色に染め上げる頃。

 私とマリアは再び、あの黒いレンガ造りの工房の前に立っていた。

 昼間の喧騒が嘘のように職人街は静まり返っている。聞こえるのは遠くで鳴く夜警の笛の音と、時折吹き抜ける風の音だけだ。

 私たちは人目を避けるように、工房の裏手、建物の影が最も濃くなる路地裏へと回り込んだ。


「……それで、マリア。その『隙』とやらはどこにあるのかしら?」


 私がひそひそと小声で尋ねると、マリアは黙って工房の壁の上方を指さした。

 そこには、屋根と壁の間に換気のためであろう、ごく小さな格子のはまった通気口がぽつんと空いているのが見えた。

 高さは、地上からゆうに十メートル以上はあるだろう。

 そして、その通気口の大きさはせいぜい猫が一匹、ようやく通り抜けられるかどうかといったところだ。


「……本気で言ってるの?」


「はい。あの通気口の鉄格子、よく見ると留め金の一部が錆びて劣化しております。わずかな力を加えれば、おそらく外側から取り外すことが可能かと」


「いや、問題はそこじゃないわ! あんな高い場所までどうやって登るのよ!? それに、仮に登れたとしてあんな小さな穴、人間が通れるわけ……」


 私が言い終わる前に、マリアはすっと私の前に何かの道具を差し出した。

 それは、先端に三本の鉤爪がついた小さな鉄製の鉤と、それに結びつけられた細くても丈夫そうな黒い絹のロープだった。


「これは?」


「グラップリングフックとでもお呼びください。メイドの嗜みの一つです」


「もはや、あなたの言う『嗜み』の範囲が私には全く理解できないのだけれど……!」


 私のツッコミを、マリアはいつものようにきれいさっぱり無視した。

 彼女はその鉤を手に取ると、数回軽く腕を回して軌道を確認する。

 そして。


 ひゅん、と空気を切るような鋭い音と共に、その鉤を夜空に向かって投げ放った。

 黒いロープが、まるで生き物のようにしなやかに伸びていく。

 先端の鉤は驚くほど正確な軌道を描き、寸分の狂いもなくあの小さな通気口のすぐそばの屋根の縁に、がしりと食い込んだ。

 あまりにも見事な投擲技術に、私は開いた口が塞がらなかった。


「……お嬢様。これより私が先行して侵入し、内部から玄関の閂を外します。お嬢様はここで物音がしないよう、静かにお待ちください」


「え、ええ……」


 私が呆然と頷くのを確認すると、マリアは黒いロープをきゅっと強く数回引いて、固定されていることを確かめた。

 そして、次の瞬間。

 私の目は信じられない光景を目の当たりにすることになる。


 マリアの身体が、まるで重力など存在しないかのように、垂直な壁をいともたやすく登り始めたのだ。

 足場などほとんどないはずの平らなレンガの壁。

 彼女はそのわずかな凹凸に指先とつま先を巧みにかけ、まるでヤモリか何かのように壁に張り付いて登っていく。

 その動きには一切の無駄がなく、音もほとんど立てない。

 黒い夜着が闇に紛れて、もはや彼女は影そのもののようだった。


(……非科学的だわ)


 私の脳がただその一言だけを繰り返していた。

 摩擦係数、仕事率、エネルギー保存の法則。

 私が知るあらゆる物理法則が、目の前の光景によって無慈悲に否定されていく。

 もはや分析する気力すら起きなかった。


 あっという間に、マリアは目的の通気口までたどり着いた。

 彼女は片手で器用に身体を支えながら、もう片方の手で懐から取り出した細い針金のようなものを使って鉄格子の留め金をいじり始めた。

 かちり、とごく小さな音がして、鉄格子がいとも簡単に外側へと外れた。

 そして、彼女の華奢な身体が、まるで液体にでもなったかのように、あの猫の子一匹がやっとの大きさの穴の中へと吸い込まれるように消えていった。


「……」


 後に残されたのは静寂と、壁に一本だけ垂れ下がる黒いロープ。

 そして、その場に立ち尽くし、ただ夜空を見上げるしかできない一人の元公爵令嬢。


「……メイドって、一体なんなのかしら……」


 私の、あまりにも根源的な問いかけは夜の冷たい空気の中に虚しく消えていった。



 待つ時間は永遠のように長く感じられた。

 私は工房の正面玄関の前で、誰かに見つかりはしないかとどきどきしながらその時を待っていた。

 十分経ったか、二十分経ったか。

 私の忍耐が限界に達しようとしていた、その時だった。


 がちゃり、と内側から閂が一つ、また一つと外されていく音がした。

 そして。


 ぎぃ、とあの重く閉ざされていた扉が音もなく静かに内側へと開かれた。

 闇の向こうからひょっこりと顔を出したのは、髪一つ乱れていないいつものマリアだった。


「お待たせいたしました、お嬢様」


「……お疲れ様、マリア」


 私はもはや驚くことにも疲れて、ただ乾いた声でそう答えることしかできなかった。


「さあ、どうぞ。中へ」


 マリアに促され、私はごくりと喉を鳴らしながら、ついに天才錬金術師エレノアの聖域、その工房の中へと第一歩を踏み入れた。


 工房の中は、外から見た印象とは全く違っていた。

 薄暗い空間に薬品の独特の匂いが満ちている。

 しかし、そこは決して乱雑な場所ではなかった。

 壁一面に作り付けられた棚には大小様々なガラス器具が種類ごと、大きさごとに分類され整然と並べられている。その一つ一つが塵一つなく磨き上げられていた。

 床にはシミ一つない。

 中央に置かれた巨大な実験台の上も、いくつかの器具が置かれているだけで驚くほど片付いている。

 それは研究室というよりは、むしろどこかの教会の祭壇のように神聖な雰囲気すら感じさせた。

 壁には私が知らない複雑な錬金術の記号や、難解な数式がびっしりと書き込まれた羊皮紙が隙間なく貼られている。


「……すごい」


 思わず、私の口から感嘆の声が漏れた。

 ここは一人の研究者が己の全てを捧げている場所だ。

 その狂気じみたまでの探求心と知性が、この空間の隅々にまで満ちている。


「誰だ!」


 その時、工房の奥、らせん階段を上がった二階のフロアから鋭い声が飛んできた。

 ぱたぱたと慌ただしい足音がして、一人の女性が階段を駆け下りてくる。


 肩まで伸びた少し癖のある銀髪。大きな丸眼鏡の奥で驚きに見開かれた知的な蒼い瞳。着ているのはあちこちに薬品のシミがついたよれよれの白衣。

 昼間、扉の隙間から見えたあの瞳の持ち主。

 エレノア、その人だった。

 彼女は私たちの姿を認めると、その手に持っていた試験管か何かを危うく落としそうになりながら、わなわなと体を揺らし始めた。


「お、お前たち! 昼間の! どうやって、ここに……!? 扉は閉めたはず……!」


「ごきげんよう、エレノア先生。夜分に申し訳ありません」


 私が優雅に、しかし少しだけ挑戦的にカーテシーをしてみせると、エレノアの顔が怒りで真っ赤に染まった。


「ふざけるな! 不法侵入だぞ! 今すぐ衛兵を……!」


「まあ、お待ちになって。私たちはあなたに危害を加えに来たわけではございません」


「黙れ! 問答無用だ! 出ていけ!」


 エレノアが近くにあったほうきのようなものを手に取り、威嚇するようにこちらに突きつけてくる。

 その姿は天才錬金術師というよりは、自分の巣を荒らされて怒り狂う小動物のようだった。

 ふふふ。

 可愛いところもあるじゃない。


「衛兵を呼ぶのは結構ですけれど。その前に、少しだけ私の話を聞いてはいただけませんこと?」


「聞く耳など持たん!」


「あら、そうですか。残念ですね。あなたのその長年の研究……『賢者の石』の生成における致命的な欠陥について、教えてあげましょうという話なのですが」


 ぴたりとエレノアの動きが止まった。

 ほうきを握りしめたまま、その蒼い瞳が疑念とほんのかすかな好奇の念を浮かべて私を射抜く。


「……何を、言っている」


「言葉で分からないのでしたら、見せて差し上げます」


 私はマリアに目配せをすると、背負っていた背嚢をゆっくりと実験台の上に置いた。

 そして、その中から大切に運んできた三つの素材を取り出していく。


 乾燥させた、ボアビーストの骨の粉末。

 同じく、乾燥させたグルンブの破片。

 そして、まだぼんやりと青白い光を放ち続けている幻のきのこ、『グアニ茸』。


「これは……?」


 エレノアの目が、その得体のしれない、しかしただならぬ雰囲気を放つ素材たちに釘付けになる。


「私の『科学』が、あなたの『錬金術』を凌駕する瞬間を、今ここでご覧にいれます」


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